赤ちゃんの歯はいつから生える?病院に行くべきケースや乳歯のケア方法も紹介
赤ちゃんの成長とともに、歯がいつから生えてくるのか、気になるママ・パパは多いのではないでしょうか。また、赤ちゃんの歯は大人の歯と比べて虫歯になりやすいため、ていねいにケアすることが大切です。今回は、赤ちゃんの歯が生える時期や受診が必要なケースの具体例、乳歯のケア方法について紹介します。
目次
赤ちゃんの歯が生える時期と順番
赤ちゃんの歯は全部で20本です。生える時期と順番は、以下のとおりです。
生後6ヶ月~9ヶ月ごろ
この時期に歯が生えはじめるのが一般的です。まずは下の前歯から生えはじめ、上の前歯の順に2本ずつ、計4本生えます。
生後11ヶ月~1歳ごろ
上下の前歯の左右にさらに1本ずつ生え、計8本になります。
1歳2ヶ月~6ヶ月
最初の奥歯(第一乳臼歯)が上下左右それぞれ1本ずつ生え、計12本になります。
1歳9ヶ月~2歳頃
乳歯の犬歯(手前から3番目の歯)が上下左右それぞれ1本ずつ生え、計16本になります。
2歳~2歳6ヶ月ごろ
乳歯の中で一番後ろの奥歯(第二乳臼歯)が上下左右それぞれ1本ずつ生え、計20本になります。
赤ちゃんの歯が生える時期や順番には、個人差があります。目安どおりでなくても問題ないので、心配し過ぎないようにしましょう。
見逃さないで!赤ちゃんの歯が生える前兆やサイン
赤ちゃんの歯が生える前兆は、一般的に生後6~9ヶ月ごろにあらわれます。様子の変化に慌てることなく落ち着いて過ごせるように、歯が生える前兆をおさえておきましょう。
よだれが増える
歯が生える時期になると、赤ちゃんは唾液の分泌が増えます。この時期の赤ちゃんは口を閉じて飲み込む機能が未熟のため、増えた分よだれをよくこぼすようになります。
よだれによって口やあご、胸のあたりがかぶれたり湿疹がでたりすることがあるので、よだれかけやタオルで対応しましょう。
夜泣きやぐずりが増える
歯茎の中で歯が成長する際の不快感や痛みが原因で、急に赤ちゃんの寝つきが悪くなったり、ぐずりが増えたりすることがあります。
手や服、おもちゃなどを頻繁に噛む
手指を口に入れたり、おもちゃなどを頻繁に噛んだりする様子は、歯が生える前兆のひとつです。歯茎のむずがゆさが理由で起こります。
赤ちゃんが口に入れそうなものは清潔に保っておきましょう。また、小さいおもちゃや服の装飾を誤って飲み込むことが無いよう注意してください。
歯茎の腫れ、膨らみ、出血
歯が生えてくるときに、歯茎が圧迫されて腫れや膨らみが起こることがあり、赤ちゃんによっては出血するケースもあります。この場合、ほとんどが一過性なので問題はありません。ただし病気の可能性もある為、心配な症状の場合は歯科医師に相談しましょう。
食欲が落ちる、飲食を嫌がる
食欲が落ちたり、食べ物や飲み物を口にすることを嫌がったりする理由の一つとして、歯が生えることにより歯茎に痛みを感じているからという可能性があります。
発熱
歯が生える直前の時期に知恵熱を出す場合もあります。ただし、熱が38度以上に上がるようなら注意が必要です。病気や感染症にかかっている可能性もあるので、かかりつけ医に相談しましょう。
歯がなかなか生えてこない…こんなときはどうする?
歯が生える時期は個人差が大きく、同じような月齢の赤ちゃんでも生えるタイミングはさまざまなので、周りと比べて不安になる必要はありません。多少の時期のずれは問題ありませんので、ゆったりと赤ちゃんの様子を見守ってください。
もし、1歳3ヶ月を過ぎても生えてこない場合は、何らかの理由で生まれつき歯が足りない先天性欠如の可能性があります。歯科医師に相談してみましょう。
赤ちゃんの歯が生える前兆があるときのお世話のポイント
歯が生えはじめる時、また生え始めた後に少しでも赤ちゃんが快適に過ごせるよう、歯が生える前兆があるときのお世話のポイントを把握しておきましょう。
歯固めを与える
歯茎にしっかり感触が感じられるような適度な固さが必要です。歯固め専用のおもちゃのほかには、布やタオル、フランスパンのような固めのパンもおすすめです。誤飲に気をつけながら見守りましょう。
口の中を冷やす
ひんやりとした感触が不快感を和らげます。特に歯茎が腫れているときにおすすめです。冷やしたお茶やフルーツをあげるほかに、歯固めを冷蔵庫で冷やすという方法もあります。極度に冷やし過ぎないよう、冷凍庫で冷やすことは避けましょう。
歯茎をマッサージする
大人の指に濡らしたガーゼを巻き付け、赤ちゃんに噛ませたり、優しく円を描くように歯茎をマッサージしたりするのもおすすめです。
口まわりの肌ケアをする
よだれが増えてきたらこまめに拭くようにしましょう。綿などの肌に優しい素材のタオルやガーゼ、よだれかけなどが適しています。
乳歯が生え始めたら歯磨き開始の合図!
成長が喜ばしい反面、赤ちゃんに歯が生えるということは、虫歯にも注意しなければならないということです。
赤ちゃんの乳歯が生え始めたら、歯磨きを開始しましょう。嫌がるからと歯磨きをしなければ、虫歯になってしまうかもしれません。乳歯は生え変わるとはいえ、乳歯が虫歯になると永久歯にも悪影響を及ぼす可能性があるため、きちんと歯磨きをしてあげることは大切です。
イヤイヤを防ぐための歯磨きの慣らし方について
歯が生える前から少しずつトレーニングをしましょう。赤ちゃんを膝の上に仰向けに寝かせ、口に触れたりして練習します。ガーゼを指に巻いて赤ちゃんの口の中に入れ、やさしく歯茎に触れましょう。普段から食事の後に口周りを触られることに慣れておくと、歯が生えてきたときに赤ちゃんが歯磨きを嫌がるのを軽減できるかもしれません。
とはいえ、最初のうちは嫌がることが多いので、話しかけたりして赤ちゃんの気をそらしつつトレーニングを行うのがおすすめです。
下の前歯が生えはじめる歯磨き初期の段階では、指ブラシや赤ちゃん用歯磨きシートなどを使うのがおすすめです。離乳食がまだはじまらない時期は、歯ブラシを使う必要はありません。ただし、粉ミルクで育てている場合は、乳糖以外の糖分も取り込んでいるため、虫歯のリスクが高まります。拭き取り忘れがないよう注意しましょう。
離乳食がはじまり、上の歯が生えてきたら、乳歯ブラシを使います。乳歯ブラシは、最初から口の中に入れるのではなく、まずは口へブラシをあてて、ブラシが触れる感覚に慣れさせましょう。徐々に慣れてきたら、赤ちゃんの唇をめくって、歯ブラシを歯に当ててやさしく磨きます。
歯が生えそろったら子ども用の歯ブラシに変更し、子ども用歯磨き粉や歯磨きジェルをつけてから歯を磨きます。最後に、仕上げ磨きで磨き残しをカバーしましょう。しっかりと歯磨きをしていても、磨き残しがある場合、歯間にたまった細菌によって虫歯になることがあります。歯磨きで落としきれない歯間の汚れは、子ども用のデンタルフロスできれいにしましょう。
その他に、歯がためも歯磨きに慣れるのに役立つアイテムです。歯が生え始める時期の赤ちゃんが噛んで遊ぶおもちゃですが、歯が生える手助けになるほか、噛むことを覚えるのに役立ちます。同時に口の中にものが入ることに慣れるので、歯磨きのステップに進みやすいのもメリットです。
赤ちゃんの歯が増える前に嫌がらない短時間で終わらせるところから始めると、その後の歯磨きもスムーズです。
赤ちゃんの歯の健康を保つポイント!
赤ちゃんの乳歯の虫歯は永久歯にも影響するので、赤ちゃんの日ごろの歯磨きやケアはとても大切です。それと同時に、甘い飲み物を飲ませたり、甘いものを食べさせたりしすぎないよう、食事にも気をつけておく必要があります。
また、ダラダラ食べると口の中が酸性に傾いて虫歯になりやすいので、食事の間隔を空けるのがおすすめです。食事の時間やおやつの時間を決めて、それ以外の時間はできるだけ食べ物を食べさせないようにしましょう。
特に甘いものを与えたあとは、いつもより念入りに歯磨きをしてお口の中をきれいにしてあげましょう。
赤ちゃんが嫌がったりして、食後に毎回歯磨きをするのは難しいこともありますよね。そんなときは神経質にならず、まずはおやつや食事の後にお水やお茶でお口を綺麗にするのを習慣にしましょう。
前歯が生え揃ってきたら、定期的に歯医者でチェックしてもらうと虫歯予防につながるのでおすすめです。
虫歯予防のために、赤ちゃん専用の食器を使うのも効果的です。赤ちゃんにはもともと虫歯菌はいませんが、家族の唾液を通して虫歯菌に感染することがあります。口移しで食べ物を与えたり、スプーン・フォークなどの食器を使い回したりすると、虫歯菌に感染するリスクが高くなるので注意が必要です。赤ちゃん専用の食器を用意して、虫歯菌への感染リスクを減らしましょう。
特に3歳ごろまでは、虫歯菌の親子感染に気をつけてください。
そのためにも、妊娠しているころからママも虫歯ケアをしておくことが大切です。妊娠期間中はライフスタイルや体調が大きく変わるため、歯磨きが十分にできなかったり、なかなか歯医者さんに行けなかったりすることも多いです。行けるときに歯医者さんに通って、お口の健康を保っておきましょう。
こういったケースは歯医者に行こう
歯の成長には個人差がありますが、以下のケースに当てはまる場合は受診を検討しましょう。
生まれたときから歯が生えている
赤ちゃんの歯は、早くても生後6ヶ月ごろから生えはじめます。もし、生まれた時点で歯が生えていた場合は、先天性歯(せんてんせいし)が疑われます。
2本の歯がくっついている
歯と歯がつながった状態は「癒合歯(ゆごうし)」と呼ばれ、下の歯でみられることが多い症状です。歯の生えかわりの時期に、乳歯が抜けにくくなる場合があります。
生える順番が不規則である
生える順番は、冒頭で示したとおり前歯から生えはじめるのが一般的ですが、多少の個人差はあります。ただし、生える順番が大きく異なると、成長後の歯並びに影響が出るおそれがあります。
歯の裏側に歯石がついている
赤ちゃんの歯の裏側に歯石がついていても、乳児の場合、虫歯については、口腔内に虫歯菌が存在しない、もしくは繁殖しにくいため過敏になる必要はありません。ただし、歯肉炎や歯周病のリスクは高まるため、注意が必要です。
歯が茶色や黄色っぽくみえる
赤ちゃんの歯は、基本的に乳白色です。しかし、なかには黄色や茶色の歯が生えてくるケースがあります。「エナメル質形成不全」と呼ばれ、歯が柔らかく、弱い状態になっています。もし見つけたら歯科受診をしましょう。
まとめ
赤ちゃんの歯が生えはじめる時期は、個人差があります。とはいえ、歯がなかなか生えてこないと心配になってしまうかもしれません。受診の目安を知り、心配なときは迷わず受診してください。生え始めたら、赤ちゃんの歯が生える時期や順番、歯の様子を確認してあげてください。
また、赤ちゃんの健康を守るために、日ごろから適切な歯のケアを行いましょう。