子どもの野菜嫌いの原因は?調理の工夫と家庭での注意点を解説
子どもの食べ物の好き嫌いは、育児中にママ・パパがもつ悩みのひとつです。特に野菜が苦手な子どもは多くいますが、親としては栄養のことを考えて野菜も美味しく食べてほしいものです。今回は、子どもの野菜嫌いに悩むママ・パパ向けに、子どもの野菜嫌いの理由や克服のためのポイントを紹介します。
目次
子どもの野菜嫌いの原因
子どもの野菜嫌いには、いくつか原因が考えられます。どの原因が当てはまるか確認してみましょう。
野菜の味が苦手
子どもが野菜嫌いとなる原因のひとつは味です。
人は口内にある「味蕾(みらい)」という器官で、甘味・旨味・塩味・酸味・苦味といった味を感じます。
甘味は炭水化物などのエネルギー、旨味は肉や魚に含まれるタンパク質、塩味はミネラルというように生きていくうえで必要な味のため本能的に好まれます。一方、酸味は熟していないものや腐っているもの、苦味は毒の存在を知らせる味です。
大人は経験を積んでいるため、野菜に危険がないことも知っており、味にも慣れているため苦味や酸味があっても食べられます。しかし、子どもは食の経験が浅いため、酸味や苦味は本能的に危険だと判断してしまうのです。
野菜の見た目や匂いが苦手
見た目や匂いが野菜嫌いの原因になっているケースも少なくありません。
子どもは「初めてみるもの」「いつもと違うもの」に対して不安を抱く傾向があります。見た目が派手な野菜を嫌がる子も少なくありません。
また、子どもは初めてみる食材が食べられるかどうか、匂いで判断します。最初に嗅いだ匂いが苦手な野菜は本能的に危険と認識して、食べない場合があります。
野菜の食感が苦手
食感も野菜嫌いの原因のひとつです。
特に3歳までの子どもは咀嚼力が弱いため、硬い野菜や種が多い野菜、セロリなどの繊維質な野菜を嫌がることがあります。
嫌な食体験がある
食事で嫌な経験をしているケースも考えられます。
例えば、野菜を食べて吐いてしまった、無理やり食べさせられたといった経験があると、食材と嫌な記憶が結びついてしまいます。嫌な食体験によって、特定の食材が食べられなくなってしまう子どもも少なくありません。
子どもの野菜嫌いを克服する方法
苦手な野菜でも、ほんの少しの工夫で食べられるようになることもあります。子どもの野菜嫌いに悩んでいるママ・パパは、以下の方法をぜひ試してみましょう。
調理方法を工夫する
子どもの野菜嫌いの原因が苦味・酸味・匂い・食感であれば調理方法を工夫してみましょう。
野菜の苦味や酸味は火を通すとやわらぐため、揚げたり煮たりといった加熱調理がおすすめです。さらに子どもの好きなベーコンやハム、チーズなど旨味のある食材と一緒に調理をすることで、野菜独特のクセも減らせます。
子どもは野菜のアクによるえぐみの感じ方が大人よりも敏感なため、アク抜きを念入りに行いましょう。レンコンやナスなどアクの強い食材は、塩水にさらしたり下ゆでをしたりしてから調理すると食べやすくなります。
セロリなどの繊維が多い野菜は、繊維を断つように切ると咀嚼力の弱い子どもでも噛みやすいです。みじん切りやサイコロ状、ピーラーで薄くスライスしても良いでしょう。
野菜を短時間でやわらかく煮るには、圧力鍋が便利です。野菜をやわらかくすると、甘味も引き出されて食べやすくなります。
見た目を工夫する
また、見た目を工夫してみるのもおすすめです。見た目が変わるだけで、野菜をすんなり食べられる可能性があります。
野菜をおやつ感覚で食べられるようにスティック状にしたり、星やハートなどの可愛い形に切り抜いて飾り付けたりしてみましょう。
お手伝いができる年齢なら、型抜きを使って一緒に調理をするのもおすすめです。にんじんなどの硬い野菜は、薄く切るか茹でてから型抜きするとやりやすいです。
子どもの野菜嫌いに対処するポイント
子どもの野菜嫌いを克服する際は、以下のポイントにも気を付けましょう。
無理矢理食べさせようとしない
子どもの野菜嫌いに対処する際は、ママ・パパが焦らないことが大切です。野菜を残したからといって、怒ったり無理やり食べさせたりしないようにしましょう。
嫌がっているのに無理強いをしてしまうと、子どもにとって嫌な食体験になってしまいます。野菜に対して嫌な思い出があると、苦手を克服することも難しくなってしまいます。
食への経験が少ない子どものうちは苦手な野菜でも、大人になればおいしく食べられるようになるケースもあります。
ママ・パパは焦らずに「そのうち食べられるようになる」と気楽に構えて、少しずつ野菜嫌いを克服していけるようにサポートしてあげましょう。
野菜を一口でも食べられたら褒めてあげることも重要です。褒めてもらえることで、よい食体験につながります。
積極的に野菜を献立に取り入れる
嫌いな野菜を無理に食べさせるべきではありませんが、できるだけ食卓には出すようにしましょう。
普段は食べなくても食卓に出していれば、気持ちが向いて食べてくれることもあります。苦手だからと諦めずに、食卓には定期的に出して野菜に慣らしていくことも大切です。
家族でおいしく食卓を囲む
ママ・パパが野菜を美味しく食べている様子をみせていると、子どももつられて食べてくれる可能性があります。家族で楽しく食事を楽しみましょう。
屋外でバーベキューをするなど、食事の環境を変えてみるのも良い方法です。仲の良いお友達と一緒に楽しむと、普段は食べない野菜も食べてくれることがあります。
野菜の栽培や調理に誘う
また、子どもと一緒に野菜を育てたり調理をしてみたりするのもおすすめです。トマトやキュウリなど家庭でも育てやすい野菜を、苗から育ててみてください。料理も子どもに参加してもらいましょう。
自分で育てたり調理したりしたものなら興味もわきやすいため、苦手な野菜でも食べてくれることがあります。
まとめ
子どもの野菜嫌いには本能的な面や過去の食体験など、さまざまな理由があります。ただし、小さいうちは苦手でも、成長すれば食べられる野菜も増えていきます。
野菜嫌いの克服に大切なことは、ママ・パパが焦らないことです。焦って無理やり食べさせてしまうよりも、気楽に構えて楽しく食事ができるほうが野菜嫌いも克服しやすくなります。
子どものペースに合わせて、野菜嫌いと向き合っていきましょう。