出産後の生理はいつ始まる?スムーズな再開のためにすべきこと
出産後、いつ生理が戻ってくるのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。体調の変化に戸惑うこともあるかもしれません。
今回は、出産後の生理再開時期や体調の変化、スムーズな再開のためのポイントについて紹介します。最後まで読んで不安を軽減し、産後の体調を整えていきましょう。
出産後の生理はいつから再開する?
出産後の生理再開時期は個人差が大きいものです。産後に生理がすぐに戻らない主な理由をみていきましょう。
・再開時期は個人差がかなりある
出産後の生理再開時期は、個人によってかなり差があります。早い方では産後2〜3ヶ月で戻ることもありますが、遅い場合は産後13ヶ月以降になることもあるのです。一般的には、7割から8割の女性が産後8ヶ月以内に再開すると言われています。
授乳の有無も大きな要因です。一般的には、完全にミルクで育てている場合は産後2~3ヶ月、完全母乳の場合は産後5~7ヶ月で生理が再開する方が多いようです。ただし、1日の授乳回数や時間によっても個人差が生じるため、一概には言えません。
・産後に生理がなかなか再開しない理由
授乳中の女性は、プロラクチンというホルモンが大量に分泌されます。このプロラクチンは、卵胞ホルモンの分泌を抑制し、排卵を妨げる働きがあるのです。そのため、授乳中の女性は生理の再開が遅くなる傾向にあります。卒乳や離乳食のスタートで授乳回数が減少することがきっかけとなって生理が戻ることが多いようです。
ただし、プロラクチンの分泌量は徐々に減少していくため、授乳中でも生理が再開するケースもあります。
一方、授乳を行っていない女性でも、すぐに生理が再開するわけではありません。出産によって大きく減少したエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンが、通常の状態に回復するまで時間がかかることもあります。個人差はありますが、ホルモンバランスの回復には半年程度要することもあるのです。
出産後の生理にみられる体調不良
出産後の生理再開にともない、さまざまな体調の変化が起こることがあります。ここでは、産後の生理で経験する可能性のある主な症状をみていきましょう。
・悪露が排出される
出産後すぐに見られる出血は、生理ではなく「悪露(おろ)」と呼ばれるものです。悪露は、出産によって生じた子宮内の出血や分泌物、剥がれた子宮内膜などが混ざった特殊なおりものです。通常、産後から4週間程度続き、なかには6~8週間ほど排出が続く方もいます。
悪露には後陣痛を伴うことがあり、特に産後直後は強い痛みを感じる場合もあります。生理痛や軽い陣痛に似た感覚で、子宮の回復とともに徐々に和らぐのが一般的です。
悪露の症状に変化が見られない場合や、発熱、激しい痛みがある場合は注意しましょう。子宮の回復が順調でない可能性があるため、必要に応じて医療機関に相談することが大切です。
・生理不順になる
出産後の生理が不順になる原因は、いくつか考えられます。
まず、母乳分泌を促進するプロラクチンの影響です。このホルモンは排卵を抑制する作用があるため、特に授乳中の女性は無排卵月経になりやすく、生理周期が乱れることがあります。
次に、育児によるストレスがホルモンバランスを崩すことも要因です。産後は身体が回復する前から育児や家事が始まり、十分な休息が取れないことでストレスが蓄積します。
また、栄養不足も生理不順の原因となり得ます。育児に追われて食事が不規則になったり偏ったりすると、体に十分な栄養が行き渡らなくなるでしょう。結果、卵巣の機能が低下し、生理不順や無月経につながることがあるのです。
・PMSがひどくなる
PMS(月経前症候群)とは、生理の3~10日前にさまざまな不調が現れる症状のことです。産後は特にホルモンバランスが不安定になりやすいため、症状がより顕著になることがあるのです。
PMSの身体的症状としては腹痛、頭痛、むくみなど、精神的症状としては理由のない不安感やイライラ感などが現れます。症状の種類や程度は個人差が大きく、日常生活に支障をきたすほど重症化する場合もあります。
妊娠前にPMSがなかった方でも出産後に新たに発症するケースや、妊娠前からPMSがあった方では症状が悪化するケースも見受けられます。
・経血量が増える・減る
経血量が増える場合、日中に夜用ナプキンを頻繁に交換する必要があるほど多量であれば、通常より多いと判断できます。子宮腺筋症や子宮筋腫の可能性があるため、早めに産婦人科を受診することが大切です。
一方で、経血量が少ない場合、卵巣機能不全で排卵が行われていない可能性があります。基礎体温をつけて排卵の有無を確認し、排卵が見られない場合は受診しましょう。
産後の生理をスムーズに再開させるためには
産後の生理再開を促すためには、日々の生活習慣に気を配ることが大切です。ここでは、スムーズな生理再開のためのポイントを3つ紹介します。
・栄養バランスの整った食事を摂る
産後の体調回復を促し、生理周期の正常化を助けるためには、栄養素をバランス良く摂ることが大切です。特に下記6つの栄養素を意識的に摂取することで、体調回復とホルモンバランスの調整を促すことができます。
栄養素 |
効果 |
多く含む食品例 |
タンパク質 |
体力と筋力の回復、肌荒れの防止、免疫力の向上 |
鶏ささみ |
ビタミンC |
鉄分吸収で貧血防止 |
アセロラ |
ビタミンB12 |
ヘモグロビンや赤血球の合成、造血作用で貧血防止 |
貝類 |
鉄分 |
ヘモグロビンの構成成分で貧血防止 |
牛・豚・鶏肉のレバー |
葉酸 |
造血作用、細胞の生産や再生を助ける |
焼きのり |
カルシウム |
歯や骨を強くする |
煮干し |
特に出産による体力低下や貧血のリスクを考慮し、タンパク質と鉄分の摂取は意識しましょう。ビタミンを同時に摂取することで造血作用も期待できます。
・睡眠をしっかりとる
産後の生理再開には、十分な睡眠が欠かせません。赤ちゃんのお世話で夜間の睡眠が難しい場合は昼寝を取り入れたり、パートナーや親に協力を求めたりするなど、休む時間を確保する工夫をしましょう。
・ストレスを溜めない
産後はストレスが溜まりやすい時期ですが、ホルモンバランスの乱れにつながります。好きなものを食べたり1人で外出する時間をつくったりするなどのストレス解消法を見つけ、完璧を求めすぎず自分のペースを大切にしましょう。
まとめ
産後の生理再開は個人差が大きく、さまざまな体調変化を伴うことは珍しくありません。生理をスムーズに再開させるには、バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理を心がけることが大事です。焦らず自分のペースで産後の変化に向き合い、必要に応じて医師に相談しながら、生活リズムを整えていきましょう。