一人っ子は大変?性格と特徴、子育てのポイントを解説
子どもの性格は、育つ環境によって影響を受けやすいといわれています。「お兄ちゃん、お姉ちゃんはしっかり者で面倒見が良い」「末っ子は甘えん坊になりやすい」など、生まれ順で特定のイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
一人っ子はどうでしょうか?マイペース、穏やかなどのイメージがある一方で、わがまま、打たれ弱いなどネガティブなイメージを持たれることがあり、子育てに不安を抱える一人っ子のママ・パパもいるのではないでしょうか。そこで今回は一人っ子の性格や特徴、子育てのヒントを解説します。
約5人に1人は一人っ子
子どもの数は年々減り続けており、約5人に1人は一人っ子であるといわれています。
2021年6月に国立社会保障・人口問題研究所が実施した「出生動向基本調査」によると、「子ども一人の夫婦」の割合は19.7%であり、全体の約2割とされています。一方、2002年の同調査では一人っ子の割合は8.9%でした。
この結果から、約20年間で一人っ子の割合が2倍以上に増えていることがわかります。その背景には晩婚化や高齢出産、女性の社会進出などが影響していると考えられます。
出典:
国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」
国立社会保障・人口問題研究所「第12回出生動向基本調査」
一人っ子の性格の特徴
一人っ子は兄弟がいないため、周りに合わせる必要がなく、マイペースな性格になりやすいといわれています。両親の愛情を独り占めできるので、親の注目を集めようと努力せずに済みます。
また、兄弟喧嘩をすることがないため、穏やかでやさしい子どもに育ちやすいのも特徴です。おもちゃで遊びたいときやお菓子を食べたいときでも、ひとつのものを取り合う必要がないからです。
兄弟からちょっかいを出されることもなく、大人に囲まれて落ち着いた環境で過ごす機会が多いため、自然と集中力が養われる傾向にもあります。普段から両親や祖父母などと過ごす時間が長くなるので、大人との付き合い方もうまい子どもが多いようです。
遊び相手がいない環境では、一人遊びせざるを得ない場面が多々あります。自ら考えて遊びを作り出すようになり、想像力が豊かな子どもに育ちやすいでしょう。親が子どもにさまざまな体験や経験をさせてあげることも、子どもの感性を伸ばすきっかけになります。
ただし、一人っ子は家庭内で兄弟喧嘩をせずに育つため、打たれ弱くなる可能性があります。基本的には勝ち負けのない世界で過ごしているので、競争する場面で挫折を経験したとき、落ち込みやすくなるかもしれません。
また、ほかの子どもたちと協力して何かをつくる経験が少なく、協調性が低くなる傾向があります。育て方によってはわがままになることもあるため注意が必要です。
一人っ子の子育てが少しでも楽になるポイント
子育ての大変さは人それぞれであり、子どもの人数と比例するわけではありません。一人っ子の子育てにお悩みの方は、下記のポイントをぜひ参考にしてみてください。
・甘やかし過ぎない
・子どもとの距離感を大切にする
・ストレスになることはうまく受け流す
一人っ子だからといって甘やかし過ぎると、ワガママに育つ可能性があります。甘やかすのではなく、甘えさせてあげると良いでしょう。
「甘やかす」は子どもの物理的・金銭的な要求を満たすことで、お菓子やおもちゃを買い求められた際にすぐに買ってあげたり、できないことを手伝ったりする行為などを指します。このような対応を続けていると、子どもの自立心が育たなくなる場合があります。
一方、「甘えさせる」は子どもの精神的な要求を満たすことです。例えば、子どもから「抱っこして」「寂しい」と言われた際に快く受け入れたり、スキンシップしたりすることなどがあげられます。そうすることで子どもの心が満たされ、自己肯定感が高まりやすくなるのです。
また、子どもは失敗から学びながら成長します。失敗しないように代わりにやってあげるよりも、程よい距離でサポートしてあげましょう。過保護にならないように注意しながら、良いことと悪いことの区別ができるよう伝えてあげることも大切です。
そのほか、子どもの興味に合わせて習い事を始めてみるのもおすすめです。同年代の子どもが多い環境にいると、周りの子どもへの気遣いができるようになるでしょう。
一人っ子を育てていると、周囲から「兄弟がいなくてかわいそう」などと言われる場面もあるかもしれません。プレッシャーを感じてストレスになるのであればその場から離れたり、話題を変えたりするなど、上手に受け流すようにしましょう。
まとめ
日本国内の一人っ子の割合は年々増加傾向にあります。一人っ子には、マイペースで穏やか、集中力が高く、想像力が豊かなどの特徴があります。反面、打たれ弱く、協調性が養われにくいともいわれています。ママ・パパは過保護になり過ぎず、適度な距離感でサポートしながら子どもの成長を見守りましょう。同年代の子どもがいる環境に入れてみるのもおすすめです。