逆子はいつまでに治る?原因や治し方について解説
妊娠中に「逆子」と診断されて不安を感じたことはありませんか?多くの妊婦さんが経験するこの状態について、正しい知識をもつことで安心して妊娠生活を送ることができるでしょう。今回は、逆子の定義や原因、対処法について詳しく解説します。
逆子とはどのような状態?
逆子とは、胎児が子宮内で頭を上に向けている状態を指します。通常、赤ちゃんは子宮の中で、頭を下に向けた状態(頭位)になって過ごすことが多いのですが、まれに頭が上を向いたままになることがあります。医学的には「骨盤位」と呼ばれるこの状態は、胎位の異常に分類されるものです。
逆子にはいくつかの種類があり、胎児の体勢によって分類されます。最も一般的なのは単殿位(たんでんい)で、お尻を下に向けてV字型のような姿勢をとっている状態です。逆子の約8割がこのタイプに該当します。ほかにも、胎児が両足または片足を伸ばして立っているような足位、胎児が横向きになっている横位などさまざまな体勢があります。
逆子の場合、経腟分娩では赤ちゃんの頭が先に出てこないことから、頭位での出産よりもリスクを伴うことが多いです。そのため、一般的には帝王切開による出産が選択されます。
逆子になる原因は?逆子になりやすい時期はあるの?
逆子の原因は多くの場合で不明ですが、以下の要因があると考えられています。
・子宮の形態異常
・胎盤の位置異常
・骨盤が狭い
・多胎妊娠
・羊水過多
これらの状況によって胎児の自然な回転が妨げられてしまい、逆子の状態を引き起こすと推測されています。
妊娠中期、特に30週頃までは胎児が子宮内で活発に動き回っているため、一時的に逆子の状態になることがよくあります。この時期に逆子と診断されても、多くの場合は心配する必要はありません。胎児の成長に伴って体が大きくなり頭が重くなると、自然と頭を下に向ける傾向があるからです。
妊娠中期に逆子と診断された場合でも、出産が近づく36週頃には約9割の胎児が正常な頭位に戻るとされています。
ただし、妊娠35週以降は羊水量が減少する時期であり、胎児の動きが制限されるため、自然に正常の位置に戻らないことがあります。この時点で逆子の場合、帝王切開を勧められることがあるでしょう。
とはいえ、まれに出産直前まで胎位が変わることもあるため、最終的な判断は胎児の状態や母体の条件を考慮し、医師との十分な相談が必要です。
逆子の治し方
逆子を治すときは、医師の指導・手技によって行います。代表的な方法をみていきましょう。
逆子体操
逆子体操は、胎児の自然な回転を促すための方法として知られています。代表的な体操は、下記の3つです。
1.ブリッジ法:仰向けの状態で両膝を立て、腰にクッションを入れてお腹を突き出した状態を10分~15分程度保つ
2.側臥位(そくがい):赤ちゃんの背中が上に来るように横向きに寝る
3.胸膝位(きょうしつい):うつ伏せになって顔の下にクッションを入れ、お尻を突き出した状態を10分~15分程度保つ
外回転術
外回転術は、医師が直接お腹に触れて逆子を正常な位置に戻す方法です。
超音波や触診で胎児の頭やお尻の位置を確認し、お腹の外から手を使って慎重に回転させます。子宮筋の緊張を緩和し胎児の回転をスムーズにするため、お腹の張りを抑える薬剤の点滴や、場合によっては麻酔を使用することもあります。
逆子を治す場合の注意点
逆子を治す試みは子宮収縮などのリスクを伴う可能性があります。特に外回転術は専門的な技術と経験を要する処置であり、医師以外が実施することは危険です。
自己判断で逆子を治そうとすると、早産や胎児への悪影響を招くおそれがあります。胎児の姿勢や母体の状態によっては無理に位置を変えることが適切でない場合もあるため、逆子体操も医師との相談が必要です。
まとめ
逆子は妊娠中期までに起きやすいですが、出産が近づく頃には自然に改善する傾向にあります。妊娠36週以降も逆子の状態が続く場合は、医師と相談することが大切です。
逆子を治す手段として逆子体操や外回転術があるため、安全に出産できるよう、医師のアドバイスに従いながら対処しましょう。