黄昏泣きとは?赤ちゃんが泣き止まないときの対処方法をご紹介
赤ちゃんが泣くと、パパやママまであたふたしてしまうものです。できればいつでもご機嫌でいてほしいものですが、それもなかなか難しいものです。全然泣き止まない赤ちゃんは、もしかすると「黄昏泣き」をしているのかもしれません。今回は黄昏泣きについて紹介します。
目次
黄昏泣きとは?
黄昏泣きとは「たそがれなき」と読み、別名「コリック」や「夕暮れ泣き」ともいわれています。これは、ちょうど黄昏時(夕方頃)に赤ちゃんがせきを切ったように泣いてぐずることが由来となっています。原因がよく分からないことからも、ママ・パパを困らせている習慣のひとつだといえるでしょう。
一回泣き始めたら3時間以上ぐずる赤ちゃんも多く、これが週に3~4日くらいの頻度で起こります。
いつからいつまで?
黄昏泣きは、早い子で生後2週間ぐらいから始まることもありますが、一般的には生後3~4ヶ月頃に始まり、およそ2ヶ月後の生後5~6ヶ月程度で収まることが多いです。
ただ、黄昏泣きが始まる時期は赤ちゃんによって違うので、一般より遅くても早くても心配する必要はありません。
なぜ泣いてしまうのか
現在のところ、黄昏泣きの本当の原因は判明していません。「昼から夜に向かって暗くなっていくことへの恐怖」や、「一日の疲れの爆発」など、さまざまな仮説があります。
朝と夜で行われる自律神経のリセットに赤ちゃんの未熟な体ではついていけず、何となく不安になって泣き出してしまうともいわれており、成長の過程という見方もあります。
赤ちゃんにずっと泣かれるとママ・パパも気分が滅入ってしまいがちです。しかし、本来赤ちゃんの仕事は泣くことであり、日々着実に成長しているという証です。「この子も頑張っている」と思ってあげて、心が折れそうになる自分を励ましてあげてください。
黄昏泣きのチェック方法
赤ちゃんは、さまざまな要求や欲求を言葉の代わりに泣いて知らせます。「黄昏泣きかな?」と思ったら、まずは黄昏泣き以外で赤ちゃんが泣く理由を取り除いてみましょう。
赤ちゃんが泣く基本的な要求と対応
・お腹がすいた→授乳・ミルクをあげる
・オムツが濡れている→オムツを替える
・眠い、抱っこしてほしい→寝かしつけ、抱きあげる
・暑い、寒い→温度や湿度を調節する
考えられる理由を解決しても赤ちゃんが泣き止まない場合は黄昏泣きかもしれません。黄昏泣きには、次のような様子が当てはまります。
黄昏泣きかどうかのチェックポイント
・午後から急に泣きだす
・同じ時間帯に泣く様子が週3回以上みられる
・泣くときに背中をそらせる
・顔を真っ赤にして泣く
上記のチェックポイントに当てはまっている場合、黄昏泣きの可能性が高いと考えられます。
黄昏泣きの対処方法
原因やメカニズムが不明だとはいえ、親としてはできるだけ泣いている時間を短くしたいと思うものです。可能な範囲で良いので、泣いている原因を想像して対処してみましょう。
抱っこ、コミュニケーション
赤ちゃんは、何かに不安を感じて泣いているのかもしれません。赤ちゃんが安心できるように肌の触れ合いを増やし、コミュニケーションを取ってみましょう。泣いているときの声掛けも「大丈夫だよ」「一緒にいるよ」などとポジティブな言葉でやさしく語りかけてあげてくださいね。
お腹にいたころの近い環境を作り出す『スウォドリング』もおすすめです。赤ちゃんの体を包むように、おくるみや布を少しきつめに巻き付けると、赤ちゃんに安心感を与えられるでしょう。
マッサージ
お腹にガスが溜まっている場合は、マッサージをすることで不快感が解消できることがあります。赤ちゃんのお腹にやさしく手をあて、くるくると円を描くようにマッサージを行ってみましょう。ガス溜まりの解消以外にも、ママ・パパの手の感触やぬくもりが赤ちゃんの安心感につながって落ち着く可能性もあります。
そのほかに、軽くトントンとたたいたり、全身をやさしく揉んでみたりと、マッサージを行いながらスキンシップを図ってみましょう。
散歩
赤ちゃんが泣き止まなくなってしまったときは、思い切って散歩に出かけてみるのもおすすめです。外の空気や温度、光や近所の風景に赤ちゃんの意識が移り、泣き止むことがあります。また、外に出ることはママ・パパの気分転換にもなります。
歌をうたう、音楽を聴かせる
赤ちゃんの好きな音楽やママ・パパの歌を聴かせると、赤ちゃんの気持ちが落ち着くことがあります。耳からの刺激が気持ちを切り替えるきっかけになるかもしれません。大好きなママ・パパの声は赤ちゃんにとって安心できる音のひとつです。やさしい声で語りかけるように歌ってみましょう。
また、『ホワイトノイズ』を聴かせるのもおすすめです。騒音の一種であるホワイトノイズは、赤ちゃんがリラックスしやすい音だといわれています。ホワイトノイズといえば、アナログ放送時代のテレビの砂嵐が知られていますが、地上デジタル放送になってからは見かけなくなりました。しかし、最近では動画サイトやスマートフォンアプリなどで聴くことができます。また、波の音や雨音もホワイトノイズに該当します。赤ちゃんが泣いたときや眠れないときは、一度試してみてくださいね。
お風呂に入れる
お風呂好きな赤ちゃんなら、黄昏泣きのときに浴室に連れて行ってみてはいかがでしょうか。場所の移動やお湯に浸かることで気分転換でき、体もきれいになるので一石二鳥です。普段お風呂の時間が決まっている方は、少し時間をずらし、黄昏泣きのときに合わせて入浴してみましょう。
黄昏泣きのNG対応
黄昏泣きへの対応で気を付けたいのは、『激しい揺さぶり』です。赤ちゃんの脳はやわらかく、大人よりもダメージを受けやすいため、激しい揺さぶりを受けると脳の神経や血管に支障をきたす『揺さぶられ症候群』を起こすことがあります。重大な後遺症へとつながるリスクがあるため、泣き止まないからといって決して揺さぶらないようにしましょう。
赤ちゃんの黄昏泣きに落ち着いて対応するためには、ママ・パパのストレス発散や気分転換も重要です。イライラを感じたら少しのあいだ赤ちゃんから離れ、穏やかな気持ちになるまで待ってみましょう。赤ちゃんから離れる際には、安全を確保することが必須です。赤ちゃんを安全なところに寝かせた上で、目の届く範囲で離れたり、信頼できる大人に預けたりするなどの方法をとりましょう。
どんな方法を試しても、赤ちゃんが泣き止まないことは珍しくありません。「少し様子をみよう」と、焦らず気長に構える気持ちも忘れずにいてくださいね。
黄昏泣きではないかも…こんなときは病院に
いつもと泣き方が違ったり、違和感があったりする場合は、一度かかりつけの病院に相談しましょう。受診の基準となるのは、次のようなサインです。
受診する目安
・赤ちゃんの泣き方がいつもと違う
・手足や唇が青紫色になっている
・下痢や発熱がみられる
・呼吸が荒い
・食欲がない
・嘔吐した
まとめ
黄昏泣きにはいつか終わりがくるとわかっていても、泣きやまない赤ちゃんにママ・パパは疲労困憊になってしまいます。赤ちゃんと一緒に気分転換やリラックスするつもりで、さまざまな関わりを試してみてくださいね。ストレスを溜めすぎないよう、家事や育児で休めるところは休みつつ、黄昏泣きの時期を乗り越えていきましょう。