妊娠中はよく足がつる?こむら返りの原因と予防策を紹介
妊娠中はさまざまな身体の変化やトラブルに見舞われます。足がつるのも妊娠中によく現れる症状のひとつです。「夜中に足がつって目が覚めてしまう」「こむら返りが頻繁に起こってつらい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
今回は「こむら返り」の原因と予防の方法について解説します。こむら返りを防ぐための参考にしてみてください。
妊娠中は足がつりやすい?
「こむら返り」とは、足がつった状態を指します。足の裏やふくらはぎ、太腿の筋肉が突然収縮し、けいれんが起こった状態です。運動中や就寝中に起こりやすく、基本的に数分間我慢すれば自然と治まる場合がほとんどです。
妊婦中はこむら返りを経験することが多くあり、特に妊娠中期から後期など週数が進むほど起こりやすくなります。寝ている間に発生しやすいため、睡眠不足の原因にもなり得ます。
こむら返りを早めに改善したい場合は、なるべく足を伸ばした状態でつま先を掴み、足の甲側へゆっくりと引っ張りましょう。ふくらはぎの筋肉やアキレス腱が伸びて、症状が和らぎます。
こむら返りが起こる原因
妊娠期に発生するこむら返りの原因は、主に下記の3つがあげられます。
・筋肉が疲れている
妊娠が進むにつれて体重が増加し、足へ負担がかかります。お腹が大きくなり身体の重心が変わるのも、足に余計な力がかかる原因のひとつです。これにより、足が筋肉疲労を起こし、こむら返りが発生しやすい状態になります。
・血流が悪くなっている
妊娠で大きくなった子宮は骨盤への負担を増やし、足の静脈を圧迫します。下半身が圧迫されると血流が悪くなり、筋肉が冷えてこむら返りが起こりやすくなるのです。
立ちっぱなしや座りっぱなし、運動不足も血行不良を引き起こす原因になります。妊娠期のトラブルに身体のむくみもよくあげられますが、血流不良はこむら返りだけでなくむくみの原因にもなるので注意しましょう。
・水分が不足している
足は筋紡錘(きんぼうすい)と腱紡錘(けんぼうすい)で筋肉の伸び縮みのバランスを保っています。こむら返りは、筋肉の過剰な収縮を防ぐ腱紡錘の機能が低下して起こります。腱紡錘が正常に働くには、適切な水分補給が欠かせません。
寝ている間は水分補給ができないため、知らないうちに水分不足に陥りがちです。就寝中の発汗も水分不足を引き起こします。そのため眠っているときにこむら返りが起こりやすいのです。
こむら返りを予防する方法
こむら返りは、下記の3つの方法で予防できます。妊娠中の体調改善にもつながるため、ぜひ参考にしてみてください。
・ミネラルを含む食材を摂る
筋肉の動きをスムーズにして急な収縮を防ぐためには、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルをバランス良く摂ることが大切です。ミネラルには筋肉や神経の動きを調整するはたらきがあります。
カルシウム・マグネシウム・カリウムを含む食材の例としては、下記の通りです。
カルシウム…チーズや牛乳などの乳製品、しらすやししゃもなどの小魚、大豆製品
マグネシウム…ひじきやわかめなどの海藻類、ナッツ類、大豆製品
カリウム…キウイやバナナなどの果物、さつまいもや長いもなどのイモ類
・身体を温める
身体が冷えると血流が悪くなり、筋肉が収縮して、こむら返りが起こりやすくなります。レッグウォーマーや靴下を着用して足が冷えるのを防ぎましょう。足先の冷えは子宮の冷えにもつながります。
ただし、寝る際に靴下を履くのはおすすめしません。就寝中に靴下を履くと手足から熱が放散されず、深部体温が下がらないため寝つきににくくなってしまいます。足の冷えが気になってなかなか寝つけない場合は、レッグウォーマーを着用するようにしましょう。
お風呂はシャワーで済ませるのではなく、なるべく湯船に浸かるようにしてください。半身浴や足湯だけでも効果が期待できます。身体を温めて血行を良くすることは、むくみの改善にも役立ちます。
・水分をしっかりとる
筋肉の伸縮バランスを保つために、普段から水分を摂るよう意識してください。寝る前や入浴前後に水を飲む習慣をつけると良いでしょう。
就寝中は自分が考えているよりも汗をかいています。特に眠る前はコップ1杯の水を飲むよう心がけることが大切です。
まとめ
妊娠中のこむら返りは筋肉疲労や血行不良、水分不足などが原因です。特に寝ている間に起こりやすく、睡眠不足の原因となります。
マグネシウムなどのミネラルを摂取できる食事を心がける、身体を温める、水分を意識して摂るなどして、こむら返りを予防しましょう。