離乳食の基本!おいしい「つぶしがゆ」の作り方と食べないときの対処方法
赤ちゃんは成長するにつれ、母乳や育児用のミルクだけでは日々のエネルギーや栄養素が不足するようになります。離乳食とは、そのような不足してくる栄養素を補うための幼児食へ徐々に移行する過程であげる食事のことです。生後5ヶ月~6ヶ月頃に始めることが一般的とされています。
今回は、離乳食の基本となる「つぶしがゆ」の作り方と食べないときの対処方法について紹介します。
目次
「つぶしがゆ」とは
「つぶしがゆ」とは文字どおりおかゆを裏ごししてつぶし、なめらかにしたものです。
離乳食初期段階の赤ちゃんは、歯が無く、食べる機能も消化能力も未発達なため、普通に炊いたお米を食べることはできません。ですが、つぶしがゆであれば、赤ちゃんでも栄養豊富なお米を食べられます。
「10倍がゆ」との違い
「10倍がゆ」とは、米と水を1:10の割合で炊く、水分量が多い柔らかなおかゆです。つぶしがゆと違ってお米を裏ごししていないため、食感があります。
赤ちゃんがつぶしがゆに慣れてきたら10倍がゆにチャレンジしてみましょう。その後は、離乳食中期なら「7倍がゆ」、後期なら「5倍がゆ」、1歳の完了期には「軟飯」と、徐々に普通に炊いた白飯に近づけていきます。
「つぶしがゆ」の作り方
つぶしがゆの基本的な作り方を3パターンに分けて紹介します。
炊いたごはんから作る場合
1.炊飯器で炊いたごはんとお水を1:5の割合で(例:ごはん 30g(大さじ2)の場合、お水は150ml)お鍋にいれ、ごはんをほぐす
2.ふたをして火にかける
3.お鍋が沸騰したらふたをずらして弱火にする
4.20分ほど煮たら火を止めて、7~8分蒸らす
5.裏ごし器やザルを使っておかゆをつぶしたら完成
おかゆをつぶすときは、おもゆ(おかゆの上澄み)以外の部分だけをすくって裏ごしします。濃度はヨーグルトぐらいのなめらかさを参考にしてみてください。ちょっと硬すぎるなと感じたらおもゆを足して濃度を調節しましょう。
米から作る場合
1.米を洗い、30分ほど浸水させる。米大さじ2に対して水230~300mlを鍋に入れる
2.ふたをして火にかける
3.お鍋が沸騰したらふたをずらして弱火にする
4.30分ほど煮たら火を止めて、20分ほど蒸らす
5.裏ごし器やザルを使っておかゆをつぶしたら完成
赤ちゃんが食べにくそうにしていたら、水分を増やして硬さを調整しましょう。
電子レンジで作る場合
1.耐熱容器に炊いたごはん小さじ1.5と水大さじ2を入れる
2.水分を逃さずしっとり仕上げるために、耐熱容器にラップをかける
3.電子レンジ500Wで2分加熱する
4.電子レンジから耐熱容器を取り出して、10分ほど蒸らす
5.裏ごし器やザルを使っておかゆをつぶしたら完成
※電子レンジによって加熱時間が異なる場合があります。様子をみながら加熱時間を調節してください。
電子レンジを活用すれば、時間がないときでも簡単につぶしがゆが作れます。ただし、つぶが残りやすいので、赤ちゃんが食べにくそうにしていたら、慣れるまで鍋で煮ると良いでしょう。
保存方法
赤ちゃんの離乳食初期の食事量は、1日1食です。つぶしがゆも小さじ1~3杯程度なので、どうしても余ってしまいますよね。
毎日少量ずつ作るのはママ・パパにとって負担が大きいため、つぶしがゆはまとめて作り、小分けして冷凍保存がおすすめです。保存は製氷皿のような容器を活用すると良いでしょう。1食分を氷1個にして作れば、分量計算も簡単です。
保存したつぶしがゆを使う際は、加熱してから赤ちゃんにあげましょう。冷凍しても生き残る菌も存在しているため、そのまま解凍しただけでは安全とはいえません。
保存したつぶしがゆを製氷機から取り出したら耐熱容器に入れて、電子レンジで一度、アツアツになるまで加熱をすると良いでしょう。加熱後は人肌まで冷めたことを確認して、赤ちゃんに与えてくださいね。
栄養に問題はない?
つぶしがゆだけでは、赤ちゃんの成長に必要なカロリーや栄養素が不足してしまうといわれています。
そのため、つぶしがゆを与えるときは、粉ミルクや砂糖、ピーナッツペースト、ゴマペースト、えんどう豆などの豆類をペースト状にしたものを加えて、不足する栄養素を補いましょう。
ただし、はじめて与える場合はアレルギーのリスクも考えられるため、少量から開始することが大切です。じんましんや咳、嘔吐など、アレルギーの症状がみられたらすぐに受診してください。
つぶしがゆを食べてくれないのはなぜ?
つぶしがゆをスプーンで口に運んだときに、舌で押し出す動きをする場合があります。舌突出反射と呼ばれるもので、赤ちゃんにもともと備わっている機能のひとつです。固形物がまだ食べられない時期に、誤嚥や窒息を回避するために舌突出反射が起こります。
この反射がまだ残っていると、離乳食をはじめてもなかなか食べてくれないことがあります。つぶしがゆを舌で押し出すしぐさが続いたら、1週間ほど離乳食を休んで様子をみながら再開しましょう。
また、お腹が空いていないと食べる意欲が低下してしまいます。なかなか食べないときは、授乳と離乳食の間隔が短すぎないかを確認してください。基本的な授乳間隔と同じ4時間おきを目安にしながら、赤ちゃんに合わせたリズムをみつけていきましょう。
一方、お腹が空きすぎていても食べてくれないことがあります。早くお腹を満たしたいという気持ちが強くなり、飲み慣れていて、かつ、すぐに空腹を満たせる母乳やミルクを欲することが原因です。
食べてくれないときの対処方法
つぶしがゆを食べてくれないときは、母乳やミルク、離乳食をあげる際の優先順位を変更してみましょう。離乳食をはじめたばかりのころは、まだおかゆになじみがなく、飲み慣れている母乳やミルクを好む傾向があります。
なかなか食べてくれないときは、母乳やミルクを少しあげてから離乳食を与えてみましょう。つぶしがゆを舌で押し出してしまう場合や、お腹が空きすぎている場合に有効です。
つぶしがゆの硬さが赤ちゃんに合っているか確認することも大切です。つぶしがゆの水分が少ないと硬さがでてしまうため、作り方を見直してみましょう。また、つぶしがゆは冷えると硬くなりやすいです。冷まし過ぎないよう温度調節も意識してみてください。
つぶしがゆの甘みを引き出す調理方法に変更するのもおすすめです。甘みがあると赤ちゃんに食べてもらいやすくなります。お米からつぶしがゆを作ると甘みが強くなるため、食べてくれないときはぜひ試してみてください。
ほかにも、甘みがある食材を合わせることで、つぶしがゆを食べやすくする方法もあります。かぼちゃを加えて甘みを出したり、飲み慣れている育児用ミルクを活用したりするのもおすすめです。
食べてくれないと不安になってしまいますが、離乳食をはじめたばかりのころは、赤ちゃんのペースで進めていくことが大切です。離乳食は食べる練習の期間ととらえ、臨機応変に対処しましょう。
まとめ
今回は初期の離乳食に覚えておきたい「つぶしがゆ」について紹介しました。はじめての離乳食は「どれくらいあげれば良いの?」「時期によってどんなものをあげれば良いの?」などわからないことがいっぱいです。離乳食についてはほかの記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。