悪露はいつまで続く?産褥期の過ごし方について
出産後のママの体からは、「悪露(おろ)」と呼ばれるものが分泌されます。子宮の回復とともに減っていくものの、個人差が大きいため、悪露がいつまでも続くと不安になってしまいますよね。今回は、悪露の正体や色の変化について解説しながら、産後(産褥期)の過ごし方、異常を見分けるポイントを紹介します。
悪露とは
「悪露」とは、産褥期に女性の体から分泌される分泌物です。妊娠中に作られた子宮内膜や胎盤、産道についた傷口からでた血液が入り混じったもので、産後しばらくは排出が続きます。
出産直後の悪露は赤みが強く、経血とよく似ています。とくに産後3~4日は非常に排出量が多いため、大きめのお産用パッドを使ってケアをしましょう。会陰切開の傷もあり、不衛生な状態が続くと感染症のリスクが高まるため、パッドはこまめに交換してください。
分娩後に日数が経過すると悪露の排出が徐々に減るため、量にあわせて小さめのパッドに変えて対応しましょう。量が少なくなってくれば、生理用ナプキンを使ってもかまいません。
悪露は、子宮の回復をはかるバロメーターのひとつです。体の回復が進むとともに悪露の色や分泌量が変化していくため、注意して経過を観察しましょう。状態の変化は下記を参考にしてみてください。
出産直後から4日前後
血液に近い、暗褐色で独特の臭いのする「赤色悪露」が大量に分泌される
産後5~14日前後
排出量が減少し、悪露に混じったヘモグロビンが変色した茶色の「褐色悪露」が分泌される
出産から15日以降
さらに排出量が減少し、白血球が多く含まれる黄色味がかった悪露にかわる
最終的に、透明に近いおりもののような「白色悪露」に変化したら、悪露の排出が終了します。ただし、産褥期の回復経過や悪露の変化は個人差が大きいため、あくまでも目安と考えてください。
一般的な悪露の排出期間
一般的に、悪露は出産直後から1~2ヶ月程度続きます。1ヶ月程度で終わるケースが多いとされていますが、人それぞれです。
悪露は、産後に産院で受ける1ヶ月検診で医師が確認するチェック項目のひとつです。検診のころに悪露が無臭の白色悪露に変化していれば、ママの体の回復は順調だと判断して良いでしょう。
産後の1ヶ月検診は、赤ちゃんの健康や発育とともに、母体の回復状況の確認も目的としています。悪露に関して気になる症状がある場合は、医師に相談しましょう。
この症状に要注意!悪露の異常を見分けるポイント
悪露の排出は産後の正常な生理現象ですが、発熱や急激な腹痛をともなう場合は、早めの受診が必要です。出産時の傷が原因で、体のなかで感染症が起きている可能性があります。すぐに医師に相談して、適切な治療を受けましょう。
身体の回復が遅れているときやなんらかのトラブルが起きているときは、悪露に変化が起きることがあります。色やにおいなど、気になることがあれば受診を検討しましょう。たとえば、膣炎が起きていると悪露のにおいが強くなる傾向にあります。
悪露の量が急に増えたときも要注意です。一般的に悪露は、産後の日数の経過とともに量が減っていくのが正常な経過です。悪露の量が急に増えた場合は、子宮復古不全が起きているリスクがあります。
産後1ヶ月ほど経過をして、急に鮮血の混じったものが排出された場合は、生理が再開した可能性があります。とはいえ、順調に透明に近づいていた悪露に、突然鮮血が混じると驚いてしまうものです。不安なときは、医師に相談してください。
まとめ
悪露が排出されている期間は体の痛みもあり、まだまだダメージが残っています。赤ちゃんのお世話や家事を頑張りすぎると回復が進みにくくなることもあるため、悪露がでている期間は無理をせず、しっかり体を休めましょう。
悪露が出るのは、産後1ヶ月程度が目安です。パッドやナプキンでこまめにケアをして、清潔な状態を保つようにしましょう。