クレーン現象って?楽しくコミュニケーションを取る方法!
育児に奮闘しているママ・パパにとって、子どもの行動の一つ一つは気になるもの。わが子の行動を見て、「これはほかの子どもにも見られる行動なのか、それとも何かの病気のサインなのか」と、不安に思うこともあるのではないでしょうか。今回は、発達障害の子どもに見られることが多いといわれている「クレーン現象」について解説します。また、もしもわが子にクレーン現象が見られた場合、ママ・パパはどうすれば良いのかといった疑問にも答えますので、参考にしてみてください。
そもそもクレーン現象とは?
クレーン現象とは、子どもが何かしてほしいときに、保護者やほかの人の手を取って対象に指を差したり、手を近づけたりする行為です。発達障害(自閉症スペクトラム障害)の子どもに多く見られます。
とはいえ、クレーン現象が見られたからといって、必ずしも発達障害であるとは限りません。言葉や気持ちを相手にうまく伝えることができない、乳幼児期の子どもにも見られる行動だからです。
言葉を覚え始めたばかりの1~2歳の子どもは、自分の気持ちを伝えようとさまざまなコミュニケーションをとります。クレーン現象もそのひとつです。先述した乳幼児期の子どもに見られるクレーン現象の場合、大きくなるにつれて消失するため特に心配はする必要はありません。
クレーン現象が見られる子どもとの接し方
ママ・パパは、指差しや言葉で子どもと積極的なコミュニケーションを取りましょう。とくに絵本の読み聞かせは、子どもに言葉や指差しといった意思表示の方法を覚えさせるのに役立ちます。
ママ・パパ自らが、「これ、ニャンニャン」「これはワンワン」と指差しながら教えるのではなく、子どもの手を取って一緒に指差しをするのがおすすめです。そうすることで、子どもは指差しのやり方を学んでいけます。
また、指差しと一緒に単語の名前を言うことで、子どもが絵と言葉を結びつけるためのサポートができます。ママ・パパは猫の絵を一緒に指差しながら、「ニャンニャンいるね~」などと教えてあげることができるでしょう。子どもが指差しや言葉の意味を理解できるようになると、クレーン現象が減ることもあります。
また、遊びの幅を広げてあげることも大切です。すでに子どもが興味のあるものだけではなく、未体験であれば水遊びやボール遊びといった別の遊びにも挑戦させて、幅を広げてあげましょう。
遊びながら、大人の真似をするように促すのも効果的です。たとえば、「ブーブー」と言ったら「ブーブー」、「ワンワン」と言ったら「ワンワン」という風に、子どもが大人の後について音や言葉を発するように促しましょう。遊びながら行うことで、子どもも楽しく言葉を学べます。
見守ることも大切!どうしても心配な場合は相談を
クレーン現象は、言葉でうまく伝えることができない子どもが自分の意思を伝える手段のひとつなので、無理にやめさせる必要はありません。子どもがクレーン現象で意思を伝えてきたときは、できるだけ子どもの要求に応えてあげましょう。
それと同時に、ママ・パパは子どもが指差ししたり、言葉で意思を伝えたりすることができるような工夫をすることが大切です。たとえば、「これが欲しいの?」と指を差しつつ取ってあげる、渡すときに「はい、クマさんね」などと物の名前を発するなどを意識するとよいでしょう。
もしも、わが子と同じ年齢の子どもが上手に指差しや言葉で意思を伝えることができた場合、「うちの子は問題があるのでは?」と親はつい不安になるものです。しかし、先述したように乳幼児の成長は個人差があるので、クレーン現象が続くからといって神経質になる必要はありません。その子の成長に合わせて見守ってあげましょう。
どうしても心配な場合は、定期健診時に相談するか、乳幼児健診の際に相談してみることができます。乳幼児健診後であれば小児科に相談すると、適切な診断をしてもらえるでしょう。
まとめ
乳幼児期にクレーン現象が見られるのは珍しいことではありません。子どもにクレーン現象が見られるなら、指差しや言葉での意思表示をまだ理解できていない証拠なので、言葉や指差しのやり方を学べるように、ママ・パパは根気よく教えてあげましょう。
乳幼児の成長速度は一人一人異なります。子どもの成長速度が緩やかに思えるとしても、神経質にならず落ち着いて見守ってあげることが大切です。