赤ちゃんの寝相が悪いのは当たり前?よくみられる寝相と睡眠時の注意点5つ
赤ちゃんの寝相が悪いと、「ひょっとして寝苦しいのかな?」などと考えてしまいますよね。掛けてあげた布団から出ていると、赤ちゃんが体調を崩さないか心配なママ・パパも多いのではないでしょうか。そこで今回は、赤ちゃんの寝相が悪くなってしまう理由や赤ちゃんが寝るときに注意しておく点を解説します。
目次
寝相が悪いのはなぜ?
赤ちゃんというと、動かずにスヤスヤと眠っているイメージが強いものです。そのため、赤ちゃんの寝相が悪いと、「どうしてうちの子は寝相が悪いの?」と心配になることもあるでしょう。
しかし、赤ちゃんの寝相が悪いのはめずらしいことではなく、早ければ生後3ヶ月頃から寝相が悪くなる赤ちゃんもいます。赤ちゃんによっては、新生児期から寝相が悪いということもあるので心配はいりません。
赤ちゃんの寝相が悪くなる理由に関係しているのが、睡眠サイクルです。
睡眠には、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」というふたつの状態があります。レム睡眠は浅い眠りの状態で、体は休んでいるものの脳は動いている状態です。ノンレム睡眠はぐっすりと寝ている状態で、このときは夢を見ることもほとんどありません。
就寝時にはノンレム睡眠→レム睡眠→ノンレム睡眠→レム睡眠というサイクルを繰り返しています。
個人差はありますが、大人の場合ノンレム睡眠とレム睡眠の周期が90分程度であることが一般的です。またレム睡眠の比率は睡眠時間の15~20%程度です。しかし、赤ちゃんの場合は、浅い眠りであるレム睡眠の割合が睡眠時間の50%ほどを占めます。大人と比べて赤ちゃんは、レム睡眠の割合がかなり高いことが分かります。
赤ちゃんの睡眠時間の多くが眠りの浅いレム睡眠であるため、赤ちゃんは睡眠時によく動くのです。そして、それが寝相の悪さにつながっていると考えられます。
よくみられる寝相の行動とは?
よくみられるのは、足をバタバタさせたり、体の向きが回転していたりするといったものです。就寝時にはとなりで眠っていたのに、いつの間にか赤ちゃんが離れた場所で眠っていたという経験があるママ・パパも多いのではないでしょうか。
このような睡眠中の動きは、赤ちゃんの睡眠が大人の睡眠サイクルに近づくにつれて収まってくるので心配はいりません。赤ちゃんの成長に必要な段階と考えて、見守ってあげましょう。
季節が夏に入ったとたん、急に赤ちゃんの寝相が悪くなったという場合もあるでしょう。寝ている部屋の温度が高かったり、衣服が暑苦しかったりすると、赤ちゃんは寝返りをうつことで体の熱を逃そうとします。そうすることで、赤ちゃんは体温調節をしているのです。
寝相が悪いけれどちゃんと眠れている?
赤ちゃんの寝相が悪いと、ママ・パパは「ちゃんと眠れているのかな?」と不安を感じてしまいますよね。ですが、赤ちゃんの寝相の悪さは睡眠サイクルに起因しているため、そこまで心配する必要はありません。
寝相の悪さが睡眠の質に大きな影響を与えることはなく、成長するにつれて徐々に改善されていきます。あまり神経質にならずに見守ってあげましょう。ただし、睡眠中に呼吸が途切れるなどの気になる様子がみられるときは、早めに医療機関に相談してください。
就寝時に注意したい点
赤ちゃんの寝相が悪くても睡眠自体に問題はないものの、寝相の悪さが思わぬ事故につながるリスクもあるため、油断は禁物です。次の点に注意して、トラブルを未然に防ぎましょう。
1.ベッドからの転落に気を付ける
赤ちゃんの寝相が悪いと、無意識に体を動かしてベッドから転落する危険性があります。とくに、寝返りができるようになると転落リスクが高まるため、ベビーベッドの柵を上げて寝かせましょう。ロック金具が正しく機能しているかも確認してください。
赤ちゃんが成長すると活発に動き、思わぬ事故を起こすときがあります。ベビー用のベッドは、できるだけ国が定めた安全基準を満たす「PSCマーク」が貼付された製品を選ぶのがおすすめです。ベッド柵や布団との隙間を作らないようにして、赤ちゃんの頭や体が挟まるのを防ぎましょう。
2.うつぶせ寝に注意する
1歳未満の赤ちゃんが寝相の悪さからうつぶせ寝になったときは、ママ・パパがやさしく仰向け寝に戻してあげましょう。うつぶせ寝をさせると、赤ちゃんが窒息するおそれがあります。また、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めるとも指摘されています。
乳幼児突然死症候群とは、病気や事故以外で赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなることをいい、厚生労働省でもリスクを避けるために「1歳まではできるだけ仰向け寝にする」との勧告を出しています。
参照:厚生労働省「乳幼児突然死症候群について(SIDS)」
3.ベッド周りにものを置かない
ベッド周りに余計なものがあると、寝返りをうったときに口や鼻を塞いでしまうリスクがあるため、赤ちゃんが眠るベッド周りはすっきり整理する習慣をつけましょう。赤ちゃんの月齢が低い時期は、やわらかな枕を使う必要はありません。
タオル、脱いだ衣類、クッション、ぬいぐるみは、赤ちゃんが眠ったらベッド周りから片付けておきましょう。よだれかけやヒモなど、首に巻き付くようなものにも注意が必要です。
4.硬めのマットレスなどを使用する
ふわふわしたやわらかい寝具は肌触りがやさしいものの、赤ちゃんがうつぶせになったときに、口や鼻をふさいで窒息させる危険性があります。また、やわらかい敷布団は寝返りがしにくく、赤ちゃんが寝苦しくなりがちです。
赤ちゃんを寝かせる寝具には硬めの敷布団やマットレスを選び、シーツをピンと張って使いましょう。掛け布団は軽く、赤ちゃんが払いのけられるものを選んでくださいね。
5.寝心地の良い環境にする
赤ちゃんが眠る寝室環境を快適に整えるのも重要なポイントです。エアコンを活用して、赤ちゃんが心地良く眠れる快適な温度をキープしましょう。
寝相が悪い赤ちゃんはいつの間にか掛け布団を蹴飛ばしてしまうため、寝冷え対策も必要です。伸縮性のある素材や通気性のある服を選んで着せると寝苦しくなく、赤ちゃんが布団から抜け出るのを防げます。肌寒い季節はお腹が出ないよう、ロンパースやスリーパーも活用しましょう。
まとめ
赤ちゃんは大人よりも眠りが浅く、寝相が悪い傾向があります。寝相は睡眠サイクルに起因するものなので、神経質にならずに成長を見守りましょう。とはいえ、寝相が悪いと思わぬ事故につながりやすいので、対策が必要です。赤ちゃんが寝ている様子をチェックして、ママ・パパが寝室環境を整えてあげましょう。