妊娠中に明太子・たらこは食べられる?気になる影響や注意点
明太子やたらこはパスタやおにぎりの具など、さまざまな料理に合わせやすい食品です。しかし妊娠中は食生活に気を付けるポイントが多く、なかでも生で食べる食品は特に注意しなければなりません。
では、「明太子やたらこは生で食べないほうが良い?」と心配になる方もいるでしょう。今回は妊娠中に明太子やたらこを食べたときの赤ちゃんへの影響や、注意点について紹介します。
妊娠中に生の明太子・たらこを食べることはおすすめしない
妊娠中に明太子やたらこを生食するのはおすすめできません。避けるべき理由は下記の通りです。
・リステリア菌の感染リスク
・塩分の過剰摂取
リステリア菌は自然界に存在する細菌で、食品を介して私たちの体内に入ると食中毒の要因になります。リステリア菌に感染すると流産や死産、新生児の髄膜炎などを引き起こすおそれがあるため注意が必要です。
生の明太子やたらこからもリステリア菌が検出されているため、妊娠中は明太子・たらこの生食は控えましょう。ほかにも、食中毒の原因になり得る食品として、ナチュラルチーズ(加熱殺菌していない)、生ハム、スモークサーモン、肉や魚のパテなどがあげられます。
リステリア菌は塩分が多い環境でも増殖し続ける性質があるため、冷蔵庫で保存しているからといって安心できません。
また、明太子やたらこには塩分が多く含まれているため、摂り過ぎるとむくみの原因になります。ちなみに明太子とたらこはどちらもスケトウダラの卵巣から作られており、唐辛子を含む調味液に漬け込んだものを明太子、塩漬けしたものをたらこといいます。
日本食事摂取基準(2020年版)によると、1日の食塩相当量の目安は6.5g未満です。小さめの明太子の場合、1本(35g)あたり約2gの塩分が含まれているので、食べ過ぎないようにしましょう。
出典:
厚生労働省「リステリア症 (ファクトシート)」
文部科学省「日本食品成分表(8訂)」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
どうしても明太子やたらこを食べたいときの対処法
妊娠中に食事を制限し過ぎると、かえって心理的なストレスを招きかねません。もちろん注意すべき食品はありますが、明太子やたらこは食べ方に気を付ければ食べられます。
リステリア菌は中心部75℃以上で1分間加熱することで死滅するといわれています。しっかりと明太子・たらこの中まで火を通して食中毒を防ぎましょう。
明太子やたらこを食べるときは1日15g程度を目安にして、塩分を摂り過ぎないようにします。15gでも1g近くの食塩が含まれるため、1日を通して食事全体の塩分量を調節しましょう。例えば、味噌汁を具だくさんにして、他に塩分が高いおかずがなくても満足するようにしたり、塩分の多いドレッシングを控えたりするなどがあげられます。
また、明太子やたらこの塩分と旨味を活用すれば、野菜と一緒に炒めるだけでも十分おいしく食べられます。
ただし、持病のある方は、医師の指示に従って明太子やたらこの摂取量を調節してください。
明太子やたらこを食べるときの注意点
先述した通り、妊娠中に明太子やたらこを食べるときは、生のまま食べるのではなくしっかりと加熱してから食べましょう。
明太子やたらこのパスタやおにぎりなどの加工品のなかには加熱されていないものもあるため、念のため避けておくと安心です。
妊娠中は免疫力が低下しやすく、通常よりも食中毒になるリスクが高い傾向があります。また、妊娠中は内服できる薬が限られてしまうため、妊娠前よりも慎重に対策しなければなりません。
赤ちゃんのことを最優先に考えるのであれば、体調が悪いときは明太子やたらこを食べるのは控えた方が良いでしょう。
体調が万全なときでも食中毒を防ぐために、鮮度が落ちている明太子やたらこは選ばないようにすることが大事です。新鮮な明太子やたらこはふっくらとした見た目で透明感があるものが多いので、選ぶときの参考にしてみてください。一方、部分的に緑色に変色しているものや、膜が破れているものは鮮度が落ちているため控えましょう。
また、先述のとおり、食べるときは塩分過多にならないように食べる量に気を付けましょう。
まとめ
妊娠中は明太子やたらこの生食はおすすめできません。この時期は免疫力が低下しやすく、食中毒のリスクが高い状態です。明太子やたらこはリステリア菌による食中毒の原因となるおそれがあるため、しっかりと加熱してから食べましょう。
また明太子やたらこには塩分が多く含まれているため、摂取量に注意が必要です。摂り過ぎないように食事全体のバランスを見て、塩分量を調節しましょう。