夜間断乳のやり方は?成功させる7つのポイントや注意点
多くの赤ちゃんは、生まれてから1歳前後になるまで、夜間に2~3回程度授乳をします。ですが、1歳を過ぎたころから、だんだん夜中に起きる回数が減り、授乳回数が減っていきます。赤ちゃんが長時間授乳なしで眠ってくれるようになってきたら、夜間断乳を始めましょう。
夜間断乳とは、赤ちゃんが寝る時間から朝まで授乳をやめること。夜間断乳は卒乳への大事なステップです。そこで今回は、夜間断乳の始め方やコツや注意点について紹介します。
目次
夜間断乳はいつから始める?開始の合図は?
夜間断乳のスタートは、だいたい1歳を過ぎたら。1歳2~3ヶ月で始める方が多いようです。こういった点を目安にしましょう。
・長時間眠れるようになり授乳回数が減った
・夜中にママのおっぱいがなくても寝られるようになった
・離乳食をしっかり食べられるようになってきた
・言葉をなんとなく理解できるようになってきた
もちろん個人差があるので、タイミングを焦る必要は決してありません。
夜間断乳をするメリット
夜間断乳には3つのメリットがあります。
1つ目は、夜中に起きる必要がなくなりママ・パパの睡眠不足が解消されることです。夜間に赤ちゃんが泣くたびに起きて対応していては、なかなか寝られません。夜間断乳ができれば、十分な睡眠時間を確保できるでしょう。
2つ目は、赤ちゃん自身もまとまった睡眠が取れることです。夜間断乳を始めると、最初は夜泣きをしていた赤ちゃんも、次第に、夜にはおっぱいを飲めないことがわかってきて、だんだんと夜泣きが減っていきます。夜泣きがなくなり昼と夜の区別がはっきりすることで、赤ちゃんも朝までぐっすり眠れるようになるのです。
3つ目のメリットは、卒乳をスムーズにしてくれることです。夜間断乳によって赤ちゃんがおっぱいを飲まなくても寝られるようになり、欲しがる回数が減ると卒乳しやすくなります。
夜間断乳の始め方。成功させるための7つのポイント
寝る前に十分に授乳させよう
赤ちゃんが夜中にお腹を空かせて目を覚ますことがないように、寝る前はいつもより多めに授乳しましょう。飲み終わりの母乳には脂肪分が多いため、腹持ちが良くなります。そのため、母乳の場合は片方のおっぱいを長めにあげるようにしてください。
ミルクは母乳よりも腹持ちが良いため、夜中に起きることなく寝続けてくれるかもしれません。授乳以外に、食事でしっかりと食べさせることも大切です。
寝る環境を整えよう
赤ちゃんがぐっすり眠るために、寝る環境を整えましょう。赤ちゃんは体温調節が苦手なため、体調を崩さないように室温は20~22℃程度、湿度は40〜60%程度を保つようにしましょう。
寝室の暗さも大切なポイントです。なるべく真っ暗な環境で寝させてあげましょう。明かりが欲しいときは、暖色系のライトを足元に置くようにしてください。豆電球は赤ちゃんが起きてしまう可能性があります。
赤ちゃんに言葉で伝えよう
夜中におっぱいは飲まないということを、赤ちゃんにやさしく教えてあげましょう。この時期の赤ちゃんは、完全にママ・パパの言葉がわかるわけではありませんが、少しずつ理解できるようになってきています。
おっぱいに代わる就寝方法を見つけよう
寝かしつけのときや、夜中に泣いたとき、添い乳が当たり前になっている方もいるかもしれません。そういった場合は特に、おっぱいがないと赤ちゃんはどうやって寝たらいいかわからなくなってしまいます。
そこで、おっぱいに代わる就寝方法を見つけてあげてください。例えば、背中をトントンやさしくさする・腕枕をする・赤ちゃんの呼吸にあわせて寝息を聞かせる・子守唄を歌うなどいろいろな方法があります。赤ちゃんの寝やすい方法を探していきましょう。
生活リズムを整えておこう
赤ちゃんができるだけスッと寝られるように、生活リズムを整えておくことも大事です。お昼寝はダラダラさせないようにし、1時間程度にとどめましょう。また、起きている間はできるだけたくさん体を動かして活動的に生活させ、毎日規則正しい時間に食事をとりましょう。このようにメリハリをつけることで寝付きがよくなり、長時間眠れるようになります。
最初はうまくいかなくて当たり前。でも、やると決めたら3日は続けてみよう
卒乳へのファーストステップともいえる夜間断乳。しかし、実際に始めようとすると最初は思うようにいかないことがほとんど。夜間断乳の最初は、多くの赤ちゃんが夜中に起きて大泣きします。ここでおっぱいをあげないことを辛く感じてしまうかもしれませんが、やると決めたら3日は続けてみましょう。徐々に慣れてきて断乳できるようになります。夜間断乳は赤ちゃんの成長過程のひとつと考え、気持ちに余裕を持ちながらチャレンジしてみてくださいね。
可能なら家族の協力を得よう
夜間断乳中の寝かしつけは、ママだけではなくパパなど他の家族にしてもらうのもひとつのポイントです。ママが寝かしつけると、おっぱいが欲しくなって大泣きしてしまうケースがあります。3日~1週間くらいすれば赤ちゃんも夜間断乳に慣れてくるはずです。早めに夜間断乳を成功させるためにも、家族に協力してもらいましょう。
夜間断乳をする際の注意点
夜間断乳はママ・パパへの負担を軽減できます。ただし、母乳量が多いタイミングで行うと乳腺炎を引き起こす可能性があります。乳腺炎とは母乳を分泌する乳腺に生じる炎症のことで、乳房の腫れや痛み、赤みなどが発生します。
乳腺炎には「うっ滞性」と「化膿性」の2つがあり、中でもうっ滞性乳腺炎は母乳が乳腺に溜まってしまうことで引き起こされます。
母乳量が多いタイミングで夜間断乳をすると、授乳回数が減って母乳が乳腺に溜まったままになり、乳腺炎になりやすくなるのです。
授乳のリズムが崩れることによっても、乳腺に母乳が溜まってしまいます。例えば、普段3時間置きに授乳していた場合、母乳も3時間置きに作られるよう体のリズムができています。急に夜間断乳で授乳をやめることで母乳が溜まりやすくなり、乳腺炎が発生しやすくなります。
母乳量が多いときは急に夜間断乳を始めるのではなく、徐々に授乳の回数を減らして母乳量を調整することから始めましょう。おっぱいが張って痛みが出る場合は搾乳しましょう。ただし、搾乳し過ぎると逆に体が母乳を作ろうとしてしまうため、絞る量は痛みが和らぐ程度に抑えましょう。
おっぱいが張って熱がこもっている場合は、濡れタオルなどで冷ますと良いでしょう。痛みが強い場合は乳腺炎になっている可能性があります。自身で対処できない場合は早めに病院で受診してください。
まとめ
夜間断乳はできるようになるまでは大変ですが、夜間断乳に成功すると昼間の断乳もスムーズになり、卒乳しやすくなります。また、赤ちゃんにとっては、まとまった睡眠時間がとれるようになる・虫歯のリスクが減るといったメリットが。ママにとっても、夜中におっぱいをあげなくなることで睡眠時間が増え、体も心もラクになるはずです。
家族みんなにとってより楽しい暮らしができるよう、良いタイミングでチャレンジしてみてくださいね。