ハンドリガードは赤ちゃんの大切な成長過程!ハンドリガードがはじまったら気を付けたいこと
ハンドリガードは、赤ちゃんにとっては重要な成長過程です。今回は、ハンドリガードとは何か、いつからいつまでするのか、また赤ちゃんがそれをする理由について解説します。
目次
ハンドリガードとは?いつからいつまでする?
ハンドリガードとは、赤ちゃんが自分の手を不思議そうな顔で見つめているしぐさのことです。親からすると、ぜひとも写真に収めたいと思えるワンシーンのひとつでしょう。
赤ちゃんがハンドリガードをするのは、見る力・体を動かす力・脳が発達してきているサインなので、赤ちゃんが順調に成長していることを意味しています。
手を見つめる以外にも、次のようなしぐさをする赤ちゃんもいます。
・手を上げたり下ろしたりする
・手をグーパーしてみる
・ゆらゆらと体を揺らす
・手や手の指を口の中で舐める
・手をグーに握って口の中に入れる
また、片手のみを使う赤ちゃんもいれば、両手を使ってハンドリガードを行う赤ちゃんもいます。
これらのしぐさができるようになるのは、生後2~3ヶ月頃からが多いといわれています。もちろん、赤ちゃんによって個人差があり、中には生後6ヶ月頃のお座りができるようになってからハンドリガードをはじめる赤ちゃんもいます。そのため、生後4~5ヶ月になってもしないからといって過度に心配する必要はありません。
小さいうちは成長スピードに差がありますので、一般的にこの月齢であればできることを自分の子どもができなくても、焦らず優しい目で成長を見守るようにしましょう。
ハンドリガードをはじめるころの赤ちゃんは、体を思うように動かせない時期を過ぎ、手が自分の体の一部であると認識できるようになります。また、自分の意思で体が動かせると確認したり、自分と自分以外の世界が違うことを知るようになったりします。
赤ちゃんがハンドリガードをしはじめるようになってから1~3ヶ月もすると、赤ちゃんはこのしぐさをしなくなってしまいます。それは、赤ちゃんの興味の対象が自分の手からどんどんと広がっていくからです。自分の体以外に、外の世界へ興味が向くようになり、自分の手が思い通りに動かせるようになると、少しずつハンドリガードは見られなくなるのです。
ハンドリガードを行う期間も赤ちゃんによって個人差があります。すぐに終わってしまう赤ちゃんもいれば、3ヶ月以上続ける赤ちゃんもいるため、その場合は長い目で温かく見守ってあげましょう。
赤ちゃんがハンドリガードをする理由
赤ちゃんがハンドリガードをするのには、主に3つの理由があります。
見る力の発達
赤ちゃんは生後1ヶ月を過ぎると、ものをじっくりと見ることができるようになり、生後2~3ヶ月を過ぎるころには動いたものを目で追えるようになっていきます。
赤ちゃんは基本的にW字になって寝ているので、視線を動かすようになったときに、最初に目に入ってくるのは自分の手です。
ただ、赤ちゃんは自分の手を見ても、最初はそれが自分の手だと認識をしていないので、「これは何なのだろう」と思って、じっと見つめる=ハンドリガードをしはじめるようになります。ハンドリガードを通じて、自分の手だと認識しはじめます。
体を動かす力の発達
見たいものを見るためには、視線を動かしたり、首を動かしたり、手を動かしたりする力が必要になります。つまり、ハンドリガードをするのは、赤ちゃんの体を動かす力が発達してきたからと言えます。
ハンドリガードでみられるしぐさも、最初のうちは手をじっと見つめるだけですが、徐々に手を動かしてみたり、手を口にいれたりするようになってきます。このように、動かす力の発達の段階に応じてしぐさは変化していきます。
異なる感覚の統合
ハンドリガードは、赤ちゃんが異なる感覚を統合するための成長過程でもあります。赤ちゃんは、自分の目の前の物(自分の手)が動くときに、体がモゾモゾしているなと感じて、目の前で動いているものが体の一部であることを徐々に認識していきます。
ハンドリガードをしないとおかしい?
ハンドリガードは、すべての赤ちゃんで見られる行為なのでしょうか。ここからは、ハンドリガードに関する不安について解説していきます。
ハンドリガードしない赤ちゃんもいる?
生後2~3ヶ月を過ぎても赤ちゃんがハンドリガードをしないと、順調に発達しているのか不安に感じるかもしれません。ただ、赤ちゃんにも個人差があり、お座りできるようになってからハンドリガードをするようになったというケースもあります。なので、生後2~3ヶ月ごろに赤ちゃんがハンドリガードをしなかったとしても、過度に心配しなくて良いでしょう。
ハンドリガードは、起きている時間が長くなるにつれてはじめるケースが多く、大人が見ていないところでハンドリガードをしている可能性もあります。
ハンドリガードと異なるしぐさの赤ちゃんもいる
ハンドリガード以外にも、ハンドリガードと同じ目的で赤ちゃんが行うしぐさがあります。
例えば、フットリガードという行為を見せる赤ちゃんもいます。これは、足を見つめる・大きく持ち上げる・舐めるなどの行為を指し、ハンドリガードと同じ目的のしぐさです。
ハンドリガードやフットリガードなどを通して、赤ちゃんは自分が見たいものに焦点を合わせられるようになり、自分の身体を思い通りに動かせるようになっていきます。ハンドリガードとしぐさが異なる場合でも、問題はありません。
赤ちゃんがハンドリガードをはじめたら
赤ちゃんがハンドリガードをはじめたら、大人はどのような点に注意しなくてはならないのでしょうか。
爪のお手入れをする
ハンドリガードがはじまると、赤ちゃんは手を口の中に入れる可能性が高くなります。爪が長いと、口の中や顔などが傷ついてしまうおそれがあるため、お手入れが必要です。
赤ちゃんは爪が伸びるのが早いため、普段から赤ちゃんの爪の状態をしっかりと観察し、伸びてきたらこまめに切るようにしましょう。それでも傷ができてしまうようであれば、ミトンや手袋の使用も検討しましょう。
手を清潔にしておく
赤ちゃんがいつハンドリガードをはじめてもよいように、赤ちゃんの手をこまめに清潔にしておくのも大切です。フットリガードをする赤ちゃんには、手と同じように足もこまめにお手入れをしてあげましょう。
赤ちゃんは肌が敏感であるため、アルコール消毒はおすすめできません。消毒液は、赤ちゃん専用のノンアルコールタイプで、天然由来もしくは植物由来の成分が使用されているか確認しましょう。首が座っている赤ちゃんであれば、石鹸とぬるま湯で20秒ほど手洗いするだけでも問題ありません。
赤ちゃんの感覚を刺激する
乳幼児の時期は、五感の中でも特に触覚が敏感です。赤ちゃんの肌に触れると、触覚が刺激され、体を動かす意欲や知的好奇心などが刺激されます。スキンシップを取ったりおもちゃを見せたりしながら、赤ちゃんの好奇心を引き出しましょう。
歌に合わせて体を動かしたり手遊びをしたり、ベビーマッサージによって外部から肌に刺激を与えたりするのがおすすめです。赤ちゃんとのスキンシップやコミュニケーションを楽しみながら、同時に感覚を刺激してあげましょう。
まとめ
ハンドリガードはなかなか日常では聞き慣れない言葉ですが、限られた期間でしか見ることができない赤ちゃんの貴重な成長過程です。個人差があるので、なかなかはじまらない場合も優しく見守ってあげましょう。
また、ハンドリガードがはじまったら、手を清潔に保つようこまめにお手入れをしてあげてくださいね。