赤ちゃんのクーイングとは?現れる時期とママ・パパの対応の仕方
クーイングとは、成長過程の段階で赤ちゃんが出す声のことです。生後2~3ヶ月ぐらいから始まることが多いですが、始まる時期は赤ちゃんによってさまざま。今回はクーイングの出てくる時期やその意味について解説します。
目次
クーイングとは
クーイングとは、生後2~3ヶ月ぐらいから始まる赤ちゃんの発声のことで、「アー」や「ウー」などの単音を伸ばした発声のことを指します。赤ちゃんがご機嫌の時によく出る声で、声帯といった、声を出す器官が発達してきている証拠です。
発声をしながらにこにこと笑う赤ちゃんも多いので、本当にかわいらしく、赤ちゃんの成長を感じる幸せな瞬間だといえるでしょう。
クーイングが始まる時期は?
クーイングは、早い赤ちゃんなら生後1ヶ月ぐらいから始まりますが、一般的には生後2~3ヶ月ぐらいから始まる赤ちゃんが多いです。しかし、赤ちゃんの成長は個人差が大きいため、クーイングをしない場合も気にする必要はありません。
赤ちゃんがクーイングをする理由
クーイングは、のどや声帯が発達していく過程でみられる現象です。会話をしようとしているのではなく、息と一緒に偶然声が出てきたと考えると良いでしょう。口から声が出ることをおもしろがって繰り返しているともいわれています。どういうときに声が出るのか、どんな声が出てくるのか、赤ちゃんは繰り返しながら感じ取っているのです。
クーイングは機嫌が良いときやリラックスしているときに現れやすく、『喜び』『楽しさ』といった意味から『プレジャーサイン』と呼ばれることもあります。
赤ちゃんにとっては声に意味をもたせていなくても、クーイングは愛情を伝える大切なコミュニケーションのひとつです。身近な大人から返ってくる反応や触れ合いは赤ちゃんにとって良い影響となり、のちの発語へとつながっていくでしょう。
クーイングは、実際に言葉をしゃべり始める1歳ごろまでには終わり、そのあとは「ママ」や「パパ」などの簡単な言葉を発声するようになります。赤ちゃんによって時期にばらつきがありますので、「うちの子は遅い…?」と心配する必要もありません。気長に赤ちゃんの成長を見守ってあげてください。
クーイングと喃語(なんご)の違いは?
クーイングとよく似た赤ちゃんの発声に「喃語(なんご)」と呼ばれるものがありますが、このふたつは似ているようで実は全く違います。唇や舌を使わずに声を出すクーイングと異なり、喃語は唇や舌を使って発声します。クーイングは発声の第一段階で、喃語は発声の第二段階だと覚えておきましょう。
クーイングは「アー」や「ウー」などの母音を発声するケースが多いですが、喃語は「マンマ」や「バ」など、子音や濁点を含む音を発声します。子音を発声するには、唇を一度閉じたり、舌を動かしたりしないと出ない音もあります。喃語を発声していくなかで、音はより複雑なものになり、種類も豊富になっていくでしょう。
喃語が現れる時期に個人差はありますが、生後6~7ヶ月ごろから増えてくると考えられています。「ママ」や「ばぁば」のように、あたかもお母さんやおばあちゃんを呼んだように聞こえることもありますが、喃語は意味をもって発声しているわけではありません。
そこからさらに赤ちゃんが成長していくと、車を見て「ブーブ」といったり、ごはんを「まんま」と話したりと、意味をもつ発声が増えていきます。会話のための発声が増えていくにつれ、喃語は減っていくでしょう。
クーイングにママ・パパはどう答える?
クーイングに気づいたときには反応を返すことで、赤ちゃんとのコミュニケーションが図れます。「アー」の発声に「あー」と返すなど、赤ちゃんの発声と同じトーンで話しかけてあげるのがおすすめです。また、クーイングは赤ちゃんが親しみを込めて話しかける行為といわれているため、「お話し上手ね~」などとほめてみたり、「なあに」と返事してみたりするのも良いでしょう。
赤ちゃんは生まれながらに音の違いが分かるといわれています。ママ・パパの声や、さまざまな言葉をたくさん返してあげましょう。いつもよりも少し高い声で話しかけてあげると、ママ・パパが喜んでいることが赤ちゃんにも伝わり、もっとクーイングで話しかけてくれるはずです。また、繰り返すことで発声方法も習得していくでしょう。
その他に、赤ちゃんに話しかける言葉のバリエーションが多いほど、子どもの語彙力が豊かになるという研究結果もあります。
言葉が通じなくても、より多くの声掛けをしながら赤ちゃんの成長を刺激していきましょう。目線を合わせたり、手を握ってみたりしながら「聞こえているよ」「楽しいね」というサインを送ってみてください。
クーイングをしない・しなくなった、、、これって大丈夫?
先ほどお伝えしたように、赤ちゃんの発達過程には差があるため、クーイングをしない赤ちゃんも います。ではしない・しなくなった場合はどのように接してあげるのが良いのでしょうか。
クーイングをする・しないには個人差が大きい
クーイングはすべての赤ちゃんがするわけではありません。クーイングの時期が長い赤ちゃんもいれば、喃語だけしてすぐにしゃべり始める赤ちゃんもいます。もともと物静かな赤ちゃんで、クーイングしなかったというケースもあるでしょう。
個人差や個性があるため、「クーイングをしないから成長が遅いのかもしれない、もしかして言葉をしゃべらなくなるのでは?」と一概に判断するのは禁物です。言葉の発達が遅れているのではなく、声を発するのが好きではない性格なのかもしれません。同時期の赤ちゃんの多くがクーイングをしていると、不安になってしまいますよね。とはいえ、もしクーイングがみられなくても、気長に成長を見守りましょう。
まれに、ママ・パパからの呼びかけが少ないと、クーイングをしないことがあります。クーイングは、赤ちゃんが成長過程でコミュニケーションをとる力を養うために行うものです。コミュニケーションは感情のキャッチボールが大切であり、一方通行ではなかなか身に付きません。赤ちゃんがクーイングをしなくても、ママ・パパが赤ちゃんに向かって話しかけたり、歌を歌ったりすることで、赤ちゃんも一緒になって発声する可能性もあります。大切なのは、ママ・パパが常に赤ちゃんとコミュニケーションをとるように習慣づけることだといえるでしょう。
クーイングをしなくなった場合や、不安な場合は小児科医に状況を相談
クーイングをしなくなっても特に心配することはありませんが、「いつもと違う」「不自然に感じる」など、不安に思う場合は、かかりつけの小児科の先生に相談してみましょう。コミュニケーションや発達に心配がある場合は、普段のクーイングやママ・パパが話しかけたときの反応の様子などを記録して、小児科の先生に報告してみてください。
音が聞こえていないからクーイングしないのでは、と不安に思う方もいるかもしれませんが、日常の音に反応していれば問題ありません。具体的には、突然の大きな音に驚く様子があるか、あやしたときに笑う姿はみられるかなどが、耳の聞こえを判断しやすいサインです。ママ・パパの声掛けに、顔や視線が動くかどうかも確かめてみると良いでしょう。
出生時には、多くの産院で聴覚スクリーニング検査を実施しています。もし、耳の聞こえに不安があれば、母子手帳にある新生児聴覚検査の項目を確認してみましょう。
まとめ
赤ちゃんのクーイングは、これまで泣くことでしか発声できなかった赤ちゃんが、新しく身につけたコミュニケーション手段のひとつです。家族みんなでクーイングにひとつひとつ答えながら、赤ちゃんとコミュニケーションをたくさんとっていきましょう。