子どもが成長すると、お寿司や刺身など大人と同じものを食べたがるようになるものです。しかし、生ものを食べさせていいのか、どのくらいの量なら大丈夫なのかと悩んでしまいますよね。今回は、子どもに生ものを食べさせるタイミングや注意点について紹介します。

生ものはいつから食べていい？

生ものを子どもに与えるタイミングとしては、3歳頃が目安となります。この頃になると胃腸の消化機能が発達し、生ものを消化できるようになってくるためです。

離乳食完了後は、基本的に大人と同じ食事が食べられるようになりますが、生魚については慎重に考える必要があります。単に年齢だけで判断するのではなく、子どもの消化機能の発達状況を見極めることが大切です。

2歳以降なら食べさせることはできるものの、歯が生えそろっていないので生魚が噛み切りにくい場合があります。
奥歯がしっかりと生え揃うのは3歳頃です。歯が生え揃ってもかみ合わせが整っていない場合、硬いものを噛み潰すのは難しい可能性があります。

生もののなかでもイカやタコなどは噛み切れないことも多いでしょう。うまく噛み潰せないと、喉につまらせたり丸飲みの習慣がついたりするリスクがあるため、胃だけでなく歯の機能面も考慮することが大切です。

生ものを食べるリスク

生ものを食べさせる場合、食中毒やアレルギー反応といったリスクがともないます。子どもは免疫機能が未発達なため、大人以上に注意が必要です。

食中毒のリスク

生ものを子どもに食べさせる際、最も注意すべきリスクは食中毒です。子どもは免疫機能が未発達なため大人よりも食中毒にかかりやすいうえ、重症化する可能性も高くなります。

アニサキスや腸炎ビブリオなどの菌や寄生虫による食中毒には十分な注意が必要です。アニサキスは目視で確認できるため、生魚を与える前にチェックしましょう。腸炎ビブリオは夏場に多く発生するので、季節に応じた対策も大切です。

アレルギーのリスク

生ものを初めて子どもに与える際は、アレルギー反応のリスクを考慮する必要があります。特に甲殻類はアレルギーを引き起こしやすいので慎重に与えるようにしましょう。

子どもの体調を観察し少量ずつから始め、徐々に量を増やしていくことが重要です。

生ものを食べさせるときの注意点

生ものを食べさせるとき、食材の選び方や与え方によっては、食中毒やアレルギーのリスクが高まることがあります。子どもの体調や成長に合わせて、取り入れていきましょう。

体調の良いときに食べさせる

初めて食べる生ものでは、アレルギー反応や体調不良を引き起こす可能性があります。体調が万全でないときは免疫力が低下しているため、食中毒のリスクが高まるでしょう。万が一に備えて、すぐに医療機関を受診できるよう、病院が開いている平日の午前中に食べさせることがおすすめです。

生ものを与える順番に注意する

生ものを子どもに与える際は、順番に注意することが大切です。まずは白身魚やいくらなど、比較的アレルギーを発症するリスクが低く、消化しやすいものから始めましょう。次に、赤身の魚を少しずつ試していきます。

青魚はアレルギーの危険性が高いため、小学校入学以降に試してみるのが良いでしょう。食中毒のリスクが高い貝類は避けるのが賢明です。

新鮮なものを小さく食べやすいサイズにする

生ものを子どもに与える際は、できるだけ新鮮なものを選び、食べさせる直前まで冷蔵庫に入れて鮮度に注意しましょう。新鮮でない生ものを食べると、大人でも体調を崩す可能性があるため、子どもに与える場合はより注意しましょう。

特に赤身魚は、じんましんのような症状を引き起こすヒスタミン食中毒のリスクがあるので注意が必要です。子どもが噛み切れるよう、小さなサイズにカットすることも忘れないようにしましょう。

塩分の摂り過ぎに気を付ける

お寿司や刺身などを子どもに食べさせる際は、塩分の摂り過ぎに注意が必要です。特に、いくらや、たらこなどの魚卵は塩漬けされているため、多く食べると塩分の過剰摂取につながります。

1〜2歳の子どもの1日の食塩摂取量は、目標値が3〜3.5gと設定されています。いくらの軍艦巻きをわずか2貫食べただけで目標値の約3分の1にあたる1gの塩分を摂取してしまうため注意しましょう。

まとめ

子どもに生ものを食べさせるタイミングは個人差がありますが、3歳頃から少しずつ始めるのが一般的です。ただし食中毒やアレルギーのリスクがあるため、新鮮で安全なものを選び、子どもの体調や成長に合わせて適切な量と与え方を心がけましょう。