【医師監修】赤ちゃんの適正な睡眠時間はどれくらい?月齢別の特徴を知ろう
赤ちゃんは寝るのが仕事なので、たくさんの睡眠をとります。しかし、実際のところ、赤ちゃんにはどのくらいの睡眠が必要なのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。今回は、赤ちゃんに必要な睡眠と、その特徴について月齢別に紹介します。
目次
赤ちゃんにとって睡眠時間が重要な理由
生まれたばかりの赤ちゃんは、1日の大半を眠って過ごします。赤ちゃんの成長と発達にとって、睡眠はかかせません。昔から「寝る子は育つ」といわれるように、睡眠は赤ちゃんの健やかな体と心を育てるのに重要です。
赤ちゃんにとって睡眠が大切なのは、眠っている間に、成長ホルモンが大量に分泌されるからです。小さな赤ちゃんはよく眠って、一生懸命大きくなろうとしているわけです。
また、睡眠を促すメラトニンは、記憶力や学習能力、情緒の安定などにも影響を与えるといわれています。睡眠は人間の生命維持や脳の活動も左右する、非常に重要な生活習慣といえるでしょう。
ただし、赤ちゃんは1度に長く眠ることができません。赤ちゃんは体が小さく、消化器官も未発達なために、こまめに起きて授乳が必要です。しっかり眠ればその分成長や発達を促せるので、赤ちゃんが月齢に応じた適切な睡眠時間を確保できるよう、ママやパパが配慮してあげましょう。
必要な睡眠時間よりも短い場合は、免疫力の低下や発育への影響に注意が必要です。赤ちゃんが病気にならないように、常に体調の変化には気を配りましょう。なるべく必要な睡眠をとらせるために、照明を落とす、室温を調整するなどの環境整備に力を入れてください。
「赤ちゃんが夜寝て起きないときは、授乳回数が減ってしまいますが、赤ちゃんの機嫌がよく体重が順調に増えていれば、心配はいりません。また、無理に起こして授乳させる必要もありません。それでも心配という方は、かかりつけの小児科医に相談してみてください。
赤ちゃんの月齢別睡眠時間と特徴
赤ちゃんは、成長にともない必要な睡眠時間も変わってきます。ここでは、月齢ごとの赤ちゃんの睡眠の特徴について紹介します。
生後0ヶ月~1ヶ月
生後まもない赤ちゃんは、1日15時間~20時間眠っています。1日の大半を睡眠に費やすのが、このころの赤ちゃんです。また、昼間によく寝て夜はあまり寝付けない赤ちゃんもいれば、逆に昼間はしょっちゅう起きて夜にぐっすり寝る赤ちゃんもいるなど、睡眠の特徴は赤ちゃんによって異なります。
生後2ヶ月~3ヶ月
生後2ヶ月~3ヶ月になると15時間~17時間の睡眠をとる赤ちゃんが多いです。このころになると、昼と夜の区別がつき始めるため、夜に寝てくれることも多くなります。連続して3時間~4時間寝ることもあるでしょう。
生後4ヶ月~6ヶ月
1日13時間~14時間ほどの睡眠時間となり、まとめて寝てくれるようになり始めるのがこのぐらいの月齢です。日中に1時間~2時間程度のお昼寝を挟みつつも、比較的起きている時間が長いのでさまざまな行動をみせてくれます。夜にまとめて眠る赤ちゃんも多いので、ママ・パパも一緒に休むことができて、子育てが少しだけ楽になります。
生後7ヶ月~12ヶ月
生後半年を過ぎると、1日11時間~13時間程度眠る赤ちゃんが多いです。1日の半分以上起きているため、少しずつ生活のリズムが大人に近づいてきます。ただし、睡眠のリズムには個人差があることも知っておきましょう。
赤ちゃんの睡眠時間と生活リズムの関係
赤ちゃんは1日24時間の生活のなかで、睡眠、食事、排泄、遊び、休息、入浴を一定のリズムで繰り返しています。睡眠時間は、生活リズムと密接な関係があると考えてください。
新生児期は大半を眠って過ごすものの、赤ちゃんの1日の睡眠時間は、成長とともに短くなります。とはいえ、夜の睡眠が短くなるわけではありません。昼寝の回数や長さが減り、次第に夜は長く眠るようになって、睡眠リズムが整っていくのです。
赤ちゃんの睡眠リズムが整うのは、一般的に生後6~7ヶ月ごろです。ただし、赤ちゃんの成長や発達には個人差があるので、ママやパパは焦らずに見守りましょう。
赤ちゃんの成長に必要な睡眠時間を確保するためには、乳児期から生活のなかで睡眠リズムを整えることが大切です。睡眠リズムが整えば夜の寝かしつけも楽になるので、ママやパパの負担軽減にも役立つでしょう。
赤ちゃんの睡眠リズムを整えるには、睡眠、授乳、遊びといった生活全般を見直して、昼夜の区別がつくように促す必要があります。赤ちゃんが5~6ヶ月になったら、散歩や遊びに誘って、昼にできるだけ起きていられるように働きかけましょう。
7~8ヶ月以降は、日課と時間を一定にして、生活にメリハリをつけるのがポイントです。1歳過ぎからは、家族で早寝早起きの習慣をつけることをおすすめします。
赤ちゃんにしっかり睡眠してもらうには
赤ちゃんはしっかり眠って、体を大きく、強くするのが仕事です。できるだけ心地良く眠れるように、ママやパパがサポートしてあげましょう。
環境を整える
赤ちゃんが安眠するためには、赤ちゃんの居室の環境が大切です。普段から室温や湿度が適切に保たれているか、こまめにチェックしましょう。赤ちゃんはよく汗をかくため、暑すぎず寒すぎない室温や湿度を保つことが重要です。
赤ちゃんが快適に眠れる室温は、冬なら20〜25℃前後、夏は26~28℃前後を目安にしてください。湿度50%前後だと過ごしやすいので、エアコンも上手に活用しましょう。少し涼しいくらいのほうが、寝つきが良くなります。
赤ちゃんは、光や音などの刺激にも敏感です。明るく騒がしい環境だと眠りが浅く、すぐに起きてしまうため、お昼寝では遮光カーテンも活用しましょう。
毎日の生活リズムを一定にする
赤ちゃんがまとめて寝られるようになったら、毎日の生活リズムを一定に整えましょう。1日24時間の生活サイクルが整うのは、赤ちゃん期だともいわれています。この時期に早寝早起きを身につけておくと、成長したときに規則正しい生活習慣を維持しやすいでしょう。
まずは、起床時間、就寝時間、食事、お風呂の時間を決めて、できるだけ守るところからはじめてください。昼寝を長くしすぎると夜の睡眠に影響を与えるため、赤ちゃんがよく眠っていても時間を決めて切り上げましょう。
寝かしつけの工夫をする
赤ちゃんの寝つきが悪いときは、眠るまでのルーティンを決めると良いでしょう。たとえば、絵本の読み聞かせや子守歌を寝る前の習慣にするなどです。繰り返しているうちに赤ちゃんも合図を理解し、すんなりと眠るようになります。
ママ・パパの抱っこも、赤ちゃんの安眠には欠かせません。大好きな人の匂いに包まれると、赤ちゃんは安心して眠れます。就寝前のベビーマッサージも効果的なので、ぜひ試してみてください。
注意が必要なのは、スマートフォンやタブレットを見せる行為です。たとえ意味がわからなくても、動く画面を見てしまうことで興奮してよい睡眠がとれなくなります。赤ちゃんの前では、できるだけスマートフォン、タブレットは出さないようにしましょう。
まとめ
今回は、赤ちゃんの睡眠時間と睡眠リズムの特徴について月齢別に解説しました。赤ちゃんの健やかな成長のためには、基本となる睡眠は欠かせません。またそのためにも、なるべく質の良い睡眠をとらせてあげたいですよね。しっかり環境を整え、赤ちゃんの睡眠リズムとママ・パパの生活リズムとを合わせながら、うまく赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。
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