妊婦はいつまで飛行機に乗れる?飛行機に乗るリスクと注意点を解説
妊娠中、飛行機に乗っても大丈夫な期間はいつか、気になる方もいるのではないでしょうか。また、実際に飛行機に乗ることとなった場合、母体や赤ちゃんにどんな影響があるのか気になりますよね。今回は、妊婦が飛行機に乗れる期間やリスク、搭乗するときのポイントについて解説します。里帰り出産や引っ越しで飛行機に乗る可能性がある方は、事前に確認しておきましょう。
目次
妊婦が飛行機に乗れる期間
妊婦が飛行機に乗れる期間には、明確な基準がありません。しかし、航空会社によっては妊婦の搭乗に関する規定が設けられています。まずは、利用する航空会社の決まりを確認してください。以下は妊娠時期ごとの判断に関する参考です。
<妊娠初期:0~15週>
妊娠初期はつわりなどで体調がすぐれないことも多いため、飛行機に乗れるかどうか慎重に判断しましょう。
<妊娠中期:16~27週>
妊娠中期は、体調や経過が比較的安定している時期です。お腹も大きすぎず、まだ動きやすいため、飛行機を利用するなら妊娠中期がもっとも適しているといえます。
<妊娠後期:28~39週>
お腹が大きくなり、体に負担がかかりやすい妊娠後期は、飛行機の移動に注意が必要です。妊娠後期の搭乗には、医師の診断書や同伴などの規定を設ける航空会社も多くみられます。たとえば、大手航空会社の国内線では次のような条件となっています。
~航空会社の規定例~
・出産予定日の28日以内:搭乗日前7日以内に発行された医師の診断書の提出
・出産予定日の7日以内:医師の同行と診断書の提出
出産予定日に近づきすぎると条件を満たすのが難しくなり、赤ちゃんや母体のリスクも高まります。里帰り出産や引っ越しなどを予定している場合は、できるだけ早くに移動を済ませておきましょう。
搭乗を避けるべきケース
搭乗に問題のない時期であっても、赤ちゃんと母体の安全が最優先です。体調が優れなければ飛行機での移動はやめましょう。たとえば、次のような不調のサインや診断がある場合は、搭乗はおすすめできません。
・出血がある
・つわりが激しい
・貧血ぎみ
・切迫流産、切迫早産
・子宮外妊娠
・妊娠中毒症
妊婦が飛行機に乗るリスク
妊娠中に飛行機に乗ることには、いくつかのリスクがあげられます。搭乗する前に、飛行機の利用時に起きやすいリスクを把握しておきましょう。
エコノミークラス症候群になりやすい
エコノミークラス症候群とは、静脈内にできた血栓によって血液が滞ることで、下半身にむくみや痛みを引き起こす病気です。重症化した場合、息切れや心臓発作を起こすおそれがあります。
エコノミークラス症候群は飛行機の利用者に起こりやすく、妊婦に限らず、誰にでも起こりうる病気です。しかし、妊娠中は静脈が子宮で圧迫され、むくみやすい状態となっているので、エコノミークラス症候群が悪化しやすいと考えられています。機内では長時間同じ姿勢で過ごさず、こまめに水分補給を行いましょう。
気圧の変化が体調悪化につながりやすい
フライト中の気圧の変化で、つわりが悪化したり、子宮が圧迫されるように感じたりといった体調不良を引き起こすおそれがあります。気圧の変化で起こる体調不良は、胎児には問題ないとされています。しかし、普段からめまいや立ち眩みなどが起こりやすい方は、一時的に症状が重くなることがありますので転倒などに気を付けましょう。
妊娠中に飛行機に乗るときのポイント
妊娠中でも飛行機の利用はできますが、万が一の事態のために、搭乗前の準備や注意点について知っておくことが大切です。以下、気を付けておきたいポイントをご紹介します。
移動しやすい座席を選ぶ
搭乗前は元気でも、フライト中に気分が悪くなったり、頻繁にトイレに行きたくなったりすることがあります。何度も席を立つ可能性を想定し、通路側やトイレに近い席を選ぶのがおすすめです。
体を圧迫しないように気をつける
エコノミークラス症候群の予防策のひとつが、『体を圧迫する服を着ないこと』です。お腹や胸、足を締め付けないゆったりした服を選びましょう。シートベルトはブランケットの上などから締めたり、腰の低い位置に締めたりと、苦しくならない工夫をしてみてくださいね。
母子手帳と健康保険証は必須
機内で何かあったときのために母子手帳と健康保険証は必ず持参しましょう。もしもの際に、これまでの経過がわかることで、適切な処置が行われやすくなります。また、家族の連絡先などを記しておくことも大切です。
マタニティマークを付ける
妊娠初期や中期では、お腹のふくらみが目立たず、妊婦だとすぐに気づいてもらえない可能性があります。マタニティマークはわかりやすいところに付けておき、周囲の助けを借りられるようにしておきましょう。
まとめ
妊婦が飛行機に乗れる時期には明確な決まりはないものの、体調が比較的安定している妊娠中期がおすすめです。とはいえ、時期に限らず母体や赤ちゃんの体調をしっかり見極め、飛行機に乗れるかを慎重に考えましょう。妊婦は体調が急変しやすく、エコノミークラス症候群も悪化しやすいため、トラブル予防や事前の準備はしっかり行ってくださいね。