保育園と幼稚園、どっちを選ぶ?両者の違いを解説
保育園と幼稚園はどちらも子どもを預ける施設ですが、具体的に何が違うのかわかりにくいですよね。子どもの入園時期が近づく前に、特徴を知っておきたいという方も多いのではないでしょうか。今回は、保育園と幼稚園がどんな施設なのかをそれぞれ解説し、違いについて紹介します。「かかる料金に違いはあるの?」「どんな保育内容なの?」と悩んでいる方は、参考にしてみてくださいね。
保育園とは
保育園は、就労や病気などの理由によって、家庭での保育が難しい子どもを預かる児童福祉施設です。さらに、市町村や都道府県が運営する施設は『公立保育園』、社会福祉法人や学校法人などが運営する施設は『私立保育園』と分類されます。そのほかの特徴は次のとおりです。
・管轄:厚生労働省
・位置付け:児童福祉施設
・基本となる法律:児童福祉法
・対象:0歳から小学校就学前の幼児
・1日の保育時間:基準は8時間(延長保育や短時間の利用もできる)
・年間の保育日数:特に規定なし
・職員の資格:保育士資格保有者
・職員の配置人数:
(0歳児) 保育士1人につき、子ども3人
(1~2歳児) 保育士1人につき、子ども6人
(3歳児) 保育士1人につき、子ども20人
(4~5歳児) 保育士1人につき、子ども30人
なお、保育園には法律で定めた施設の面積、設置している設備の基準を満たしている『認可保育園』と、満たしていない『認可外保育園』にも分けられます。認可外保育園には自治体の定期的な立ち入り調査が行われており、深夜保育や休日保育など、独自の運営を行っているのが特徴です。
幼稚園とは
幼稚園は、幼児の心身発達を促すための教育施設です。幼稚園も市町村が運営する『公立幼稚園』と、主に学校法人が運営している『私立幼稚園』に分けられます。そのほかの特徴は次のとおりです。
・管轄:文部科学省
・位置付け:学校教育施設
・基本となる法律:学校教育法
・対象:3歳から小学校就学前の幼児
・1日の保育時間:基準は4時間
・年間の保育日数:39週以上
・職員の資格:幼稚園教諭免許取得者
・職員の配置人数:1クラスは子ども35人以下
幼稚園の入園対象は3歳からのため、それまでは保育園に通うこともあります。幼稚園の預かり時間は4時間を基準としていますが、共働き家庭が増えている現在、長時間保育のニーズに合わせて預かり保育をしている幼稚園も多くなってきています。
また、幼稚園は比較的学習に関する保育内容が多く、英語や運動、音楽など、力を入れている活動に園の特色や方針が表れているのが大きな特徴です。
保育園と幼稚園の違い
管轄する省庁や定められている法律が異なる保育園と幼稚園ですが、実際に通う場合に、どのような違いがあるのでしょうか。
保育内容
もっとも大きな違いは、預ける目的と保育内容です。幼稚園は教育を受けさせる目的で預けますが、保育園は親の事情で保育ができない時間に代わりに保育をしてもらう目的で預ける施設です。
幼稚園では学習を重視したカリキュラムを、保育園では基本的な生活習慣の指導や、コミュニケーションを育む取り組みを行っています。とはいえ近年では、保育園でも読み書きや英語といった教育面でのカリキュラムを組むケースが増えています。
かかる費用
また、保育園と幼稚園では、かかる費用が異なります。保育園は世帯年収が高いと保育料も高くなりますが、幼稚園は世帯年収とは関係なく一律です。ただし、3歳以上の保育料に関しては『幼児教育・保育の無償化』の制度によって料金が発生しません。幼稚園は無償化の上限が月額25,700円に設定されているため、上回る場合に差額分を支払います。
<保育料の比較>
|
認可保育園 |
認可外保育園 |
幼稚園 |
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0~2歳 |
住民税非課税世帯のみ無償
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住民税非課税世帯は42,000円を上回る場合に差額分を支払う |
入園の対象外 |
3~5歳 |
無償 |
37,000円を上回る場合に差額分を支払う |
25,700円を上回る場合に差額分を支払う |
ただし、保育園や幼稚園でかかる出費は保育料だけではありません。バスなどの送迎費や食材費、行事費などは保護者負担として別途かかります。幼稚園では、入園金や制服、体操服、通園バッグなど、保育園ではかからない指定用品の購入があるため、比較的費用も高くなることを把握しておきましょう。
入園方法
入園方法も認可保育園、認可外保育園、幼稚園で異なります。
認可保育園 |
認可外保育園 |
幼稚園 |
---|---|---|
自治体に申し込む |
園に直接申し込む |
園に直接申し込む |
認可保育園は自治体に申し込み、希望者が園の定員数を上回る場合は選考となります。就労状態や家庭状況が自治体ごとに定められた基準で点数化され、保育の必要性が高い家庭ほど入園しやすい仕組みになっています。
認可外保育園は園に直接申し込み、希望者が多い場合は認可保育園と同じく選考を行います。選考の基準は園ごとに決められているため、認可保育園では入園が難しい家庭でも、認可外保育園では入園できるケースもあるようです。
幼稚園は、園に直接訪れて願書を提出するのが一般的です。試験や面接、願書の提出順、抽選など、園によって選考方法はさまざまなので、事前にリサーチしておきましょう。
まとめ
保育園と幼稚園にはそれぞれの役割があり、保育内容や費用など異なる点があります。種類ごとの特徴をしっかり把握し、自分の家庭環境や子どもの様子にあった施設を選ぶことが大切です。子どもにとって初めての集団生活となる場なので、じっくり考えて選びましょう。