差し乳とは?タイミングとよくあるママの不安を解説
出産後と比べておっぱいが張らなくなってきたと感じるママはいませんか。それはおっぱいが「差し乳」という状態になったのかもしれません。おっぱいが張らないから母乳が足りていない気がすると、不安なママもいるでしょう。
今回は差し乳について、差し乳に変化するタイミングやよくあるママの不安、差し乳の注意点について解説します。
差し乳とは
差し乳とは、普段はおっぱいが張らずにやわらかく、授乳のときだけ母乳が分泌される状態のおっぱいのことを指します。授乳の間隔が空いても母乳が溜まらないため、おっぱいの張りで痛みが出ることがありません。しこりや乳腺炎も起きにくく、ママのおっぱいとして理想的な状態です。
反対に、おっぱいが常に張っていて授乳後もすぐに母乳が分泌される状態を溜まり乳と言います。どちらもおっぱいの出方を表す言葉ですが、医学用語ではありません。
差し乳になるタイミングには個人差があり、出産直後から差し乳のママもいれば、出産から半年後あたりに差し乳になるママもいます。ただ出産直後は赤ちゃんに適した母乳の量がわからず体内で必要以上に母乳が生成されてしまうため、一般的に溜まり乳になりやすい傾向にあります。
生後2~4ヶ月ほど経って授乳リズムが安定してくると、母乳の作りすぎが徐々に解消されて差し乳に変わっていくのです。
差し乳でよくある不安
差し乳だとおっぱいが張っていないため、「母乳の量が足りているかわからない」と不安に思うママは少なくありません。しかし差し乳は分泌が安定しているだけであって、溜まり乳の場合と同じく母乳自体は24時間生産されているのです。
母乳量に不安を感じる場合は、スケールで母乳量を測定してみましょう。スケールは地域の母乳外来や保健センターで借りられるほか、デパートやショッピングセンターの授乳室に置かれている場合もあります。
母乳が足りているかどうかは、赤ちゃんの状態からもある程度確認できます。もし赤ちゃんのおしっこやうんちの回数が少ない場合は、母乳が足りていないかもしれません。目安としておしっこが1日に5回以下、うんちが2~3日に1回の場合は注意しましょう。
体重増加の割合も判断基準のひとつです。赤ちゃんの体重は基本的に生後1ヶ月までは1日30gほど、生後2~3ヶ月頃は1日20~30gを目安に増えていきます。また、赤ちゃんが長時間おっぱいをくわえて離さないときも、母乳量が足りていないおそれがあります。
差し乳で気を付けたいこと
差し乳のママが気を付けたいのが搾乳です。差し乳はおっぱいがやわらかいままのため、つい搾乳を忘れてしまいます。しかし、搾乳を十分に行っていないと母乳の生産が減少してしまいます。母乳がきちんと作られるようにするためには、意識して搾乳と授乳をするようにしましょう。
もし搾乳量が少なくても、心配しすぎる必要はありません。母乳は赤ちゃんが直接乳首を吸うことで、オキシトシンというホルモンによって多く分泌されるためです。
母乳の分泌を良くするためには、ママの体調管理も欠かせません。バランスの取れた食事を心がけるほか、睡眠時間もしっかり確保しましょう。水分不足も母乳の分泌に影響を与えてしまうため、毎日1.5~2リットルは水分を補給することを心がけてください。
まとめ
差し乳は常におっぱいがやわらかいため、母乳の量が少ないかもと不安になるかもしれません。しかし、母乳自体は常に生産されているため、心配しすぎなくても大丈夫です。母乳が足りているか心配な場合は、赤ちゃんの様子を確認してみましょう。
母乳の生産が滞らないようにするためには、適切な授乳と搾乳が大切です。また、ママの健康状態も母乳の分泌量に影響します。しっかりと体調管理を行って、無理せず母乳育児を楽しみましょう。