過干渉とは?親の特徴と子どもに与える影響を解説
「子どものことを心配し過ぎて、つい口出ししてしまう」という経験はありませんか。これは、我が子を思う親心からの行動であり、決して悪いことではありません。
しかし、場合によっては子どもの成長を妨げてしまうこともあります。今回は、「過干渉」の定義と子どもに与える影響、対処法について紹介します。
目次
過干渉とはどのような状態?過保護との違いは?
「過干渉」とは子どもが自分で考えたり、行動したりすることを親が過度に制限してしまうことです。例えば、子どもの友達選びや、やりたいことを禁止することなどがあげられます。
また、親は子どもを「きちんと育てなければ」という、子育てに関する不安から過干渉になりがちです。
一方、「過保護」は親が子どもを過度に保護し、子どもの自立を妨げる状態のことです。過保護には、下記のように大きく分けてふたつのパターンがあります。
・子どもの意志を尊重しすぎるパターン
・保護を理由に子どもの意志を無視するパターン
後者の場合、親の考えを押しつけてしまうことがあり、過干渉に近い状態にあります。
過干渉な親にみられる特徴
過干渉な親にみられる特徴は下記の通りです。
子どもの話を遮る
過干渉な親は、子どもの話を最後まで聞こうとせず、自分の意見を優先しようとします。「それは〇〇でしょ」など、子どもの意見を尊重することなく、自分の考えを一方的に伝えてしまいます。
子どもの好みや選択を否定する
子どもが選んだ服や食べ物などを親の好みで否定し、自分の選んだものを勧めようとします。習い事も同様に、子どもの興味関心から選ぶのではなく、親の希望に沿うものを選ばせるケースも少なくありません。
子どもの友人関係に干渉し、自由に選ばせない
過干渉な親は、子どもの交友関係にも口を挟みたがることが多いようです。「〇〇ちゃんと仲良くしなさい」など、特定の子どもといるように指示を出すことがあります。
子どもに自分の理想を重ねる
子どもを自分の分身のように考え、親の価値観や理想を子どもに押しつけようとする傾向があります。「あなたは将来〇〇になるのよ」という言葉は、子どもの可能性を限定してしまうことにもなりかねません。
子どもを褒めるのが苦手
子どもの頑張りを認めたり、励ましたりするよりも、常に改善点を見つけて否定的な言葉を投げかける傾向があります。
過干渉が子どもに与える悪影響
過干渉な親が子どもに与える影響は、下記の4つがあげられます。
自己肯定感が低い
子どもは親の期待に応えようと必死になり、少しでもミスをすると自己肯定感が大きく損なわれることがあります。また、親から常に高い目標を期待されることで、完璧主義に陥るおそれもあります。
自分で決められない
親の意見が優先される環境で育った子どもは、「自分で決めても意味がない」と感じ、自ら決断するのをためらってしまいます。また、親の判断に任せがちになり、自分で考えることをしなくなってしまう可能性があります。
良好な人間関係を築きにくい
親の意見に従ってばかりいると、自分の意見を伝えられずに消極的な性格になることがあります。反対に、過度なストレスから友達に対して攻撃的な態度をとる子どももいます。このような状況が続くと、人間関係の構築が難しくなり、学校生活や友人関係に問題が生じてしまう可能性もあるでしょう。
親に対して罪悪感を抱きやすい
努力して親の期待に応えようとしても、うまくいかないこともあります。子どもは「自分のせいで親を失望させてしまった」と、強い罪悪感を抱きがちです。また、親から否定的な言葉をかけられたり、無視されたりすると、罪悪感はさらに深まってしまいます。
過干渉にならないための方法
子どもは自ら考え、行動し、失敗から学ぶことで成長していきます。子どもが失敗しそうでも、あえて見守る姿勢を保ちましょう。問題を解決できなかったとしても、その理由を考え改善することで、貴重な経験を積むことができます。
また、子どもの意見を聞き、尊重することも大切です。親の価値観を押しつけるのではなく、子どもの自主性を育めるよう心がけましょう。
子どものことばかり考えるのではなく、自分の時間を持つことも忘れてはなりません。子どもの言動に口を挟みたくなってしまう方は、趣味や習い事など、自分を楽しませる時間を作りましょう。
まとめ
子どもを思う親心は大切ですが、何でも親が決めてしまうと、子どもは自分で考えたり決断したりする力を伸ばせません。
子ども自身が判断し経験することで、自信や責任感が育まれます。失敗しても大丈夫と、温かく見守りながら、子どもが自分で考えて行動できるようにサポートしてあげましょう。