赤ちゃんには「湯冷まし」?作り方、注意点も紹介
「赤ちゃんに湯冷ましは本当に必要?」「水道水じゃダメなのかな」「ミルクを作るときも湯冷ましを作るの?」など、初めて赤ちゃんを育てるママ・パパは、湯冷ましに関する疑問がたくさん湧いてくるはずです。そこで今回は、赤ちゃんに湯冷ましが必要な理由や作り方、注意点について紹介します。
湯冷ましとは?赤ちゃんにとってなぜ必要なの?
湯冷ましとは、水道水などを沸騰させて冷ましたものです。赤ちゃんに湯冷ましが必要な理由は、水道水に含まれる殺菌成分の塩素が、赤ちゃんの肌や消化器官に刺激を与えるおそれがあるためです。
そのため、水道水を一度沸騰させてから冷まし、塩素を除去することで、赤ちゃんにも安心して飲ませられるミルクを作ることができます。
一方、ミネラルウォーターであれば塩素が含まれていないため、沸騰させずに赤ちゃんに与えても問題ありません。ただし、必ず硬度100以下の軟水を使いましょう。ミネラル分の多い硬水は、内臓機能が未発達な赤ちゃんの体に負担がかかってしまい、腹痛や下痢を起こしてしまうからです。
また、浄水器を通した水は塩素だけでなく不純物も除去できるため、選択肢のひとつとして取り入れるのも良いでしょう。ただし、浄水器の水も、湯冷まししてから使うことをおすすめします。
湯冷ましの作り方
基本的な湯冷ましの作り方は、下記の通りです。
1.鍋ややかんに水を入れ、塩素がしっかり蒸発するようフタをせずに強火で沸騰させる
2.沸騰後、そのまま15分以上煮沸する
3.お湯の温度が人肌程度になるまで冷ます
なお、15分以上煮沸するのは、トリハロメタンという有害物質を取り除くためです。
電子レンジや電気ケトルなどが使えたら便利なのですが、これらは長時間沸騰した状態を保つことが難しいためおすすめできません。鍋ややかんなどを使用して作るほうが安心して赤ちゃんに与えられます。
湯冷ましをすぐに使わないときは、魔法瓶に入れて保存しておきましょう。
湯冷ましを利用するタイミング
代表的な利用シーンはミルクを作るときです。粉ミルクを70℃以上のお湯で溶かした後、湯冷ましを入れて人肌(35~37℃)くらいの温度までに調整しましょう。
また、ミルク作り以外にも、湯冷ましを利用するタイミングがあります。例えば、便秘気味の赤ちゃんには、湯冷ましが効果的な水分補給になります。離乳食を始めると便秘になりやすい赤ちゃんもいるため、様子をみながら少量ずつ湯冷ましを与えるとよいでしょう。水分補給によって便が柔らかくなり、排便がスムーズになる可能性があります。
また、赤ちゃんが水分不足になっているときも、湯冷ましを利用するタイミングです。入浴後や寝起きなど、赤ちゃんが汗をかいて水分をたくさん失ったときは、母乳やミルクに加えて、湯冷ましを飲ませることで水分を補いましょう。
ほかにも、尿量が減ったり、唇が乾燥していたりするときは水分不足のサインです。湯冷ましでこまめな水分補給を心がけましょう。
ただし、生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、母乳やミルクから水分補給ができます。脱水の症状がみられなければ、母乳やミルクだけで十分です。
また、湯冷ましだけでお腹がいっぱいにならないよう、注意することも大切です。母乳やミルクには赤ちゃんに必要な栄養素がたくさん含まれているため、飲む量が減っては本末転倒です。
湯冷ましを作る際の注意点
湯冷ましは水道水に比べて保存期間が短く、1日以内が目安です。水道水には殺菌効果のある塩素が含まれていますが、湯冷ましを作る過程で取り除かれます。そのため、時間が経つと水道水よりも雑菌が増殖しやすくなるのです。湯冷ましを作ったら早めに使い切り、余った分は処分して、その都度作り直すようにしましょう。
また、先に述べた通り赤ちゃんに硬水は禁物です。必ず軟水で湯冷ましを作りましょう。
まとめ
湯冷ましは、水道水を一度沸騰させて塩素を除去しているため、赤ちゃんに与えても安心です。湯冷ましを作る際は、水をやかんや鍋に入れてから、15分以上しっかりと煮沸し、人肌程度になるまで冷ましましょう。
ただし、塩素が取り除かれているため、保存できる期間は短いです。湯冷ましを作ったあとは、なるべく早めに使い切りましょう。赤ちゃんに負担がかからないように、軟水で作ることもポイントです。