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赤ちゃんのうつぶせ寝は大丈夫?リスクやうつぶせ寝の予防策5つを解説

ニュースでもたびたび見かける、赤ちゃんのうつぶせ寝による悲しい事故。
でも、なぜうつぶせ寝が危険なのかきちんとご存知でしょうか?

今回は、赤ちゃんのうつぶせ寝が危険な理由や、事故防止の工夫についてご紹介します。

赤ちゃんのうつぶせ寝のリスク①窒息の恐れがある

まず、赤ちゃんのうつぶせ寝には、窒息のリスクを高めるおそれがあります。赤ちゃんの顔が敷布団や枕・掛け布団・クッションなどに埋まってしまうことが、窒息の原因として考えられています。

特に寝返りを打てない赤ちゃんは、呼吸ができず苦しさを感じても自分ではどうすることもできません。そのため、寝返りを自分で打てるようになるまでは、うつぶせ寝はさせるべきでないといえます。

生後5ヶ月頃を過ぎたあたりから、赤ちゃんは自分で寝返りを打つことが増えてきます。寝返りを打ったときに、自力でうつぶせから仰向けに戻れるのであれば、窒息のリスクは減ってきます。しかし、仰向けに戻ることが難しい月齢では、ママ・パパが気づいたらすぐ仰向けに戻してあげるなど、しっかり注意することが大切です。

赤ちゃんのうつぶせ寝のリスク②乳幼児突然死症候群のリスクを高める恐れがある

実は一昔前までは、赤ちゃんはうつぶせ寝にするのがいいとさえ言われていました。これは、「うつぶせの方がよく眠れる」「うつぶせに寝たほうが頭の形がよくなる」という考えがあったからです。しかし、1980年代後半になってから赤ちゃんのうつぶせ寝と乳幼児突然死症候群との関連性が指摘されるようになりました。

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、それまで元気に育っており既往歴や予兆がない赤ちゃんが、何の前触れもなく睡眠中に突然亡くなってしまう病気です。発症する月齢は生後2ヶ月~5ヶ月の間が最も多く、窒息などの事故とは関係ありません。

厚生労働省のデータによると、令和3年に乳幼児突然死症候群によって亡くなった乳幼児は、81人にのぼります。1歳未満の乳児期における死亡原因の第3位であり、決して低い数字ではありません。
出典:「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」(厚生労働省)

乳幼児突然死症候群のはっきりした原因は、いまだに分かっていません。うつぶせ寝・仰向け寝のどちらでも発症する可能性はありますが、うつぶせ寝をしているときに発症率が高まることが、さまざまな研究によって判明しています。

乳幼児突然死症候群のリスクを軽減するには、仰向けで寝かせるほか、妊娠中の喫煙、妊婦や赤ちゃんの近くでの喫煙をしないことも大切です。

【厚生労働省も推奨】生後1歳まではうつぶせ寝をさせないようにしましょう

いつごろまでうつぶせ寝はさせないようにしたほうが良いのでしょうか。

乳幼児突然死症候群で亡くなる赤ちゃんの多くは、うつぶせ寝の状態で発見されています。乳幼児突然死症候群は、1歳以上で発症することもまれにありますが、1歳未満で発症するケースがほとんどです。特に、自分で寝返りが打てない月齢の赤ちゃんにおいて、乳幼児突然死症候群のリスクが高まります。

発症防止の観点からいえば、1歳になるまではうつぶせで寝かせるのはよいとはいえません。厚生労働省も、医学上の理由がある場合を除いて、1歳になるまでは仰向けで寝かせることを推奨しています。 

なぜ赤ちゃんはうつぶせ寝をするの?うつぶせ寝自体は悪いものなの?

赤ちゃんによっては、うつぶせ寝のほうがよく眠れる場合もあります。ママのお腹にいた頃の体勢に似ているからといわれています。

そのほかにも、うつぶせ寝にするとミルクが消化されやすくなる、吐き戻しが軽減される、主に横隔膜の動きで呼吸をする赤ちゃんにとって、消化の促進により横隔膜への胃や腸などへの圧迫がなくなり呼吸がしやすくなる、頭が圧迫されなくなり頭の形が良くなるといったメリットもあります。

1歳までは仰向け寝が推奨されていますが、1歳を過ぎたら好きな姿勢で眠らせてあげてかまいません。ただし寝かせる際は仰向けにしてあげましょう。

赤ちゃんの命を守るためにできる5つの工夫

赤ちゃんが自分で寝返りを打てるようになると、睡眠中に自分でうつぶせになっていることがあります。窒息や乳幼児突然死症候群を防ぐために以下の点に注意しましょう。

①ベッドは硬めに、掛け布団は軽めに

弾力性があるやわらかい敷き布団やマットレスに顔をうずめてしまうと、窒息のリスクがあります。敷き布団やマットレス・枕類は、硬めのものを用意しましょう。また、掛け布団は赤ちゃんが自分で払いのけられるよう軽いものにしてください。

②赤ちゃんのまわりにクッションやぬいぐるみなどを置かない

顔をうずめる恐れのあるクッションやぬいぐるみ・タオルなどを、赤ちゃんのベッドに置くのは避けましょう。

寝返りをうったときに鼻や口が塞がれてしまい、窒息の原因になる恐れがあります。赤ちゃんのお気に入りで「これがないと寝てくれない」という場合には、眠りについた後にそっとベッドから離しておきましょう。

③寝るときに厚着をさせない

厚着のまま寝かせると、思うように寝返りが打てなくなることがあります。万が一睡眠中に赤ちゃんがうつぶせになり息苦しさを感じたときでも、身軽に動けるよう、寝るときはなるべく薄着のほうがいいでしょう。

特に厚着をさせがちな冬場は注意が必要です。防寒着を着たまま寝かせるのはやめましょう。なお、厚着をさせないことで、窒息のリスクを回避できるだけでなく、汗による寝冷えや脱水症状などの予防にもつながります。

④ベビーベッドに寝かせる

赤ちゃんの寝かしつけをしたときに、ママ・パパが寝落ちしてしまうケースはよくあることです。このとき、意図せず赤ちゃんの上に覆いかぶさってしまい、赤ちゃんが窒息してしまうリスクがあります。

赤ちゃんを寝かせる際は、ベビーベッドを使うようにしましょう。ベビーベッドを選ぶときには、「PSCマーク」が貼り付けされたものを選ぶと安心です。PSCマークとは、国の安全基準に合格した製品であることを証明するものです。

赤ちゃんの転落防止のために、柵は必ず上げておきましょう。そのうえで、赤ちゃんが柵と敷布団・マットレスの間に挟まれないよう、隙間をなくしておくことも大切です。

⑤グッズを活用する

赤ちゃんの様子に変化が起きたときに、音やランプなどで知らせるグッズを活用するのもひとつの方法です。深夜などママ・パパが寝ている時間帯であっても、異変に気づき対処しやすくなります

使っているママ・パパが多いグッズは「無呼吸アラーム」です。赤ちゃんの動きが一定時間感知できないときに、アラームを鳴らして知らせる仕組みです。赤ちゃんの体にセンサーを取り付けるタイプと、布団の下に敷いて使うタイプの2種類があります。

ただし、無呼吸アラームは赤ちゃんの動きを感知することが目的のグッズであるため、事故を未然に防ぐグッズではありません。もしもの事態を防ぐには、赤ちゃんを決して一人にしないことが大切です。

まとめ

赤ちゃんのうつぶせ寝は、窒息や乳幼児突然死症候群の原因となる場合があります。赤ちゃんを守るために、ママ・パパをはじめとした周囲の大人がしっかりと赤ちゃんを見守り、目を離さないようしっかりと対策を行っていきましょう。

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