妊活中にお酒を飲んでも大丈夫?アルコールの影響と上手に付き合うコツ
妊活中の飲酒は、少なからず妊娠率に影響を与えるといわれています。とはいえ、お酒好きな方のなかには、飲めないことがかえってストレスになるという方もいるでしょう。
また妊活中に飲み会があった場合、どのようにお酒と付き合うべきか困ってしまう方もいるかもしれません。そこで今回は、妊活中のアルコールの影響や、お酒と上手に付き合うコツについて紹介します。
妊活中の飲酒は控えた方が良い?
妊活中でもお酒の過剰摂取は不妊症のリスクを高めてしまうため注意が必要です。デンマークの研究によると、週14杯以上の飲酒習慣がある方の妊娠率は、まったく飲酒しない方に比べて18%低下すると報告されています。
一方、週に14杯以下の飲酒量であれば妊娠率に影響はないとされているため、妊娠がわかる前であればアルコールを摂取しても問題ありません。ここでいう1杯の量は、
ビール1杯で330ml、ワインで1杯120ml、ウイスキーなどの蒸留酒で1杯20mlが目安です。
ただし赤ちゃんへの影響が心配な方は、妊活中からお酒を飲まない方が賢明です。月経予定日を過ぎて妊娠がわかったときはすぐに禁酒しましょう。
出典:BMJ(イギリス医師会雑誌)「アルコール消費と繁殖力:デンマークの前向きコホート研究」
アルコール摂取時の赤ちゃんへの影響
妊娠中は適量の飲酒であっても、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があります。特に妊娠初期は赤ちゃんの臓器が作られる大切な時期です。
妊娠中にお酒を飲むと、胎盤を介してお腹の赤ちゃんにもアルコールが運ばれます。胎児の肝臓は大人のように発達していないため、体内に入ってきたアルコールをうまく処理できません。
そのため胎児性アルコール・スペクトラム障害などのリスクが高まってしまいます。早産や妊娠高血圧症候群などのトラブルもみられやすくなるため気を付けましょう。
妊活中は男性も飲酒を控えると良い?
妊活中は、男性側も適量の飲酒であれば妊娠率に影響はありません。しかし、アルコールの過剰摂取は男性不妊の原因につながりやすいといわれているため、飲み過ぎないように気を付けましょう。
アルコールが体内に入ってから分解する過程で活性酸素が発生します。飲み過ぎるとその分活性酸素が増加して細胞を傷つけやすくなります。精子の老化につながり、質が低下して妊娠率に悪影響を及ぼしかねません。
赤ちゃんを授かるためにはパートナーの協力が必要です。妊活中のお酒との付き合い方について、2人で話し合っておくことをおすすめします。
妊活中にお酒と上手に付き合うコツ
毎日の晩酌を欠かさないなど、飲酒が生活の一部になっている方の場合、妊娠してから急にお酒を止めるとストレスが溜まりがちです。
しかし妊娠中は少量のアルコールを摂取するだけでも赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があるため、妊活中から飲酒習慣を改めることをおすすめします。お酒と上手に付き合うコツは下記の通りです。
・目安は1日1~2杯程度
・週2回以上の休肝日をつくる
・空腹のときや寝る直前に飲まない
・排卵期や妊娠の可能性があるときは飲酒を控える
・飲酒以外のストレス解消法を探す
毎日お酒を飲む習慣がある方は、飲む量や頻度を減らすことから始めましょう。曜日によって飲まない日をつくるなど、自分で休肝日を設定すると続けやすくなります。
休肝日をつくるのが難しい方は、アルコール度数が低いお酒に変更し、慣れてきたらノンアルコール飲料へ移行していくのも有効です。
ただしノンアルコール飲料のようにアルコールをまったく含まない飲み物には、飲みやすくするために砂糖が使われている場合があります。ノンアルコール飲料でもたくさん飲むと糖分の摂り過ぎにつながるため注意しましょう。
空腹時の飲酒は体内でアルコールが吸収されやすくなるので、胃腸や肝臓に負担がかかります。アルコールの吸収を穏やかにするには、少し食べてから飲酒するのがポイントです。また就寝前の飲酒は睡眠の質を低下させてしまうため避けましょう。
胎児の成長に影響を与えないように、妊娠しやすい排卵期や妊娠の可能性がある時期はなるべくお酒を控えた方が安心です。
またお酒が飲めないストレスは、ウォーキングやヨガなどで解消するのもおすすめです。身体を動かすと血の巡りが良くなるので妊娠しやすい体質を目指せます。
まとめ
妊活中のアルコールの過剰摂取は妊娠率の低下や、赤ちゃんへ影響を及ぼすおそれがあるため注意が必要です。また女性だけでなく、男性もお酒を飲み過ぎると不妊症のリスクを高めてしまいます。
妊活中はお酒を控えることが望ましいですが、飲めないストレスが溜まりやすい方は、徐々にお酒の量を減らせるよう工夫していくことが大切です。休肝日を設けたり、ノンアルコール飲料を活用したりするなど、自分に合った方法でお酒と上手に付き合っていきましょう。