【月齢別の発育値つき】気になる赤ちゃんの身長・体重などの成長曲線を紹介
赤ちゃんが健康で順調に成長しているのかは、成長曲線を見て判断することができます。ママ・パパは成長曲線を参考にして、赤ちゃんの健全な成長を見守りましょう。今回は赤ちゃんの成長曲線と、成長の目安となる月齢別の発育値について解説します。
目次
赤ちゃんの成長曲線とは
「赤ちゃんの成長曲線」とは、月齢と身長、体重をグラフで表した曲線グラフです。赤ちゃんの身長と体重から成長の様子を知るのに役立ちます。母子健康手帳にも「乳児身体発育曲線」が掲載されているため、確認をしておきましょう。
成長曲線はパーセンタイルであらわされたグラフであり、元となるデータは厚生労働省が10年ごとに全乳幼児を対象に行っている全国調査に由来しています。公的機関による調査結果が元なので、信頼性の高い指標であることが分かります※。
※現在、平成22年(2010年)度のものが最新データとなります。本来であれば、令和2年(2020年)に実施される予定であったものの、新型コロナウイルス感染症の拡大により、調査の実施が困難になったことから延期となりました。令和5年(2023年)9月に実施され、令和6年(2024年)10月に公表される予定です。
成長曲線に実測値を記入し、色分けされた範囲に入っていれば、赤ちゃんの成長はほぼ心配ないと判断して良いでしょう。一般的に、日本の乳幼児の94%はこの曲線の中に入るとされています。成長曲線は自宅でも見られるので、ママ・パパが気軽に赤ちゃんの成長を確認するのに役立ちます。
もしも赤ちゃんが成長曲線から外れてしまったとしても、不安に思う必要はありません。赤ちゃんの身長や体重の増え方は個人差が大きく、体の成長が早い子もいれば、ゆっくりの子もいるからです。成長曲線は、あくまでも客観的な視点で成長を図るための目安です。
「赤ちゃんが健康で順調に生育しているか」「ミルクを増やす必要があるか」など医学的な対処が必要かどうかは、医師が総合的にみてから判断します。そのため、気になる点がある場合は、定期健診の際に相談するか小児科を受診すると良いでしょう。
月齢&男女別・赤ちゃんの発育値
ここからは、1歳までの赤ちゃんの標準的な身長や体重の発育値を、男女ごと月齢に分けて解説します。
身長や体重の増加具合を確認する際は成長曲線が便利ですが、赤ちゃんの体型が標準的なのかを判断する場合は、数値をチェックするほうが簡単です。それぞれの数値の範囲内に収まっていれば、順調に発育していると考えて良いでしょう。
厚生労働省の資料、「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について」に記載されている発育値は、以下のとおりです。
【男の子】
月齢 |
身長(cm) |
体重(kg) |
生後1ヶ月 |
50.9~59.6 |
3.53~5.96 |
生後2ヶ月 |
54.5~63.2 |
4.41~7.18 |
生後3ヶ月 |
57.5~66.1 |
5.12~8.07 |
生後4ヶ月 |
59.9~68.5 |
5.67~8.72 |
生後5ヶ月 |
61.9~70.4 |
6.10~9.20 |
生後6ヶ月 |
63.6~72.1 |
6.44~9.57 |
生後7ヶ月 |
65.0~73.6 |
6.73~9.87 |
生後8ヶ月 |
66.3~75.0 |
6.96~10.14 |
生後9ヶ月 |
67.4~76.2 |
7.16~10.37 |
生後10ヶ月 |
68.4~77.4 |
7.34~10.59 |
生後11ヶ月 |
69.4~78.5 |
7.51~10.82 |
生後12ヶ月 |
70.3~79.6 |
7.68~11.04 |
【女の子】
月齢 |
身長(cm) |
体重(kg) |
生後1ヶ月 |
50.0~58.4 |
3.39~5.54 |
生後2ヶ月 |
53.3~61.7 |
4.19~6.67 |
生後3ヶ月 |
56.0~64.5 |
4.84~7.53 |
生後4ヶ月 |
58.2~66.8 |
5.35~8.18 |
生後5ヶ月 |
60.1~68.7 |
5.74~8.67 |
生後6ヶ月 |
61.7~70.4 |
6.06~9.05 |
生後7ヶ月 |
63.1~71.9 |
6.32~9.37 |
生後8ヶ月 |
64.4~73.2 |
6.53~9.63 |
生後9ヶ月 |
65.5~74.5 |
6.71~9.85 |
生後10ヶ月 |
66.5~75.6 |
6.86~10.06 |
生後11ヶ月 |
67.4~76.7 |
7.02~10.27 |
生後12ヶ月 |
68.3~77.8 |
7.16~10.48 |
出典:「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について」(厚生労働省)
ここまで男女別の発育値を紹介しましたが、赤ちゃんの成長は数字だけで判断はできません。次のような、月齢による身体機能の発達状況にも注目しましょう。
・首すわり…生後3~4ヶ月ごろ
・寝返り…生後4~6ヶ月ごろ
・一人座り…生後7~9ヶ月ごろ
・はいはい…生後7~10ヶ月ごろ
・つかまり立ち…生後8~11ヶ月ごろ
・一人歩き…生後12ヶ月(1歳)過ぎ
これら身体機能の発達に関しても個人差が大きいため、目安となる月齢にできないことがあっても焦る必要はありません。赤ちゃんの身体の発育とあわせて、健やかな成長を見守ってください。
1日で増える体重の目安
赤ちゃんの体重の増え方は一定ではありません。月齢によって1日あたりに増える体重の目安は異なります。
月齢別の赤ちゃんの1日あたりの体重増加量の目安は以下のとおりです。
月齢 |
1日あたりの体重増加量の目安 |
生後~3ヶ月まで |
25~30g程度 |
生後3ヶ月~6ヶ月まで |
15~20g程度 |
生後6ヶ月~12ヶ月まで |
10~15g程度
|
上記のように、月齢が上がるにつれて増え幅が少なくなるのが一般的です。その理由として、赤ちゃんが成長するにつれてハイハイするようになったり、1人で歩けるようになったりすることで、活動量が増えることが挙げられます。
とはいえ、赤ちゃんの体重の増え方にも個人差があるので、上記の目安量に満たない、もしくは目安量を超えているとしても問題はありません。
赤ちゃんの発育には、大きく3つのタイプがあります。
一般型
生後半年までは急激であるものの、その後の発育は緩やかなタイプです。一般的な発育タイプとなります。
立ち上がり型
一般型よりもさらに急速に序盤の発育が進むものの、その後の成長は横ばいとなるタイプです。
追いつき型
序盤は発育が緩やかに進むものの、途中から急激に成長が進んで一般型などに追いついていくタイプです。
このように、赤ちゃんの体重増加の仕方はタイプによって異なります。最初の半年はなかなか体重が増えないとしても、その後急激に体重が増えて、月齢の同じほかの赤ちゃんと変わらなくなることはよくあります。
ほかの赤ちゃんと成長の速度が違うように思えても、赤ちゃんが元気であれば特に心配は要らないでしょう。
赤ちゃんの身長と体重はどのようにして測れば良い?
赤ちゃんの身長と体重を測るには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは6つの方法を紹介します。ママ・パパが最も測りやすいと思う方法を選んでみてください。
赤ちゃんを仰向けに寝かせて直接測る
クッションなどの柔らかすぎる素材では、赤ちゃんの体が沈んでしまい、まっすぐ測れないため、ベビー布団に寝かせるのがおすすめです。
仰向けに寝かせたら、赤ちゃんの両足をまっすぐ揃えるようにして伸ばします。このとき、足を無理矢理引っ張ってしまうと股関節が脱臼してしまうおそれがあります。そのため、膝を伸ばす際には優しく伸ばしてあげましょう。
ある程度まっすぐになったら、頭から足までをメジャーで測ります。
壁を使って測る
まずは赤ちゃんの頭を壁につけ、仰向けに寝かせます。次に、膝を伸ばしたうえで、赤ちゃんの足の裏に板・本・ダンボールなどを当てます。このときも、ベビー布団に寝かせる方法と同様、足を無理に伸ばさないようにしましょう。板などを置いた場所にテープなどで目印をつけ、壁から目印までの長さをメジャーで測ります。
ベビースケールを使用して測る
ベビースケールは、赤ちゃん専用の体重計です。赤ちゃんの体重を1g単位まで測れる商品も多く、成長具合や1回あたりの母乳量などを細かくチェックできます。
ベビースケールを使う期間は、長くとも生後4ヶ月ぐらいまでです。期間が短いため、購入ではなくレンタルするご家庭も増えています。
通常の体重計で測る
大人と同じ体重計で測るには、まず大人が赤ちゃんを抱っこして体重計に乗り、重さを測ります。その後、大人だけが体重を測り、赤ちゃんも抱っこした時の重さから大人だけの重さを引くと、赤ちゃんの体重が測定できます。
乳幼児健診で測る
母子保健法によって、市町村に対して1歳6ヶ月児健診と3歳児健診が義務付けられています。この他にも、自治体によって3~4ヶ月健診、6~7ヶ月健診、9~10ヶ月健診などを実施している場合もあります。健診では、発育状態をチェックするために身長と体重を測ります。また、自治体が開いている子育てサロンなどでも測れる場合があります。
病院や保健センターなどの授乳室や児童館などで測る
病院や保健センターなどの授乳室・児童館などにも、身長計や体重計が設置されています。訪れたタイミングで測ってみましょう。
赤ちゃんの成長に関するQ&A
うちの子、体重が増えない!増えすぎ!これって大丈夫?
ここでは赤ちゃんの体重に関する悩みについて解説していきます。
●赤ちゃんの体重が増えない!考えられる原因とは
赤ちゃんの体重を定期的に測っているのに、なかなか体重が増えないという場合、大きく3つの原因が考えられます。
1. 栄養不足
母乳で育てている場合は、赤ちゃんが母乳を吸うのに慣れていないか、もしくは母乳の出が悪いために、赤ちゃんの吸いに対して量が足りていないことが、体重が増えない原因として考えられます。排尿が少なかったり、授乳後の機嫌が悪かったりするなどのサインがあれば要チェックです。
2. カロリー消費量が多い
よく動く赤ちゃんは、同量の母乳・ミルクを飲んでいるほかの赤ちゃんよりもカロリー消費は大きくなるでしょう。そのため、栄養は十分に足りているのに体重が増えないということがあります。活動的で、ミルクや母乳をよく飲み、うんちも毎日あるという元気な赤ちゃんであれば、大抵は体重が増えなくてもとくに問題はありません。
3. 病気の可能性
体重が増えないのが病気のせいということもあります。とくによく動くわけではないけれど、ミルクや母乳は十分に飲んでいる、うんちもちゃんと出ている、それなのに体重が増えないという場合は、病気のおそれがあるので小児科で診てもらうことをおすすめします。
●体重が増えない場合の対処法
母乳で育てている場合は、まずは母乳外来などで母乳量などをチェックしてもらいましょう。母乳の量が足りない場合は、その分をミルクで補うようにすると、赤ちゃんの栄養不足を補えます。赤ちゃんが母乳やミルクを定期的に飲むようにするため、3時間おきに授乳するなどリズムを決めるのもおすすめです。
母乳やミルクを飲むと、赤ちゃんが吐くこともあります。それでも赤ちゃんが元気で、体重が順調に増えているようであれば問題はありません。しかし、赤ちゃんが嘔吐を繰り返し、かつ体重の増加がみられないようであれば、病気の可能性があります。その場合は早めに小児科を受診しましょう。
●やや太り気味の場合の対処法~母乳やミルクの飲み過ぎを防ぐポイント~
体重が増えないことを心配する方がいる一方で、体重が増えすぎていることを心配しているママやパパもいるでしょう。体重増加が早いパターンも、ほとんどの場合は個人差の範囲内です。赤ちゃんの活動量が増え、消費カロリーが増えていくと、体重の増加が緩やかになることも多いので、長い目で様子を見守りましょう。
赤ちゃんがやや太り気味の場合は、授乳の回数を減らしたらいいのかな?と考えますよね。しかし、素人判断で発育中の赤ちゃんの授乳回数を減らすのはおすすめできません。基本的には、赤ちゃんが欲しがったときにあげて大丈夫ですが、成長曲線を超えて増加している場合は、かかりつけ医に相談してみましょう。
また、十分に母乳やミルクを飲んだのに、それでも赤ちゃんが欲しそうにする場合は、ただ口寂しいだけだと考えられます。その場合は、おしゃぶりなどをくわえさせて、飲みすぎを防止してください。
・どんな様子があったら要注意?
極端な体重の増加や減少がみられる場合は、何らかの病気によって起こっている可能性があるため、健診での相談や医療機関の受診をおすすめします。たとえば、次のような様子がある場合は要注意です。
・1日に何度も吐いてしまう
・泣き声が弱い
・便秘気味なのに、飲む量が少ない
・腹部がパンパンに膨らんでいる
・抱っこを嫌がる
心配な様子があれば、自分で判断せずに受診しましょう。
赤ちゃんの身長が伸びなくて心配…どうすればいい?
赤ちゃんの成長具合には個性があり、発育のパターンも1人ずつ異なります。早くから身長が伸び、その後は伸びが緩やかになる子もいれば、少しずつゆっくり伸びる子もいるため、過度に心配する必要はありません。
赤ちゃんの身長が標準偏差から大きく外れていなければ、問題がないケースがほとんどです。ただし、平均値との差が大きい場合や、身長の伸び具合が小さい場合は、ホルモン・染色体・骨などの病気が関係している場合もあります。気になる場合は、早めに小児科医へ相談するようにしましょう。