子どもの車酔いの原因は?具合が悪くなったときの対処方法と予防策も紹介
小さな子どもは大人よりも車に酔いやすいため、お出かけ中に子どもが車酔いすることも十分考えられます。今回は、子どもの車酔いの原因や具合が悪くなったときの対処方法をご紹介します。あわせて、車酔いを防ぐポイントも解説しているので、お出かけの参考にしてください。
子どもの車酔いの原因
車酔いは、脳の混乱による自律神経の乱れによって生じる反応です。車、バス、電車、船といった揺れる乗り物に乗ったときに起きやすく、気分が悪くなり、嘔吐してしまうこともあります。
脳の混乱は、耳の奥にある「三半規管」と呼ばれる部位からの情報と、視覚情報に食い違いが生じることが原因であるとされています。三半規管は揺れを感じ取り、前庭小脳でバランスを取っています。ところが、乗り物に乗ると体は揺れても、目線は揺れません。これによって脳は混乱し、自律神経がうまく働けなくなってしまいます。この症状が、車酔いです。
車酔いのしやすさは、脳の前庭小脳の発達段階によっても左右されます。一般的に、前庭小脳が十分に発達した大人や発達前の3歳未満の幼児は車酔いしにくく、脳が発達しはじめる4~12歳くらいの子どもが酔いやすいといわれています。
車酔いは個人差が大きく、大人になると経験が増えて酔いにくくなるので、神経質に考える必要はありません。ストレスや匂いによる刺激、体調の不調でも具合が悪くなるので、環境を整えて車酔いに備えましょう。
子どもが車酔いしたときの対処方法
ドライブ中にあくびや生唾が多く出て、子どもが吐き気を訴えてきたら、車酔いの兆候です。症状が重くなる前に、早めの対処を心掛けましょう。
子どもが車酔いをしたら、車から降りて休憩するのが大切です。高速道路を走っていて車を止められないときは、窓を開けて車内の空気を入れ換えてあげると、気分がやわらぐことがあります。また、頭をヘッドレストに固定し、進行方向を見るとバランス感覚の乱れがおきにくくなるので、試してみてください。
体を締めつけるベルトや襟などは緩めて、リラックスさせることも大事です。車から降りて横になれる場所があれば、寝転んで休むと回復が早まります。気分が悪いときは、思い切って吐くのもひとつの手です。
車酔いしてからでも効果のある市販薬もあるので、子どもが車酔いをしやすい場合は常備しておきましょう。
子どもの車酔いを防ぐポイント
子どもが車酔いをしやすい場合は無理をせず、市販の酔い止め薬を活用しましょう。車に乗る30分くらい前に飲んでおくのがおすすめです。適用年齢を確認し、メーカーの指示を必ず守って服用してください。
お出かけする前日はしっかり睡眠を取るなど、体調を整えておくのも有効です。満腹でも空腹でも具合が悪くなりやすいので、車に乗る直前は食べすぎないようにし、車内でお腹がすいたときはおにぎりやお菓子などを準備して、こまめに食べておくようにしましょう。
車の環境も大切です。においの刺激も酔いやすさにつながるので、窓を開けて換気しておくなど、事前に対策しておくと良いでしょう。また、「車に酔う」という気持ちに意識が向かないよう、車内では音楽やおしゃべりで楽しく過ごすことも、車酔いの対策になります。
車に苦手意識を持たせないことも大切です。揺れにくい大型バスから乗車経験をはじめて乗り物に慣らす、短距離ドライブからはじめるなど、成功体験を増やしてあげましょう。バスで座席を選ぶ場合は、揺れにくい前列を選んで座るのがおすすめです。
三半規管は鍛えることができ、それによって車酔いに強くなります。体を動かす遊びで日頃からバランス感覚を養うと、三半規管が鍛えられます。特にブランコ、滑り台、でんぐり返しをするのがおすすめです。
まとめ
子どもは三半規管が未発達のため、車酔いしやすい傾向にあります。車酔いのつらい経験を繰り返すと乗り物が嫌いになってしまうので、市販薬を上手に活用しましょう。
もし、車に酔いやすくても、成長するにつれて乗り物に慣れていくことがほとんどです。あまり神経質にならずに、成長を見守ってあげてください。