母乳はいつから出る?母乳のメリットと出にくいときの対処法
母乳育児は自然なことのように思えますが、実際にはうまくいかずに悩む方も多いのではないでしょうか。母乳の出が悪くて赤ちゃんに十分に与えられないといった不安を抱えている方もいるでしょう。今回は、母乳が出にくいときの対処法や、母乳育児のメリットについて紹介します。
目次
母乳がつくられる仕組みは?いつから出る?
母乳は、赤ちゃんにとって最適な栄養源です。ここからは、母乳がつくられる仕組みと、母乳はいつから出るかについて解説します。
母乳がつくられる仕組み
妊娠中はプロゲステロンというホルモンが分泌され、乳腺の発達を促進します。一方で、妊娠中の母乳の分泌を抑制するはたらきもあります。
出産後はプロゲステロンの分泌量が減少し、赤ちゃんがおっぱいを吸うことでプロラクチンとオキシトシンというホルモンが分泌されます。プロラクチンの作用により母乳がつくられ、オキシトシンは乳腺から母乳を押し出すはたらきをします。
母乳はいつから出る?
産後2~3日ごろから、母乳の量が徐々に増加し始めます。個人差はありますが、安定した母乳の分泌が確立されるまでには1ヶ月ほどかかることが一般的です。
まれに産前から母乳のようなものが出ることがありますが、これは母乳ではなく乳汁と呼ばれるものです。
母乳で育てるメリットは?
母乳育児は、赤ちゃんとママの両方にとって、さまざまな恩恵をもたらします。ここでは、母乳で育てることのメリットについて、栄養面、身体面、そして精神面からみていきます。
栄養や免疫物質がたくさん含まれている
母乳は、赤ちゃんの健やかな成長に適した栄養源です。
ミルクと異なり、母乳にはヒト由来の成分が含まれているため、赤ちゃんの消化吸収に適しています。また、母乳の成分は赤ちゃんの発育に合わせて変化し、その月齢に必要な栄養素を与えられるという特徴もあるのです。
母乳には免疫物質も含まれており、感染症に対する抵抗力が弱い赤ちゃんを守ります。出産直後に分泌される「初乳」には、特に免疫物質が豊富に含まれています。
口、舌、あごの発達に良い
乳頭を口に含むだけでは母乳は分泌されないため、赤ちゃんは唇やあご、舌を巧みに動かす必要があります。
ゴム製の乳首でミルクを飲む場合と比較すると、母乳育児の赤ちゃんは口周辺の筋肉をより活発に使うことになります。離乳食を食べる力や表情筋、発語に必要な筋肉の発達を促せるでしょう。
オキシトシンが活性化される
おっぱいを吸われることで分泌されるオキシトシンは、幸福ホルモンとも呼ばれます。授乳によるオキシトシンの活性化によって、心が満たされた気分になるのです。
オキシトシンの活性化は子宮の収縮も促進します。悪露の排出を助けることで、産後の身体の回復を早めるはたらきも期待できるでしょう。
母乳が出にくいときの対処法
母乳育児を始めたものの、思うように母乳が出ないと悩むママは少なくありません。ここでは、母乳の分泌を促すマッサージ方法を解説します。
乳頭のマッサージ
母乳の分泌を促進するには、乳頭マッサージが効果的です。
乳頭と乳輪をつまんで左右にひねり、軽く引き伸ばすようにマッサージすることで、乳頭の柔軟性が増します。これを1セット5回ほど繰り返すと良いでしょう。
柔らかく伸びのある乳頭は赤ちゃんが吸いやすくなるため、母乳育児がスムーズに進むでしょう。
授乳前のおっぱいのマッサージ
授乳前のおっぱいマッサージも、母乳の分泌を促進するのに役立ちます。両手で脇の下からおっぱいを優しく持ち上げるようにして、4~5回ほどマッサージしてください。
おっぱい全体をアバラからはがすイメージで、乳頭に向かって優しく動かすのも効果的です。
個人差があるので深く悩まないように
母乳育児は個人差が大きいため、深く悩み込まずに専門家に相談することが大切です。母乳に関する不安や疑問がある場合は、出産した産院や母乳外来のある病院、助産院などに連絡してみましょう。母乳マッサージの指導やアドバイスを受けることも可能です。
まとめ
母乳育児は赤ちゃんとママにとって多くのメリットがあります。一方で、母乳の出が悪いなどの悩みを抱える方もいるでしょう。しかし、焦らずに適切な対処法を知ることが大切です。
個人差があることを理解し、赤ちゃんとママに合った母乳育児を見つけていきましょう。