妊娠初期の頭痛原因と対処方法は?鎮痛剤は飲んでも良いの?
妊娠中のマイナートラブルはさまざまありますが、意外と知られていないのが頭痛です。妊娠前ならすぐに鎮痛剤で対処できましたが、妊娠中は薬の服用が難しく、とにかく我慢するしかないと思っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、妊娠中の頭痛の基礎知識や対処方法、受診のタイミングについて解説します。
目次
妊娠中の2種類の頭痛
妊娠中に起きる頭痛を大きく分けると、片頭痛と緊張型頭痛の2種類があります。
片頭痛の原因と対処方法
脳の血管が拡張され、片方のこめかみ周辺が、ズキズキと脈打つように痛むのが片頭痛です。ホルモンバランスが大きく変化する妊娠初期に起こりやすいとされています。ほかにも、ストレスや睡眠不足、まぶしい光などの刺激が原因で起こることがあります。
片頭痛が起きたら、タオルやガーゼでくるんだ保冷剤や冷却タオルなどで痛む部分を冷やすのがおすすめです。患部を冷やすことで、血管が収縮し、痛みが緩和されます。
また、少量のカフェインを飲むのも良いでしょう。カフェインには血管を収縮させるはたらきがあるためです。妊娠中にカフェインの過剰摂取は良くないとされていますが、1日1~2杯であれば、問題ないとされています。
緊張型頭痛の原因と対処方法
片頭痛とは逆に、血管の収縮が原因で起こるのが緊張型頭痛です。妊娠後期に起こりやすいとされています。緊張型頭痛は同じ姿勢をとり続けることや、眼精疲労などの生活習慣が原因で筋肉がこわばることなどでも起こるため、思うように体が動かせない妊婦さんに多い頭痛です。
対処方法は、患部を温めて血管を広げること、首や肩のマッサージやストレッチでほぐすことが挙げられます。湿布薬は、時期によって赤ちゃんに影響が出ることもあるため避けましょう。
また、肩こり解消に効果的なビタミンBのサプリを摂るのも良いとされています。妊娠期間中はビタミンB群である葉酸の必要量が多く、サプリメントを活用している人も多い時期ですが、葉酸以外のビタミン、ミネラルも充実しているサプリメントを選び、普段から補っておくとなお良いでしょう。
病院を受診する目安
頭痛で吐き気が止まらないとき
痛みだけでなく、吐き気やめまいなどほかの症状も出て止まらない場合には、横になって安静にします。それでも症状が良くならない場合は、早めにかかりつけの病院に行きましょう。
特に吐き気がひどく、栄養を摂れない状態が続くと赤ちゃんに危険を及ぼすことも考えられます。「寝ていれば治る」と我慢せず、専門の医師に指示を仰ぎましょう。
頭痛と発熱を併発したとき
妊娠中は免疫が落ちるため、普段よりも体調を崩しやすかったり、感染症にかかりやすくなったりします。頭痛と一緒に発熱があるときは、風邪やつわりがひどくなっている可能性もあるので、身体を温めつつ、しっかり水分補給をするように心がけましょう。
このとき、自己判断で薬を飲まないことが重要です。妊娠週数によっては、鎮痛剤の成分が赤ちゃんに影響を及ぼすおそれがあるので注意をしましょう。
鎮痛剤を飲んでも良いのか
妊娠中の頭痛に対して鎮痛剤を使いたいときは、必ず医師や薬剤師と相談が必要です。
診察時に頭痛薬が処方されることもありますが、妊娠経過に影響のないものを選んで出してもらえます。ただし、妊娠4週〜15週末までは胎児の器官形成期にあたるため、鎮痛剤を服用することはあまり良くないといわれています。かかりつけの婦人科以外を受診したときは、必ず妊娠中であることと妊娠週数を申告しましょう。
頭が割れるような激しい頭痛や強いめまい、嘔吐がある場合、脳出血など重大な病気の可能性があります。迷わずすぐに受診することが大切です。
まとめ
妊娠中は身体の自由がきかないことが多く、さらに頭痛が出てしまうと生活に支障が出ることも考えられます。
安易な鎮痛剤の使用はおすすめできませんが、産婦人科医など専門家に相談すれば、現在の状態に合わせた最適な対処方法や、妊娠中でも使用できる鎮痛剤を処方してもらえます。頭痛がつらいときは一人で我慢せず、病院に遠慮なく相談してみてください。