骨盤ベルトは妊娠中や産後に使える!つける時期や使用時の注意点は?
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妊娠中の腰痛は、出産に備えて緩んだ骨盤を腰まわりの筋肉が支えようとすることによって起こります。また、お腹が大きくなるにつれて姿勢が変化することも、腰痛を悪化させる要因になります。さらに、赤ちゃんが成長するにつれてお腹が重くなってくると、骨盤や腰への負担はどんどん大きくなっていきます。そこで活用したいのが、骨盤ベルトです。今回は、骨盤ベルトとは何か、どんな効果があるのか、つけるべき時期、注意点、ベルトの選び方などを解説します。
目次
骨盤ベルトとは?
骨盤ベルトとは、骨盤の緩みや歪み・ズレ・開きを矯正する器具です。
骨盤の中央部分(仙骨)・骨盤の前部の接合部分(恥骨結合)・前太ももの張っている部分(大転子)の3点を結ぶラインをベルトで巻いて、骨盤を支えます。
骨盤ベルトの3つの役割
骨盤ベルトをつけて緩んだ骨盤を安定させると、こんな効果が期待できます。
腰痛の予防改善
妊娠中は女性ホルモンのバランスが大きく変化し、骨盤がゆるんできます。その影響で反り腰になり、腰痛が起こりやすくなります。妊娠中に骨盤ベルトを適切に装着することで、ゆるんだ骨盤を固定して支え、腰まわりの筋肉への負荷が軽減されます。その結果、腰痛の予防改善効果が期待できます。
恥骨痛の予防改善
妊娠中に足の付け根に違和感や痛みを覚えるママは多いのではないでしょうか。この原因も、骨盤の緩みにあります。骨盤ベルトは、こういった「恥骨痛」の予防改善にも役立ちます。
産後太りの防止
骨盤ベルトは、産後の体型崩れの防止にも効果を発揮するといわれています。
出産後、緩んだ骨盤は半年程度かけて徐々に閉じていきます。しかし、一度大きく開いた骨盤が自然に元の位置に戻るのは難しく、放っておくと歪みやズレが生じたままの状態になってしまいます。歪みやズレは下半身太りや体型崩れの原因になるので注意したいポイント。
出産後も骨盤ベルトをつけて矯正サポートをすることで、骨盤が元の位置にスムーズに戻りやすくなります。
骨盤ベルトはいつつける?
骨盤ベルトは産前・産後のどの時期に装着をするのが良いのかを解説します。
妊娠中につける場合
骨盤が緩む原因となるホルモンであるリラキシンは、妊娠初期から分泌が始まります。こういった背景があるため、実は妊娠が判明した時点から骨盤ベルトをつけ始めるのが一番なのです。
ですが、妊娠初期からつけていないと効果が無いという訳ではありません。例えば、妊娠初期のつわり時に、ベルトの締め付けがツライという場合は無理にする必要はありません。また、妊娠してしばらくしてから「やっぱりつけようかな」と思い、つけ始めてももちろんOKです。
骨盤ベルトは就寝時にもつけられます。就寝中は無意識のうちに寝返りを打つことも多く、思いがけず腰に大きな負担をかけてしまうことも。骨盤ベルトは骨盤を固定するものなので、就寝中の腰への負担を軽減したい人にもおすすめです。
ただし、骨盤ベルトは装着の仕方によっては血流不全や肌トラブルなどが起きる可能性も否定できません。妊娠中の経過なども考慮に入れる必要があるため、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
産後につける場合
骨盤ベルトは、産後すぐの時期からつけられます。産後は赤ちゃんが骨盤から産道を通って出てきた影響を受け、骨盤そのものや周りの筋肉がゆがんでいる状態です。骨盤ベルトをつけることで、骨盤を正しい位置に固定するとともに、骨盤周りが元に戻るようサポートできます。
産後の骨盤は3ヶ月程度を目安に元の状態に戻っていくため、骨盤ベルトも産後3ヶ月ぐらいまでを目処に使いましょう。産後専用の骨盤ベルトを使うのもおすすめです。
骨盤ベルトをする際の注意点
骨盤ベルトは、つける位置や締め付けの強度など、正しい方法で使用することがとても重要です。
ベルトを巻く位置は、骨盤の中央部分(仙骨)と骨盤の前部の接合部分(恥骨結合)と前太ももの張っている部分(大転子)の3点を結ぶライン上です。この時、きつく締め付けすぎないように注意しましょう。装着後に、恥骨のあたりに手のひらがスッと入る程度に余裕を持たせてください。
また使用中にベルトがズレてきたら、正しい位置に巻き直すことも大切です。ちょっと動いたくらいでベルトがズレる場合は、そもそも正しく巻けていない可能性があります。
骨盤ベルトは慣れれば簡単に使うことができますが、初めて使うときにはちょっとしたコツが必要です。やり方に不安がある方は、まずは産婦人科でアドバイスを受けてみましょう。
骨盤ベルトの選び方
骨盤ベルトを選ぶ際のポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
通気性はどうか
メッシュタイプや吸水速乾素材を使ったものなど、通気性の良い素材を使用した骨盤ベルトがおすすめです。通気性に優れたものは、時期に関係なく使いやすいので、初めて骨盤ベルトを使う人にも向いています。
また、妊娠中はホルモンバランスが変化することもあり、普段よりも肌が敏感になっていることもあります。そのため、綿やガーゼなど、肌触りが優しい素材を選ぶのもおすすめです。
伸縮性はどうか
つけていて締め付けが少ない、伸縮性に優れた骨盤ベルトもおすすめです。化学繊維のものは伸縮性が高く、体に無理なくフィットするため、つけ心地重視の人にも適しています。
ただし、伸縮性が良すぎてサポート力が弱いものは避けましょう。つけ心地が快適でも、締め付けが弱すぎると骨盤ベルト本来の効果が発揮されません。動いているうちにベルトがずれてしまう、何度も直さないと適切な位置に固定できないなどのトラブルにもつながるので注意が必要です。
ベルトのタイプが使用時期とあっているかどうか
骨盤ベルトといっても、さまざまな種類があります。主なタイプは産前用(妊娠中)・産後用・産前産後用の3種類。時期に合わせたものを使い分けることが大切です。
特に産後は、赤ちゃんのお世話によって日中から夜間まで動いていることが増えます。妊娠中と同じ骨盤ベルトだと、必要以上にお腹周りが固定されて動きにくくなることも。産後はやや細めの骨盤ベルトや、体のラインにフィットしやすい立体構造の骨盤ベルトを選ぶのがおすすめです。
もちろん、産前産後用の長い期間使えるものでもかまいません。ホックが数段階あって調節しやすいものなど、時期に合わせて使える工夫がされているものを選びましょう。
体への負担はどうか
骨盤ベルトはサポート力がある程度必要ですが、妊娠中や産後の状態に合わせて圧迫されすぎないものを選ぶことも大切です。
体に合わない骨盤ベルトを使うと、痛みやむくみの原因になることもあります。また、妊娠中にお腹を圧迫する骨盤ベルトをつけてしまうと、思わぬトラブルを招く可能性も否定できません。
また、サイズも一緒に確認してみてください。特に妊娠中期以降はお腹周りのサイズが大きく変化します。できればメジャーでお腹周りのサイズを測り、その時にぴったりのものを選ぶことも大切です。
購入後につけて違和感があったり、つけ心地が納得できなかったりしたら思い切って買い替えることも検討しましょう。
信頼のおける商品かどうか
骨盤ベルトはさまざまなメーカーから販売されていますが、すべてが同じ品質という訳ではありません。妊娠中のママの体を支えるものですから、信頼のおけるものを購入することが大切です。
また、体に合わないものを使用すると、痛みやむくみの原因になることもありますので、自分に合ったものを選びましょう。
まとめ
骨盤ベルトは、妊娠中や出産でゆるんだ骨盤を固定し、負担を軽減できます。産後はもちろん、妊娠中の使用もおすすめです。ただし、体に合わないものを使うと痛みやむくみなど思わぬトラブルの原因にもなるので、体にフィットしたものを選びましょう。