双子はいつわかる?双胎妊娠のリスクとすべきこと
赤ちゃんを授かることは奇跡的なことです。授かった赤ちゃんが双子だったら、喜びも2倍になりますよね。しかし、双子の妊娠出産はリスクがともなうため、喜びと同時に不安を感じる方もいるでしょう。今回は双子の妊娠に関わる基本的な知識や、注意点・リスクについて紹介します。
目次
双子はいつわかるの?
妊娠に気が付くのは月経の予定日から1週間ほど過ぎたあたりです。妊娠週数でいうと、5週目くらいの時期に妊娠検査薬で判断できます。
しかし、妊娠検査薬でわかるのは妊娠の有無だけで、単胎児・双胎児(双子)の判断はできません。妊婦健診の超音波(エコー)検査で、双子かどうかの診断が可能です。
単胎児か双胎児かの診断ができるのは、妊娠5週以降です。ただ、双子には種類があり、種類によって双子と判断できる時期が異なります。
一卵性双胎と二卵性双胎の違い
一卵性双胎は、ひとつの卵子にひとつの精子が受精した後に、ふたつに分離して胎児に成長します。一卵性は遺伝子情報が同じで性別や血液型、容姿もそっくりです。
二卵性双胎は、ふたつの卵子にそれぞれ別の精子が受精して、ふたつの受精卵が胎児に成長します。遺伝子情報は50%等しくなりますが、血液型や性別が違う場合も多いです。
膜性による違い
双子は一卵性と二卵性の違いのほかに、絨毛膜(胎盤)と羊膜の数によって以下の3つの「膜性」に分類されます。
・二絨毛膜二羊膜双胎:絨毛膜がふたつで羊膜もふたつ
・一絨毛膜二羊膜双胎:絨毛膜がひとつで羊膜がふたつ
・一絨毛膜一羊膜双胎:絨毛膜も羊膜もひとつ
一卵性の双子は3種類すべての膜性になる可能性があります。一方、二卵性の双子は二絨毛膜二羊膜双胎が原則とされています。
二絨毛膜二羊膜双胎の場合は胎嚢(たいのう)がふたつあるため、経膣超音波検査で胎嚢の確認ができる妊娠4週〜5週前半には確認が可能です。
一絨毛膜二羊膜双胎と一絨毛膜一羊膜双胎の場合は胎嚢がひとつのため、胎芽か心拍の確認ができる妊娠6週以降にわかるようになります。
双子を妊娠した際に知っておくべき注意事項
お腹の赤ちゃんが双子とわかったら驚きはするものの、嬉しい気持ちも大きいものです。しかし、双子の妊娠には妊娠中や出産時のリスクも高くなります。
早産の可能性がある
双子の妊娠で起こりやすいトラブルは早産です。ひとつのお腹に胎児が二人いるため、早いうちからお腹が大きくなるため早産しやすい傾向にあります。
また、妊娠高血圧症を引き起こしやすいため母体と胎児の状態によっては、人工的に早産とする例も少なくありません。妊娠高血圧症候群は単胎児の妊娠よりも双胎児のほうが引き起こしやすいです。栄養バランスの整った食事などの自己管理を心がけましょう。
双子の分娩時期の目安は36~38週ごろです。
帝王切開となる可能性がある
双子の妊娠は帝王切開になるケースも多いです。妊娠の週数・胎位・赤ちゃんの大きさ・合併所の有無を考慮して分娩の時期や方法を選択します。
場合によっては長期間の入院や、設備の整った病院へ転院するケースもあります。
母体や胎児の健康上のリスクも
双胎児の妊娠中は、単胎児よりもお腹の張りや悪阻などのマイナートラブルも起こりやすいため、症状が辛い場合は無理をしないで身体を休めるようにしてください。
双子の胎児に起こる可能性があるトラブルは、胎児発育不全・胎児先天異常・双胎間輸血症候群・Selective IUGR (一児の胎児発育不全)・双胎一児死亡などです。
一絨毛膜一羊膜双胎の場合は、お互いのへその緒が赤ちゃんの体に巻き付いてしまう臍帯相互巻絡(さいたいそうごけんらく)のリスクもあります。
トラブルによっては赤ちゃんの生死に関わるものもあるため、早期発見のためにも医師の指示どおりに健診を受けるようにしましょう。
双子の妊娠がわかったらすべきこと
双子の妊娠がわかったら、以下の点に注意して過ごしましょう。
妊婦検診は欠かさずに
双子の妊娠は、妊娠初期から出産まで細かな経過観察と母子双方の健康状態の把握が必要になるため、単胎児よりも妊婦健診の回数が多くなります。
妊婦健診の間隔も、2週間以上空かないように医師から指示されることが多いです。場合によっては1週間ごとの健診を受けるケースもあります。
トラブルを早期に発見するためにも、医師から指示されたとおり欠かさずに妊婦健診を受けるようにしましょう。
母子の状態によっては、普通に健診に来ただけなのに入院になるケースや、出産が早まるケースもあります。
入院や出産準備は早めに
入院や出産準備は早めに終わらせておくようにしてください。赤ちゃん2人分のスペースを作っておくなど産後の準備も早めにしておきましょう。
双子は妊娠中も出産後もママの負担が大きいため、パパが積極的に家事に関わる必要があります。特に上にお子さんがいる場合は、パパの存在はかなり重要です。
産後のサポート体制を整えておくと、産後のママの負担も軽くなります。家族・親戚の協力、ベビーシッターの利用、自治体のサポートの検討もしておくと何かあったときに安心です。
また、出産費用も単胎児より多くなるため、出産一時金や高度療養費制度などお金の面での不安も解消しておくようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんが2人同時にやってくるのは幸せも2倍です。しかし、妊娠中から産後まで大変なことも多く、不安も同時にやってきますよね。
起こりやすいリスクを含めて、双子の妊娠・出産・育児についてママ・パパがしっかり把握して何が起こっても冷静に動けるようにしておくことが大切です。
双子の妊娠は不安も大きいですが、可愛い赤ちゃんに会うためにも、できるだけ穏やかなマタニティライフを送りましょう。