陣痛の前兆とは?陣痛が始まったときの対処方法
出産予定日が近づくと、いつ陣痛が来るのか期待と不安で胸がいっぱいになるものです。初めての出産では、陣痛がどれほどの痛みなのかわかりませんよね。陣痛はいったいどんな痛みなのでしょうか。また前兆はあるのでしょうか。今回は、陣痛の痛みや前兆について紹介します。
目次
陣痛って何だろう
陣痛は、出産時に赤ちゃんを母体から押し出すときに起こる子宮の収縮のことを指します。子宮が縮まったときに痛みを感じるのです。
陣痛には、「前駆陣痛」「本陣痛」「後陣痛」の3つがあります。それぞれを解説していきます。
前駆陣痛
前駆陣痛は、出産予定日の1ヶ月ぐらい前から起きる子宮の収縮です。陣痛の一種ですが、すぐに分娩につながるわけではありません。間隔は不規則で、おなかが少し硬くなって痛みが出てきます。
本陣痛
本陣痛が起こると、いよいよ分娩につながる痛みが始まります。一定の間隔で痛みが訪れ、徐々に短くなるのが一般的です。間隔が短くなるほど痛みが強くなる傾向にあります。
後陣痛
後陣痛は、出産後に広がった子宮が元の大きさに戻るときに起こる陣痛です。人によって異なりますが、出産後3日~7日ほど続くといわれています。
陣痛(本陣痛)の前兆は?
出産の前後に起きる陣痛は、一般的には本陣痛を指すことが多いです。その本陣痛が始まるときにはどのような前兆があるのか、ひとつずつみていきましょう。
破水
陣痛の前兆のうち、最も分かりやすいのが破水です。子宮内の羊水が外へ流れ出る現象を指します。破水するタイミングは、陣痛が来る前・陣痛の痛みが増した後・分娩の最中など個人差がみられます。破水から24時間以内に、分娩が始まることが多いです。
おしるし
卵膜が子宮壁から剥がれ落ち、少量の出血が起きる現象です。鮮血である場合もあれば、ピンク色のおりもののような場合もあります。出産が近づくと、ホルモンバランスの乱れによりおりものの量が増えることもあります。
お腹の張り
陣痛の前兆として、お腹の張りを感じることもあります。下腹部に手を触れた時、カチカチになっている状態です。この場合のお腹の張りは、痛みをともなわないケースもあり、お腹の張りを頻繁に感じたら突然陣痛が来る場合もあります。
お腹の痛み
陣痛の始まりと間違えやすいのが、お腹の痛みです。出産の前日から当日に、お腹の痛みを感じるママが多くいます。痛みの例えとして、生理痛や下痢の腹痛に似ているという声があり、就寝中に痛みで目が覚めることもあります。痛みのペースが一定間隔になり規則性が出てきたら、本格的な陣痛が始まるサインです。
激しい胎動
赤ちゃんが、骨盤の中に頭をはめようとすることで、激しい胎動を感じるママもいます。赤ちゃんのこの行動が陣痛のタイミングと重なると、陣痛による激しい痛みで胎動を感じにくい場合もあります。
粘液栓
粘液栓とは、子宮頸部のおりものや粘液がゼリー状の塊になったものであり、子宮口に蓋をして妊娠中に赤ちゃんを守る役割を果たしています。出産が近づくと、粘液線が体外へ排出されます。
陣痛はどんな痛み?
陣痛はものすごく痛く感じる人から、あまり痛みを感じない人まで、痛みの感じ方はさまざまです。いったいどんな痛みなのでしょうか。
陣痛の痛みは、「鼻からスイカを出すような痛み」というのが最もポピュラーな表現です。聞いているだけでも痛そうに感じますが、痛みの感じ方は人それぞれ違います。「重い生理痛のような鈍痛が続く」と例える人もいるため、はっきりと「こんな痛み」というのは難しいかもしれません。陣痛で痛みをあまり感じない人もいます。
また、初産婦さんでも陣痛に苦しむ時間が短く、痛みも少なかったという人もいれば、経産婦さんでも初産の時より痛かったという人もいます。出産経験が直接的に陣痛の痛みの程度へ結び付くことはないといえるでしょう。
陣痛の前兆があったらどう動けばいい?
陣痛の前兆を感じたら、もう少しで赤ちゃんに会うことができます。出産に向け、落ち着いて以下の行動を取るようにしましょう。
破水したら病院へいく
破水すると、体内に細菌が入りやすくなり、母体と赤ちゃん双方の細菌感染リスクが高まります。破水した場合は、病院に連絡を入れたうえで早めに病院へ向かいましょう。病院へ向かう車に敷くビニールやタオルは、前もって用意しておきましょう。
痛みの間隔を計測する
前駆陣痛と本陣痛の違いを判断するには、陣痛の間隔を基準とします。痛みが始まった段階では不規則な間隔も、次第に規則的に変わっていきます。陣痛の間隔が10分以下になったら、本陣痛を迎えたサインです。
シャワーを浴びる
出産には時間がかかることもあるため、体を清潔にしておきましょう。陣痛が始まっても、軽い段階であって体調が良ければ、シャワーや入浴をしても問題ありません。ただし、急に陣痛が進み浴槽から出られないということもありますので、入浴は人がいるときにした方が安心です。破水している場合は感染症の恐れがありますので、入浴・シャワーとも控えましょう。
水分を摂っておく
本陣痛が始まり出産体制に入ると、食事はおろか水分を取るのも難しくなります。陣痛の痛みが軽いうちに、水分や軽食を摂っておきましょう。ただし、この段階で食べ過ぎると分娩中に吐き気を催す場合が多いため、食べ過ぎないことが大切です。
陣痛が進んだらリラックスできる姿勢を
陣痛が始まってから、子宮口が全開になるまでの段階を「分娩1期」といい、出産にかかる時間の3/4を占めています。最大10cm程度まで子宮口が開くと陣痛がピークに達し、分娩室に移動します。
子宮口が全開になった後、出産までの段階は「分娩2期」といいます。
分娩台で無事に出産を終えてから、赤ちゃんは身長・体重の計測や沐浴などを受け、ママは胎盤排出や必要な処置を受けます。この出産してから胎盤排出までを「分娩3期」といいます。
陣痛が始まると、体の様々な場所に痛みを感じます。自分にとって楽な姿勢を見つけ、リラックスしながら出産を迎えることが大切です。リラックスできる姿勢として、あぐらをかく・前かがみの姿勢を取る・横向きに寝る・手足をついてうつ伏せになるなどがあります。
陣痛と聞くと不安を感じる方は多いかもしれません。しかし、陣痛が始まったら赤ちゃんと会えるまであとわずか。一緒に頑張ろうという気持ちで前向きに乗り越えましょう。
まとめ
今回は陣痛について、その前兆やどんな痛みなのかについて紹介しました。陣痛の前兆や痛みは人それぞれ違いますが、陣痛や分娩へのイメージをもつために、出産を経験した人に体験談を聞いておくのも良いかもしれません。