妊婦さんでも仕事を続けるためのポイント!産休をとるときの手続きを紹介
仕事をしているママにとって、産休がいつからいつまでとれるのか、どのような手続きをすれば良いのかなど、産休についての悩みは多いかと思います。今回は、産休がとれる時期はいつなのか、また、赤ちゃんを出産するにあたって、安心して産休をとるための手続き方法についてご紹介します。
目次
産休ってどんな制度?いつからいつまでとれる?
産休とは、労働基準法第65条で定められた制度であり、「産前休業」と「産後休業」を合わせた呼称です。勤務先の就業規則の内容に関係なく、出産する人は取得できます。
産前休業と産後休業は目的が異なります。産前休業は、出産準備のための休業期間で任意取得である一方、産後休業は体の回復を目的とした休業期間で取得義務があります。
産前休業は、雇用主に請求することで出産予定日の6週間前から取得可能です。つまり最短で妊娠34週から取ることができます。ただし、双子以上を妊娠している場合は、早産のリスクが高いため、14週間前(妊娠26週)から取得可能です。また、公務員の場合は、出産予定日の8週間前から産前休業が取得できることになっています。
産後休業は、出産翌日から8週間は必ず取得しなければならず、この期間は働いてはいけないことになっています。ただし例外として、産後6週間を過ぎ、本人が請求した上で医師が認めた場合のみ、就業が可能です。
産休をとるための手続きってなにをすればよい?
産休の手続きをするには、勤務先へ申請する必要があります。申請期限は勤務先の規定によるため、事前に確認をしましょう。タイミングとしては、妊娠8ヶ月頃に申請するママが多いようです。
産後休業は必ず取得しなくてはいけないため、申請が必要なのは産前休業のみです。ただし休業期間中の業務の引継ぎや人員補填等もあるため、一般的には産前休業と産後休業の申請は同時に行います。正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、パート社員、アルバイトも産休の取得ができます。
産休を取るために提出する休業届のフォーマットは、勤務先によって異なるので、所属する部署や上司などに確認してみましょう。また、勤務先で健康保険や厚生年金に加入しており、産休中の免除を希望する場合は、別途申出書を提出する必要があります。勤務先で受け取るか、もしくは日本年金機構のホームページでダウンロードのうえ記入し、提出しましょう。
そのほかにも、社会保険料や税金など複数の手続きが必要ですので、勤務先からの指示に従い、早めに手続きを行うようにしましょう。
産休前、妊婦さんでも安心して働き続けるためのポイント
妊娠初期は安定期に入る前なので、無理をしないことが大切です。職場に妊娠報告をして、辛いときは時短勤務やデスクワーク、軽作業にしてもらうなど、働き方を相談しましょう。つわりが酷いときは体調を優先し、できる範囲で仕事を行うようにしましょう。
妊娠中期はつわりも落ち着き、働きやすくなる反面、体への配慮が必要です。お腹が大きくなると、立ち仕事がきつくなったり、疲れやすくなったりするため、体調に合わせた仕事量に調整しましょう。可能であれば在宅勤務ができないか相談してみることをおすすめします。
妊娠後期は余裕をもって行動しましょう。お腹の張りやむくみが気になる時期なので、無理は禁物です。産休に入る目安は妊娠34週目ですが、ママと赤ちゃんが負担なく過ごせるように、体調を考えていつまで働くかを上司と相談しながら決めておきましょう。
妊娠中は体調不良になりやすく、意図せず職場に影響が及ぶ可能性があります。自分が休んでも仕事に支障が生じないようにしたり、早めに引継ぎを進めたりするなどの配慮も大切です。
産休に入るまでに仕事をするときの注意点
満員電車での移動はお腹に負担がかかります。満員電車を避けるために、通勤時間をずらすことをおすすめします。もしくは、出社時間を変更してもらえるか、上司に相談してみても良いかもしれません。
公共交通機関を利用する場合、妊娠初期は体調が悪くても周囲に気づかれにくいため、マタニティマークを活用すると良いでしょう。
また、重い物を持つ仕事や怪我などのリスクがある仕事は、体に負担がかかるので避けましょう。妊娠中は危険な業務に就かせることが禁止されています。妊婦さんを守るために国が定めた法律なので、心配なときは配置転換を希望しましょう。
参照:「働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について」(厚生労働省)
言い出しにくいときは、「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用すると理解を得やすくなります。
母性健康管理指導事項連絡カードとは、妊娠中の仕事について主治医に指導された内容を、妊婦さんを通じて職場へ伝えるためのカードです。有効活用することで、流産や早産など、妊娠中に起こり得るリスクを回避しやすくなります。
業務内容を変更してもらうときは、今後の人間関係や出産後の復帰を見据えて、働き続ける意志を示すことがポイントです。協力してもらうときは、感謝の気持ちを伝えてお互い気持ち良く仕事に取り組めるように心掛けましょう。
また、出産後も同じ職場で働き続けたいと考えている場合は、早い段階で意思表示をしておくと、業務の引継ぎや書類の手続きが円滑に進められます。先述したように、産後休暇の申請は不要ですが、スムーズな業務の引継ぎおよび人員補填を行うためには、できるだけ早い段階での申し出が必要です。育児休暇を取る予定であれば、産前休業前もしくは産前休業中に申請が必要ですので、こちらも早めに手続きを行いましょう。
産休中は、ほかの人に仕事をお願いしなくてはいけないため、産休の開始に合わせて業務の引継ぎを行う必要があります。 急な体調不良などで休まなくてはいけない可能性も踏まえながら、余裕をもって引継ぎのスケジュールを組むようにしましょう。
産休に入る1ヶ月前を切ったら、引継ぎに加えて社内外への挨拶もはじめましょう。特に、取引先など社外の人に対しては、最終出社日や後任の人事なども伝えなくてはいけません。自分自身が産休に入った後に、社内外での業務が滞ることのないよう、引継ぎや挨拶をきちんと行いましょう。
妊婦さんが仕事を続けるか迷ったときの判断ポイント
仕事を続けたいと思っても、職場で協力が得られなかったり、想像していたよりも妊娠生活が辛かったりすると、このまま仕事を続けられるか不安になることもあるでしょう。迷ったときは、以下の項目に照らし合わせて考えてみてください。
・今の仕事を続けたいか
・出産後のキャリア形成ができているか
・働きやすさはどうか
・再就職する場合に強みになるスキルはあるか
・経済的な部分を含めて家族の理解が得られるか
妊娠の前後では、働き方も変化します。上記の項目を参考にしながら、今後のキャリアプランを見直す機会をもつことも大切です。
まとめ
産休をとる手続きをしたり、産休に入る時期になったりすると、出産が近づいているという実感が湧いてくるでしょう。産休に入ったのち、体をいたわってゆったり過ごすためには、産休前の準備が大切です。準備する書類や行うべき業務などはたくさんありますが、体調に気をつけながらひとつずつ確実に行い、出産に備えましょう。