赤ちゃん服によく見る表示「ホルムアルデヒド」とは
赤ちゃんを迎える準備のひとつとして、赤ちゃん服のホルムアルデヒド除去を目的とした「水通し」が必要といわれています。
今回は、ホルムアルデヒドについて詳しく解説しながら、水通しの必要性を紹介していきます。
ホルムアルデヒドとは?
まずは最初に、ホルムアルデヒドの基本的な概要について解説します。
「ホルムアルデヒド」とは、水素や炭素、酸素から構成される有機化合物の一種です。繊維の縮みやシワ予防のために衣類などにも使われています。
しかし実はこのホルムアルデヒド、生き物の粘膜を刺激する毒性のある物質なのです。
ホルムアルデヒドは常温では無色透明の気体で、刺激臭があるのが特徴です。安価に利用できるため、これまでは建材の接着剤や塗料などにも盛んに使われてきました。
ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因のひとつとされています。特に濃度の高いホルムアルデヒドを使った衣類を身に着けていると、大人でもアレルギーや発疹などの皮膚障害を引き起こす可能性があると指摘されています。
赤ちゃん服には水通しが必要?
赤ちゃんは大人よりも皮膚機能が未熟で、ホルムアルデヒドの影響も受けやすい傾向があります。そのため、赤ちゃん服へのホルムアルデヒドの使用量は法律で厳しく規制されており、現在は安全な低濃度の服がほとんどです。
しかし低濃度というだけで、ホルムアルデヒドの含有量がゼロというわけではありません。こうしたリスクのあるホルムアルデヒドを赤ちゃん服から除去するために行われているのが、「水通し」なのです。
水通しでは、購入した新品の衣類を水にさらして洗濯してから使います。ホルムアルデヒドは水に溶けやすいため、製品化の際にシワ防止のために使われていても、水通しで簡単に除去することが可能です。
ホルムアルデヒドの害が心配な場合は、出産準備の一環として、新しく購入したベビー服の水通しをしておくと良いでしょう。
ただし、ホルムアルデヒドは建材やタンスなどにも使われており、あまり早くに水通しをしてしまうと、室内の空気中を漂うホルムアルデヒドが再吸着しかねません。水通しは出産予定日や体調を考慮しながら、計画的に進めていくようにしましょう。
赤ちゃんへの影響が気になる場合は、ホルムアルデヒドを使っていない赤ちゃん服を選ぶのも選択肢のひとつです。ホルムアルデヒドを使っていなければ、水通しをする必要がありません。
ベビー用品を購入する場合は表示を確認して、安全性の高いものを選んでください。
ただし、ホルムアルデヒドを使っていない赤ちゃん服は、購入時のビニール袋に入れたまま保管することが大切です。ビニール袋を開けてしまうと、室内を漂うホルムアルデヒドが吸着してしまいます。
また、ママやパパなど大人用の衣類は、ベビー用品よりも高い濃度でホルムアルデヒドが使われています。ホルムアルデヒドの移染を防ぐためにも、日頃から赤ちゃん服は大人用と分けて保管すると安心です。
まとめ
今回はホルムアルデヒドのリスクなどについて解説しました。
ベビー服や肌着、靴下などを洗濯するのは手間ですが、水通しは赤ちゃんの服に使われたホルムアルデヒトを取り除くのに効果的な方法です。
とはいえ、必ずしも「水通しは絶対必要!」というわけではありません。やっておけば安心につながる出産準備くらいに認識しておきましょう。子を持つ親としてはホルムアルデヒドの使用は気になりますが、出産前の体調がすぐれないときなど、無理に行うことはありません。
基本的に、現在のホルムアルデヒド(ホルマリン)使用量は、安全な量に抑えられています。時間や体調面の余裕がなく、赤ちゃん服の水通しができなくても、すぐに問題が発生するわけではないため、あまり神経質になり過ぎないようにしましょう。
出産前はおおらかに構えて、楽しみながら赤ちゃんを迎える準備をしてくださいね。