帝王切開の傷跡がケロイド化しやすい原因と対処方法を解説
帝王切開で出産すると、どうしてもお腹に傷跡が残ってしまいます。ケロイド化して目立つこともあるので、しっかり術後のケアを心がけましょう。今回は、帝王切開の傷跡の経過やケロイド化する原因、手術後のセルフケアのポイントを紹介します。傷跡をできるだけ残さないための注意点も解説しているため、参考にしてみてください。
帝王切開には傷跡がつきもの!
出産方法には、経膣分娩と帝王切開のふたつの方法があります。帝王切開はどうしても肌に傷跡が残りやすいため、気にしている方は多いのではないでしょうか。傷跡は時間が経つと徐々に薄く、目立ちにくくなります。
帝王切開の術式は、縦切開と横切開の2種類あります。縦切開は傷の治りが早い反面、傷跡が目立ちやすい傾向にあります。逆に、横切開は下着で隠れる部位に切開するため、傷跡が目立ちにくいといわれています。どちらにもメリット、デメリットがあるため、術式は医師と相談して検討しましょう。
帝王切開の場合、出産後は吸収糸や医療用ホチキスを使って傷を縫合します。一般的に、出産後3日程度で傷口が閉じ、細胞が盛り上がって埋まるまでに3週間〜1ヶ月程度の時間がかかります。下腹部は日常的に力がはいりやすく、傷跡が肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイド化しやすいため、しっかりケアしましょう。
帝王切開の傷跡がケロイド化する原因
帝王切開をはじめとする手術の縫合跡は、時間がたっても傷跡が赤く盛り上がり、目立つことがあります。いわゆる、肥厚性瘢痕やケロイドと呼ばれる状態です。かゆみや痛みをともなう場合もあるので、注意して対処しましょう。
・肥厚性瘢痕
縫合跡の範囲で赤みや盛り上がりが生じた状態
軽いかゆみや痛みをともなうものの、時間が経過するにつれて自然に治る
・ケロイド
縫合跡の範囲を超えて、赤みや盛り上がりが広がった状態
強いかゆみや痛みをともなうケースが多く、自然治癒しにくい
帝王切開の傷跡がケロイド化する原因には、肌にかかる物理的な刺激や伸展刺激、服との摩擦による刺激、紫外線などがあげられます。そのほか、女性ホルモンの影響や高血圧といった体質も重傷化の一因とされています。
ケロイド化を防ぐ!帝王切開の傷跡をケアするポイント
物理的な刺激による肥厚性瘢痕やケロイド化なら、手術後のセルフケアで予防が可能です。出産後は赤ちゃんのお世話や授乳で忙しいため、ママの体の負担にならない範囲でケアに取り組んでください。
帝王切開の傷跡のセルフケアは、産後3ヶ月までが重要です。医師のアドバイスを参考に、専用のテープでしっかり固定して傷跡の乾燥を防ぎましょう。
手術後1週間は、とくに乾燥に注意が必要です。手術による痛みもある時期なので、お腹まわりの皮膚や筋肉になるべく負担をかけないように、ゆっくり体を休めて早期回復を目指しましょう。
専用テープは、こすれから傷跡を保護するのにも有効です。こすれるとかゆみが生じやすいため、出産後は傷跡にゴムがあたらない下着や、肌への刺激が少ない素材の服を選ぶと良いです。
とはいえ体質も関係してくるため、ケアに気をつけても、傷跡が残るのを100%予防できるとは限りません。あまり神経質になりすぎずに、「いずれは目立たなくなる」と考えて、ケアを継続していきましょう。
出産後1年が過ぎても、傷まわりに赤み、盛り上がり、かゆみがある場合は、専門医に相談してください。傷跡がケロイド化している場合は、医師が処方する内服薬や外用薬、レーザーなどで治療できます。
まとめ
帝王切開での傷跡は残りやすいものです。ママになった勲章ではあるものの、体に残る傷が目立たないのに越したことはありません。帝王切開の傷跡の経過は、出産後の処置や体質によって左右されます。正しいセルフケアで、傷跡の肥厚性瘢痕やケロイド化をなるべく防ぎましょう。傷跡の状態が気になる場合は、医師に相談することをおすすめします。