赤ちゃんが発熱!病院へ行くかの判断基準・注意したい症状について
大事な赤ちゃんが熱を出すと、とっても心配ですよね。「何か大変な病気!?すぐに病院に連れて行ったほうがいいの!?」と、焦ってしまうママ・パパも多いでしょう。
でもその反面、「赤ちゃんは平熱が高いから、心配しすぎかな……!?」という迷いもあるかと思います。そこで今回は、赤ちゃんの発熱時に病院を受診するかどうかの判断基準・注意したい症状などについて解説します。
目次
赤ちゃんの平熱はどのくらい?大人とはちがう?
赤ちゃんの場合、一般的に37.5℃以上が発熱、38.5℃以上が高熱と定義されています。ただし、赤ちゃんの平熱は、基本的に大人より高め。体調がよいときでも37℃以上の場合があります。
というのも、赤ちゃんは、厚着しすぎている・部屋が暑すぎるなどといった外的要因に敏感。自律神経が未発達でまだうまく体温調節ができないため、ちょっとしたことで熱が上がりやすい傾向にあります。ごはんを食べた直後や元気に遊んだ後に、熱が上がることもしばしば。
ですから、赤ちゃんには大人の平熱基準とは違う、「赤ちゃんの体温」があるということも覚えておきましょう。
赤ちゃんの発熱の原因は?
赤ちゃんが発熱する主な原因は、ウイルスや細菌などによるものです。発熱する病気には、風邪、ヘルパンギーナ、プール熱、突発性湿疹などがあります。
発熱は病原体に対する防御反応のひとつですが、さまざまな病気に共通する症状なので、よくあることと思い込まずに対処しましょう。
また、生後6ヶ月ごろまでは感染症より体温調節による発熱の可能性があるため、薄着にして30分経過してから検温してみましょう。熱がこもっていた場合、環境を整えると平熱に戻ることがあります。もう一度検温して平熱に戻れば問題ないでしょう。
発熱?と思ったらチェックしたいその他の症状
赤ちゃんは大人よりも頻繁に熱を出しますが、前述の通りちょっとしたことで体温が上がりやすいため、必ずしも病気とは言い切れません。そこで、赤ちゃんが熱を出しているときは、ほかに何か症状が出ていないかに注目してください。
・咳とくしゃみは出ていないか、鼻水は出ていないか → 風邪の可能性
・耳を触って痛がらないか → 中耳炎の可能性
・体に赤い発疹は出ていないか → 風疹(ふうしん)や麻疹(はしか)の可能性
・耳の下が腫れていないか → おたふく風邪の可能性
・のどが赤く腫れてはいないか → 急性扁桃炎(へんとうえん)・急性咽頭炎(いんとうえん)・風邪・インフルエンザの可能性
こういった点を中心に、赤ちゃんの様子をチェックしましょう。どれか当てはまる症状がある場合は、病院を受診しましょう。
赤ちゃんの発熱……こんなときは診療時間外でもすぐに病院を受診しよう!
こんな場合は診療時間外であってもすぐに病院を受診してください。
・熱が38℃以上ある
・元気がなく、ぐったりしている
・呼吸が苦しそう
・顔色が青白い
・熱があるのに手足が冷たい
・よく眠れていない
・けいれんが続いている
・嘔吐や下痢をしている
こういった症状がみられる場合、病院での早めの対処が重要になります。とくに、熱が38.0℃以上あるときは、なんらかの病気である可能性が高いです。
赤ちゃんの発熱……こんなときは、とりあえず様子をみましょう
反対に、いつもより熱が高くても、以下に当てはまる場合は過度な心配はいらないかもしれません。絶対に安心とは言い切れませんが、しばらく様子をみてもよいでしょう。
・いつもと変わらず食欲がある
・食欲は多少落ちていても、母乳やミルク・おやつを口にできる
・いつもと同じようにしっかり眠れる
・活発に動いている
・あやすと笑い、反応がよく、機嫌もいい
・顔色がいい
ただし、上記に当てはまったとしても、親御さんの直感で「なにか様子がおかしい」と感じるのであれば、医療機関に行くことをおすすめします。
原則として診察時間内に受診する必要があるため、受診の判断は早めに行いましょう。とはいえ、生後1ヶ月の赤ちゃんは緊急度が高いため、診療時間外の場合、夜間外来での受診をおすすめします。
生後3~6ヶ月の赤ちゃんが休日・夜間に発熱した場合は、ぐっすり眠れているようなら、一旦様子見でも大丈夫です。朝まで様子を観察し、日中に受診しましょう。生後6ヶ月以上の場合も全身症状がなく、食欲もあるなら様子を見てから判断しても問題ありません。
ただし、2~3日以上発熱が続く場合は、元気でも受診を検討しましょう。発熱の原因を突き止めるためにも、一度受診しておくと安心です。
受診を検討するときは、体温だけでなく全身症状もみてから判断することが大切です。また、もしものときのために、自宅の近所で時間外診療を行っている病院を調べておきましょう。
赤ちゃんの発熱時の正しい対処方法
熱が上がっているときに無理に熱を下げようと冷やすのはよくありません。特に、熱の上がり始めは寒気を感じるので、手足を温めてあげましょう。その後、汗をかき始めたら、次のような対処を。
・薄着にさせる
・部屋を涼しくする
・頭やおでこを冷やす
・汗をかいたら着替えさせる
・ぬるま湯でしぼったタオルで全身を拭く
なお、布団のかけすぎや厚着は、赤ちゃんにはよくありません。
大人が熱を出したときは体を温めて汗をかくと熱が下がりやすくなりますが、赤ちゃんの場合は違います。赤ちゃんは汗をかく機能がまだ十分に発達していないので、温めすぎると熱が体内にこもってしまいます。
赤ちゃんが発熱したときは水分補給をしっかりと!
赤ちゃんが発熱したときは、脱水症状にならないように水分補給をしっかりすることが大切です。まずは、体を冷やすよりも高熱による脱水に注意しなければなりません。
高熱はウイルスと戦っている証拠なので、無理に体温を下げるのではなく、脱水にならないように水分補給を優先しましょう。
発熱時にはいつもより汗をかいているなどで水分の必要量が増えます。また、汗をかいていなくても、発熱時は呼気や皮膚から水分が奪われるため、少しずつこまめに水分を摂ることが大事です。赤ちゃんが寝て起きたタイミングで水分を与えると、無理なく水分補給できます。
また、水分補給するときは、涙とおしっこの量に注意しながら与えるようにしてください。おしっこの量が少ない、色が濃い、泣いても涙が出ないのは、水分不足のサインです。
おむつ交換のときに、おむつを替えたのに重くないなど、ふだんと様子が違うときは脱水を疑いましょう。自発的に水分を摂れない場合は、すぐに病院を受診してください。
水分補給ができる状態であれば、経口補水液や子ども用のイオン飲料がおすすめです。汗をかくことで失われるミネラルを、効率よく取り込むことができます。
月齢が低い赤ちゃんには、母乳やミルク、湯冷ましや麦茶で対応しましょう。赤ちゃんに飲ませるときは、冷たすぎるものを避けて、ひと肌ほどの温度にしてから与えてください。
大人用の栄養ドリンクや牛乳、柑橘系のジュースはおすすめできません。発熱時は体に負担がかかってしまうため、これらの飲み物は与えないようにしましょう。
赤ちゃんに解熱鎮痛剤を使うときの注意点
赤ちゃんに解熱鎮痛剤を使うときは、医師の指示にしたがって使用してください。解熱鎮痛剤は一般的に38.5℃以上の高熱で眠れない、または痛みがあるときに使用します。
そもそも、解熱鎮痛剤は病気そのものを治すための薬ではなく、一時的に痛みを和らげたり、解熱を促したりするものです。そのため、発熱していても元気なら使う必要はありません。
とはいえ、体温が1℃でも下がると赤ちゃんが楽になるので、使用を検討する場合もあります。解熱鎮痛剤を使うことで、体力の消耗を抑えられて回復が早まるので、医師の指示をもとに、必要に応じて使用しましょう。
まとめ
赤ちゃんが発熱する原因はさまざまですが、様子をみても問題ない場合もあれば、緊急を要する場合もあります。
体温や全身症状などを観察し、赤ちゃんの様子がいつもと違うと感じたときは病院の受診を検討してください。また、赤ちゃんは大人よりも脱水に気をつける必要があるため、受診の有無に限らず発熱時にはこまめな水分補給を心がけましょう。