赤ちゃんの正しい抱っこの方法とは?コツと注意点を知ろう
赤ちゃんのお世話に抱っこは必須です。しかし、正しい抱き方をしないと安定感が悪くなってしまい、赤ちゃんも落ち着きません。今回は、赤ちゃんを抱っこする方法や注意点、ママ・パパが抱っこを楽に行える抱っこ紐についてなどを紹介します。
目次
首が座る前の新生児の抱っこの方法
まずは、首がすわる前である新生児期の赤ちゃんを抱っこする方法を紹介します。
移動や授乳、あやすときなど、赤ちゃんの抱っこは育児の基本です。以下で紹介する2種類の抱き方を正しくマスターしておきましょう。
横抱き
赤ちゃんを腕に沿わせて、横向きに抱っこをする方法です。ここで紹介するのは右抱きです。利き手や赤ちゃんの好みにあわせて、左抱きも試してみましょう。
1.縦に寝かせた状態の赤ちゃんと向かい合い、やや前傾姿勢になって赤ちゃんの首の下に右手を入れる
2.右の手のひら全体で赤ちゃんの首と後頭部を支えて上半身を持ち上げる。同時に、左手を赤ちゃんの股の間に入れ、左の手のひら全体でお尻を支える
3.赤ちゃんの体を支えながら、ゆっくり全体を持ち上げて胸元に抱え、赤ちゃんと体を密着させる
4.後頭部を支えている右手を、赤ちゃんの頭と首が右肘の内側に乗るように、ゆっくりお尻の方にずらします。
5.左手は赤ちゃんのお尻から背中を支えるようにずらす
6.赤ちゃんを自分の体に密着させるように抱きかかえる
縦抱き
赤ちゃんを体の正面で縦向きに抱っこする方法です。首がすわらない新生児期でも、首をしっかり保持していれば縦に抱っこしても問題ありません。ここでは右利きの手順を紹介します。
1.縦に寝かせた状態の赤ちゃんと向かい合い、やや前傾姿勢になって赤ちゃんの両脇に両手の親指を上に立てたまま差し入れる
2.両手の人差し指から小指までを使い、赤ちゃんの後頭部を包むように支えてゆっくり抱き上げる
3.赤ちゃんの顔を自分の左肩付近にあて、お腹を自分の体に密着させる
4.左腕を背中からお尻のほうにゆっくりずらして、お尻全体を支えるように抱き込みながら、右手をずらして赤ちゃんの後頭部から首を支える
抱き替えをする際のコツ
抱き替えとは、横抱きしている赤ちゃんの位置を左右の向きで替えたり、縦抱きから横抱きへ体位を替えたりすることです。首がすわる前の赤ちゃんの抱き替えは、頭をしっかりと支えて安全に行うことが大切です。
上手く抱き替えができると、腕の疲労を軽減できます。ママ・パパは抱き替えのコツをつかんでおきましょう。
横抱きの左右抱き替えをする方法
授乳中に赤ちゃんの体勢を左右に入れ替えたいときや、抱っこをしていて手や腕が疲れたときなどは、以下の流れで進めましょう。
1.横抱きの姿勢のまま、頭から背中にかけて支えていた側の腕を、後頭部から首の後ろあたりに移動させ、赤ちゃんの首をしっかり支えます
2.赤ちゃんとママ・パパの体を密着させたままお尻を軸にして、赤ちゃんの足がママ・パパ側にくるようにしながら180度回転させます(左抱きの場合は時計回り、右抱きの場合は反時計回り)
3.お尻を支えていた腕に赤ちゃんの頭を、頭を支えていた手にお尻を乗せます
4.赤ちゃんの体勢が安定したら、抱き替えは完了です
縦抱きから横抱きへ替える方法
授乳とゲップ出しが終わった後などに、縦抱きから横抱きへ替えるときには、以下の流れで進めてみましょう。
1.赤ちゃんの首から後頭部にかけて手で包み込むようにして、しっかり支えます
2.赤ちゃんのお尻を軸にして、体を縦向きから横向きにします。赤ちゃんとママ・パパの体が離れないよう注意しましょう
3.赤ちゃんの頭をママ・パパの腕に乗せたら、横抱きへの抱き替えは完了です
赤ちゃんを抱っこするコツと注意点
赤ちゃんを上手に抱っこするポイントは、「赤ちゃんの身体に負担をかけないこと」です。
赤ちゃんを抱っこする際には、危険な体勢もあることを知っておきましょう。それは、足を伸ばしたまま固定する抱き方と、赤ちゃんの股に手を入れる横抱きです。赤ちゃんの足を伸ばしたまま固定してしまうと、股関節周辺の筋肉が緊張し、股関節が脱臼してしまうおそれがあります。
また、赤ちゃんの股に手を入れる横抱きも、片方の足が動かしにくくなってしまい、同じように股関節脱臼につながるおそれがあります。
股関節脱臼の原因は、関節の柔らかさや骨の形などいくつかの原因が重なっているといわれています。股関節の開きを良くし、安定させるために、横抱き、縦抱きいずれの場合も必ず、足が自由に動かせる状態を保ち、足の開きがM型になるようキープをしながら抱っこしましょう。
また、赤ちゃんの背骨の自然なC字カーブをイメージして抱っこしてあげてください。とはいえ、新生児期の赤ちゃんの体はママのお腹の中にいたころの姿勢を維持しているため、体を無理に矯正する必要はありません。
無理な姿勢で抱っこをしていると、赤ちゃんだけでなくママ・パパの身体にも負荷がかかり、腰痛や手首の腱鞘炎を引き起こすリスクが高くなります。赤ちゃんの体重はどんどん増えていくので、抱っこをするときママ・パパは背中を反らしたり、猫背になったりしないように注意をしてください。
ほかにも、抱っこをしているときに赤ちゃんが急に足を蹴ったり、背中を反らせたりすることがあります。体勢が崩れやすくなり危険ですので、慣れてきても油断せず、赤ちゃんから目を離さずに抱っこしましょう。
赤ちゃんが泣いて嫌がるときは空腹やおむつ汚れなど、抱っこの仕方以外の原因があるかもしれません。いったん落ち着いてベッドなどにおろしてから、赤ちゃんの様子をしっかり確認してください。
抱っこ紐を使うのも良い
赤ちゃんを抱っこするなら、抱っこ紐を活用するのもおすすめです。
最適な姿勢で赤ちゃんの体を支えることができ、ママ・パパの負担も楽になります。買い物やレジャーなど、赤ちゃんと一緒でも楽しくお出掛けできるでしょう。
抱っこ紐には大きく分けて「キャリータイプ」と「スリングタイプ」があり、横抱き・縦抱き・成長に合わせておんぶができる製品など、その種類は豊富です。おしゃれな抱っこ紐も増えているので、楽しみながら活用してください。
抱っこ紐を選ぶポイントですが、機能性を重視して、赤ちゃんと抱っこをするママ・パパに合ったものを選ぶことが一番です。それぞれ適応月齢が決まっているため、赤ちゃんの成長に合っているか十分に確認してから購入しましょう。
赤ちゃんの抱っこ紐を選ぶポイントについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ育児グッズ選びの参考にしてください。
抱き癖がつくのは良くない?
以前は、赤ちゃんが泣いてすぐ抱っこをすると抱き癖がつき、抱っこされていないと泣き止まなくなるといわれていました。しかし最近では、医学的な根拠はないため、そこまで心配する必要がないといわれています。
むしろ抱っこをすることで、赤ちゃんは信頼感や安心感を覚え、情緒を安定させる効果が期待できます。抱っこはスキンシップのひとつであり、成長ホルモンの分泌を促すともいわれています。これにより、赤ちゃんの発育過程において、脳神経が発達しやすくなる・消化吸収機能が活発に働く・眠気を誘うなどの効果が期待できるのです。
加えて、抱っこには、赤ちゃんの人格形成や自立心を促すことも期待されています。抱っこにより、自分には守ってくれる人がいるという安心感が得られることで、チャレンジ精神が生まれるようになり、さまざまな経験に挑戦しようという意欲につながるといわれています。
赤ちゃんが大人へ意思表示するには、泣く以外の手段がありません。どうしても手が離せないとき以外は、抱き癖を気にせずに、できるだけ抱っこをしてあげましょう。手が離せなければ、いつもと変わった点がないか様子をみながら、声をかけてあげると赤ちゃんは安心します。
赤ちゃんがハイハイを始めると、次第に抱っこの要求は減っていきます。赤ちゃんを抱っこしないと自立しないというわけではなく、抱っこが必要なタイミングで適切に抱っこをするのが大切です。
まとめ
正しい方法で抱っこをすれば、赤ちゃんはご機嫌になって育児が楽しくなるでしょう。お互いの目線が近くなり、親子のコミュニケーションもしやすくなります。今回紹介した便利な抱っこ紐なども活用して、赤ちゃんをたくさん抱っこしてあげてください。