妊娠初期の頻尿の原因は?対処法や気を付けるべきこと
妊娠初期の頻尿は、多くのママが経験する良くある症状のひとつです。とはいえ、トイレが近いと外出を控えがちになったり、夜中に何度も目が覚めて困ったりするという方も多いでしょう。そこで今回は、妊娠初期の頻尿の原因や対処法、注意すべきポイントについて紹介します。
妊娠初期に頻尿が起きる原因
妊娠初期に頻尿が起きる原因は、妊娠による血液量の増加とホルモンバランスの変化といわれています。
妊娠すると子宮で赤ちゃんを育てるために、多くの血液が必要です。腎臓は血液をろ過して老廃物や毒素を取り除き、不要な水分とともに尿として排出する役割があります。
妊娠によって体内で循環する血液が増える分、ろ過する血液量も増えるため、尿量が増加して頻尿になるのです。
また、妊娠初期はホルモンバランスの変化により、頻尿になる傾向にあります。妊娠するとプロゲステロンと呼ばれるホルモンの分泌が盛んになります。プロゲステロンには膀胱の筋肉をゆるめるはたらきがあるため、尿を留めることが困難になりやすいのです。
妊娠初期に頻尿が起きる場合の対処法
妊娠初期の頻尿は決して珍しいことではありません。頻尿が気になるときは、尿意を我慢しないことが大切です。
尿意を感じたタイミングで、こまめにトイレへ行きましょう。外出先や会議中など、なかなかトイレに行けないときは、前もって済ませておくと安心です。
排尿時に前かがみになると、膀胱に尿が残りにくくなるのでスッキリしやすくなるでしょう。咳やくしゃみをしたときの尿漏れが気になる方は、パンティーライナーなどを活用するのもおすすめです。
また、「頻尿が気になるから水分を控える」という方もいますが、脱水のリスクが高まってしまうため注意が必要です。脱水症状になると尿の色が薄い黄色から濃い黄色やオレンジ色になります。これらの症状が疑われるときは、すぐに水分補給をしましょう。
ただし、カフェイン入りの飲み物には利尿作用があるため、飲んだ分以上の水分が尿として排出されてしまいます。脱水症状を加速させることにもなりかねないため、カフェインの過剰摂取は控えて、水や麦茶などのノンカフェインの飲み物を選ぶことをおすすめします。
妊娠初期の頻尿で気を付けるべき症状
妊娠初期は、膀胱炎や腎盂腎炎(じんうじんえん)などの尿路感染症への注意が必要です。前述の通り、妊娠するとプロゲステロンが増加し、その影響で尿管や膀胱、尿道などの平滑筋がゆるみやすくなります。妊娠前よりも子宮が大きくなることで、尿路が圧迫されて尿の通りが悪くなり、逆流するおそれもあります。
尿の逆流などにより、本来排出されるはずの尿が体内に残ってしまうと、膀胱内で細菌感染しやすくなり尿路感染症のリスクが高まってしまうのです。
そのため、尿路感染症を予防するためにしっかりと水分を摂り、尿意を感じたら我慢せずにトイレへ行くことが重要です。
こまめな水分補給を心がけ、細菌を尿と一緒に流して尿道に留まらないようにしましょう。尿の排出をスムーズにして体内の巡りを良くすることで、細菌が繁殖しづらい環境を作れます。また、尿路感染症かどうか判断に迷ったときは、下記の項目をチェックしてみてください。
・残尿感がある
・排尿時に痛みがある
・尿に白い濁りがある
・尿に血液が混じっている
排尿してもスッキリせず、すぐにトイレに行きたくなってしまったり、排尿時にしみるような痛みがみられたりしたときは注意が必要です。尿が濁る、または血液が混じるときも尿路感染症が疑われます。上記の症状がみられたときは、早めに病院で受診することを検討してください。
まとめ
妊娠初期は、血液量の増加やホルモンバランスの変化などにより、頻尿になりやすいといわれています。頻尿が気になるときは、外出前にトイレを済ませておいたり、尿意を感じたらこまめにトイレに行ったりするなど工夫しましょう。とはいえ、脱水にならないように、水分を摂るのを我慢しないことも大切です。
妊娠初期は尿路感染症のリスクもあるため、いつもと違う症状がみられたときは、早めにかかりつけ医に相談することをおすすめします。