いつまでが新生児?新生児期の特徴や育児のポイント
出産間近になり、赤ちゃんに会える日が近づくとワクワクしますよね。一方で、初めての育児に不安を感じているママ・パパも多いと思います。今回は、そんなママ・パパに、新生児期の赤ちゃんの特徴、育児のポイントや困った時の対処法などをご紹介します。
目次
新生児の期間
「新生児」は、生まれた日を0日とし、生後28日未満の赤ちゃんのことを指します。つまり新生児期は、おおよそ生後1ヶ月までです。
新生児の期間の赤ちゃんは全身の発達が未熟なため、全面的にお世話・育児が必要となります。
新生児にみられる特徴
新生児のお世話をしていると、睡眠や授乳、排泄などについてさまざまな疑問が出てくるでしょう。ここでは、新生児の時期にみられる特徴をご紹介します。
新生児はどのくらい寝る?
新生児期の睡眠時間は長く、1日16時間以上寝るとされています。1日のほとんどを寝て過ごすといっても過言ではありません。
ただし、昼と夜の区別がついていないため、長時間連続して寝ることは少なく、睡眠と覚醒を繰り返します。赤ちゃんによっては1~2時間程度で目を覚ますこともあり、個人差が大きいとされる要素です。
新生児の授乳回数は?
新生児の赤ちゃんは授乳が頻回で、1日に10回程度行うことも珍しくありません。2~4時間ごとに授乳するのが一般的ですが、なかには1時間ごとの頻回授乳になる赤ちゃんもいます。
こまめに授乳する理由は、新生児の胃の大きさはピンポン球くらい小さく、1回に飲める量が限られるからです。
頻繁に赤ちゃんが泣くと「母乳不足では?」と心配になるママ・パパも多いと思いますが、泣いている理由は母乳不足以外にもあるかもしれません。赤ちゃんの体重増加の推移や体調をみながら判断する必要があるため、心配な方は医師や助産師に相談してみましょう。
新生児の排泄回数は?
新生児期は1日に10~15回程度おしっこをします。1回に出るおしっこの量は多くありませんが、かぶれなどの肌トラブルを避けるためにもその都度おむつを替えてあげることをおすすめします。
色は透明や濃い黄色などが多いですが、たまに「レンガ尿」と呼ばれる赤茶色のおしっこが出ることもあります。これは尿に含まれる尿酸塩が原因なので、様子をみて問題ないといわれています。
一方、新生児期のうんちの回数は、1日に10~20回程度です。うんちに関しては、出産から3~5日程度は「胎便」と呼ばれる黒褐色や緑色のうんちが出ます。その後は普通の便に変わっていき、母乳ではやや柔らかめの便に、ミルクではやや硬めの便になることがほとんどです。
五感の発達は?
生まれて間もない新生児期でも一定の五感は備わっており、成長するにつれて徐々に研ぎ澄まされていきます。
視覚
新生児期の視力は0.02~0.05程度で、顔から30cm以内のものが見える状態とされています。あやすときや何かを見せてあげたいときは、顔の近くで見えるように工夫してあげるのがおすすめです。
聴覚
赤ちゃんの耳は妊娠26週程度から聞こえ始めているとされています。お腹にいるうちから話しかけていたママやパパの声も分かっているそうですよ。
話しかけるときは少し高めの声を心がけ、ゆっくりと話しかけてあげましょう。大きな音はびっくりしてしまうので注意してあげてください。
触覚
基本的な皮膚感覚はすでに備わっており、寒い・暑いといった寒暖差や、痛い・かゆいといった不快な感覚も認識できます。
嗅覚
新生児の嗅覚は敏感で、ママや母乳の匂いは嗅ぎ分けられるほど成長しています。良い匂いと嫌いな匂いは経験を通じて学習していくので、さまざまなものに触れさせてあげましょう。
味覚
新生児期は味覚の発達は未熟ですが、甘みと苦みには反応するとされています。味覚に関しては、生後5~6ヶ月の頃から始める離乳食でさまざまな味に触れさせてあげることが大切です。
乳児・幼児とのちがい
新生児期がすぎると乳児期、幼児期がやってきます。「乳幼児」としてまとめられることも多い時期ですが、実際に乳児期と幼児期では何が違うのでしょうか。
乳児
新生児期が過ぎ、満1歳になるまでの期間を乳児といいます。体や心の発育が目ざましく、運動面・精神面ともにどんどん成長していく時期です。
運動面では寝返りやハイハイ、つかまり立ちとできることが増えていきます。ママ・パパとしては嬉しい反面、目を離せなくなる時期になるでしょう。
精神面では感情が芽生えます。今までは不快だとただ泣いて訴えていたのが、あやしてもらうと泣き止んで笑うようになったり、逆に寂しさや不安を感じて泣いたりと、感情豊かになる時期です。
家族への愛着や信頼感、安心感を覚え始める時期でもあるため、赤ちゃんと過ごす時間を大切に過ごしましょう。
幼児
満1歳から7歳未満の期間を幼児といいます。さまざまな経験を通して自立していき、色々なことができるようになります。自我が芽生え始めるのも幼児期の特徴です。
自我の芽生えから自己主張も強くなり、2歳頃にはイヤイヤ期と呼ばれる感情の起伏が激しい時期もあります。言葉でうまく伝えられない分、噛みついたり手が出たりとママ・パパが戸惑う行動をすることもありますが、話せる言葉が増えていくにしたがって徐々に落ち着いてくることがほとんどです。
3歳近くになると社会性も芽生え、友達と遊ぶことも覚えていきます。保育園や幼稚園に通い始める子も増え、社会のなかで生きていくことを学び始める時期です。
新生児期のお世話のポイント
新生児期の育児は、昼夜関係なく、数時間おきの授乳やおむつ替えが必要になるため、ママ・パパはどうしても睡眠不足になりがちです。
また、身体の疲れだけでなく、慣れない育児で精神的にも余裕がなくなってしまうこともあるでしょう。ここでは、そんな新生児期の育児を乗り越えるコツや困ったときの対処方法をご紹介します。
周りも頼る
初めての育児では、ママ・パパ自身もわからないことや戸惑うことが多く、赤ちゃんのちょっとした変化で心配になることもあるでしょう。そんなときは、二人だけで悩まず、周りの育児経験のある人やかかりつけ医に相談することをおすすめします。
産院の助産師が電話相談や外来でフォローしてくれたり、地域の保健師が家庭訪問してくれたりするサービスもあります。産後ケア施設や自治体のサポートサービスも上手に活用しましょう。
産後の産褥期は身体を休めて無理をしない
妊娠・出産を終えたママの身体は、大きなダメージを受けています。特に産後1ヶ月は、今後も元気に育児をしていくためにもとても大切な期間で、「十分な休息」と「身体に向き合う時間」が必要です。
赤ちゃんが眠っている間はママも眠れるよう、パパや家族に甘えることも大切です。ただし、パパも慣れない育児で疲労が溜まっているので、交代で休んだり、他の家族に頼ったりするなどして、誰かに負担が偏らないようにしましょう。
また、産院では2週間検診で産後うつの兆候がないかスクリーニング検査を行うところもあるように、産後2~3週頃は、心身ともに疲労がピークとなり、産後うつになりやすい時期です。
育児に関して不安や心配ごと、困っていることがあれば、助産師に相談しましょう。それだけでも心が軽くなり、育児を楽しめるようになります。
上手に息抜きする
新生児期は自分のことを犠牲にしてでも赤ちゃんのお世話に一生懸命になってしまうため、気付かないうちにストレスや疲れを溜めてしまいます。
子育てはこの先何年も続くので、適度に小さな気分転換をしながら育児を楽しむ習慣を身につけることが大事です。上手に息抜きできるようになると、ママ・パパの気持ちにもゆとりが生まれ、赤ちゃんにも優しく穏やかな気持ちで接することができます。
ママ・パパが心身ともに元気でいることが赤ちゃんにとって一番大切です。すきま時間に自分の身体を労わったり、好きなスイーツを楽しんだり、好きな音楽を聴いたりしてみましょう。
赤ちゃんが泣くのは成長の証ととらえる
産後2~3週間頃、赤ちゃんは身体と心の成長・発達時期に入り、いつも以上にミルクや母乳を欲しがって、たくさん泣いたりします。また、心の発達により、赤ちゃん自身に戸惑いや恐怖が生じ、泣いてしまうこともあります。
母乳が足りていないのかな?と心配になったり、どうして泣いているかがわからず、途方に暮れたりすることもあるでしょう。
赤ちゃんが安心できるのは、ママ・パパのスキンシップや声、抱っこです。何をしても泣き止まないときは、「赤ちゃんも成長している証なのね」「一緒に頑張ろうね」と前向きな気持ちで接しましょう。
ママ・パパの心の余裕が赤ちゃんの心の安定にもつながります。
小さな達成感を味わえるように工夫する
新生児期の育児は、どうしても赤ちゃん中心の生活になりがちです。掃除や料理の途中で赤ちゃんが泣いてしまい、作業を中断してしまうと家事が思うように進まず、ストレスが溜まってしまうことがあるでしょう。
どうしても最後までできないことは発生するので、目標を小さく設定することが大事です。
例えば、「料理を完了させる」という目標ではなく「赤ちゃんがお昼寝している間に野菜を切っておく」など目標を小さく設定してみると達成感を味わえて、ストレスを感じにくくなります。
まとめ
初めて育児をする際、慣れないことばかりでストレスや疲労が溜まってしまい、余裕がなくなることもあるでしょう。赤ちゃんが生後1週間なら、ママ・パパも育児を初めてわずか1週間しか経っていないため、わからないことや不安があるのは当然のことです。
不安や疑問をママ・パパだけで抱え込まないで、家族や地域のサポートなど周りを頼ることも大事です。ママ・パパも赤ちゃんと一緒に泣いたり笑ったりして成長していきます。つらいこともあるかもしれませんが、赤ちゃんの成長を楽しみに、1日1日を大切に過ごしましょう。