産後1日目からの産褥体操を紹介!体の回復をはかるポイント
出産後は、体の回復を促すために、無理をしない範囲で産褥体操に取り組みましょう。実施前に医師や助産師に相談をし、問題がなければ産後1日目から病院のベッドの上でも取り組めます。今回は、産褥体操の目的や取り組み方、具体的な手順をご紹介します。あわせて実施する際の注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
産褥体操の目的は?
「産褥体操」とは、妊娠や分娩で伸びた腹壁、骨盤底筋を鍛える運動です。
分娩が終わるとホルモンの分泌量が変化し、徐々に体が回復していきます。正常な機能に戻るまでには6〜8週間程度かかるため、子宮の自然な回復を促すために、産褥体操は次のようなさまざまな目的で取り入れられています。
・妊娠と出産によるダメージ回復を速やかにする
・全身の血のめぐりを促進してうっ血や血栓を予防する
・悪露の排出を促進し、子宮を回復させる
・靱帯を鍛えて関節の動きをなめらかにする
・筋肉のこわばりや痛みを和らげて疲労回復を図る
・内臓下垂を防いで腸の働きをサポートする
産褥体操は、ママの健康的な体作りにも役立ちます。必ず事前に医師や助産師に相談をし、問題がなければ産後1日目から取り組めます。無理のない範囲で行い、元気な体を取り戻しましょう。
【産後1~5日目まで!】産院のベッド上でできる産褥体操
産褥体操は、産後の日数や体調に合わせて徐々に様々な動きを取り入れていきます。今回はその中でも産後1~5日目まででおすすめの体操を抜粋して紹介します。それでは、1日目から産院のベッドの上でできる産褥体操の方法をみていきましょう。
【1日目】
・胸式呼吸と腹式呼吸
1.仰向けに寝て胸に手をあて、ゆっくり胸式呼吸をする
2.次に、手をお腹にあてて腹式呼吸をする
3.1~2を1日数回実施する
・足首の曲げ伸ばし運動
1.仰向けに寝て足を伸ばし、左右の足首を交互に曲げ伸ばしする
2.次に、足の指を曲げ伸ばしする
3.最後に、足首の関節をぐるぐる回す
4.1~3を10回1セットで、1日2~3セット実施する
【2日目】
・頭の上げ下げ運動
1.仰向けに寝て体を伸ばし、息を吸いながら頭を起こす
2.一呼吸キープし、息を吐きながらゆっくり頭をさげる
3.1~2を10回1セットで、1日3セット実施する
【3日目】
・骨盤と肛門の引き締め運動
1.あおむけに寝て手をお腹におく
2.両ひざを立て、肛門を引き締め、緩める
3. 1~2を20回1セットで、1日3セット実施する
・下肢の運動
1.あおむけに寝て体を伸ばす
2. 左右の足を交互に5回上げ下げする
3.1~2を5回1セットで1日3回実施する
・上肢の運動
1.あおむけに寝て、肘を伸ばしたまま両手を上にあげる
2.次に両手を左右いっぱいに開きながら下ろす
3.1~2を5回1セットで1日3回実施する
【4~5日目】
・手足と首の運動
1.あおむけに寝て右膝を立てる
2.左手を上にあげながら、首を左右に10回曲げる
3.ゆっくり戻し、左右の手足を入れ替えて首を左右に10回曲げる
4.1~3を1日2回実施する
ほかにも、ネット上で産褥体操を紹介している動画もあるので、ぜひ日常生活で取り入れてみましょう。退院して体が回復してきたら、産後ヨガに取り組むのもおすすめです。
産褥体操に取り組むときの注意点
産褥体操に取り組むときに、無理は禁物です。産褥期はなによりも分娩によるダメージの回復と授乳、赤ちゃんのお世話を優先することが大切です。
軽い体操だからと安易に考えずに、必ず医師や助産師に相談してから産褥体操をはじめましょう。特に帝王切開で出産したママは医師の許可が出てから取り組み、痛みや出血、気になる所見があるときは中断をし、早めに受診してください。
産褥体操は少なくとも4~6週間、理想は3ヶ月まで継続する必要があります。最初は軽めの運動からはじめ、徐々に負荷をかけた運動に移行していくと飽きずに取り組めますよ。
産後に体が回復する経過は個人差が大きいため、中々元に戻らないからといって焦る必要はありません。あまり神経質にならずに、あくまでも健康を目的に体を動かしましょう。
まとめ
産褥期は体の回復と赤ちゃんのお世話を最優先にして、できる範囲で体を動かしましょう。産褥体操は良いストレス発散にもなるため、産後のメンタルケアにも有効です。無理のない範囲で取り組みながら、徐々に身体の回復を促しましょう。