やたら多い?赤ちゃんの目やにの原因と対策
「拭いてあげても目やにが出てくる…」「片目だけ目やにが出て目が開きづらそう…」など赤ちゃんの目やにが気になるママ・パパは多いのではないでしょうか。なぜこんなに出るの?もしかして病気?と不安になることもあると思います。そこで今回は、頻繁に出る目やにの原因と対策について解説していきます。
目次
目やにとは?
目やにとは、目の角膜や結膜からの分泌物です。「眼脂(がんし)」とも呼ばれていて、目の中に入り込んだゴミを包み、排出する役割を担っています。
本来、目やには正常な代謝物です。朝起きたときに少量の目やにがついているのは、正常な代謝活動によるものなので問題ありません。
通常であれば、目やには涙道をとおって鼻の奥へ排泄されます。なんらかの原因で排出がスムーズに進まなくなったり、ウイルスや細菌の感染、ゴミなどの刺激による大量分泌で排出が追いつかなくなったりすると、目やにが目立つようになります。
目やにが出る原因
赤ちゃんに目やにが出る原因として考えられるものは3つあります。それぞれ詳しくみていきましょう。
結膜炎
結膜炎は、目の粘膜にウイルスや細菌がついて炎症が起こる病気です。結膜炎には細菌性とウイルス性があり、ウイルス性のほうが細菌性よりも症状が重いといわれています。
細菌性結膜炎の場合、生後間もない赤ちゃんなら、インフルエンザ菌や母体から感染した淋菌などが原因となることが多いといわれています。ウイルス性結膜炎の場合は、アデノウイルスやエンテロウイルスに起因することが多く、発熱などの全身症状が出るのが一般的です。
目やにの中には、代謝により角膜などから脱落した古い細胞のほか、免疫反応に使われた白血球、体内で分解されたウイルスや細菌が含まれます。目やにの特徴は原因によって異なるので、覚えておきましょう。
・黄緑色でドロっとした膿のような目やに : 細菌感染
・白くネバネバした糸状の目やに : ウイルス
・水のようにサラサラした目やに : 花粉などのアレルギー
このほか、ゴミやホコリなどの異物が目に入り、炎症が起きることもあります。異物がうまく排出されないと、目をこすったり瞬きしたりしたときに、目の角膜が傷つくリスクがあるため注意しましょう。
逆まつ毛
これは眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)ともいわれ、本来は下に向かって生えるべきである下まつ毛が上に向かって生えていることで、眼球が傷つく症状です。そのため、目が充血したりかゆくなったりして目やにが出てきます。これは、成長とともに症状が改善されることもあるため、3歳ごろまでは自然治癒に期待しましょう。
もしそのころになっても改善しなければ、逆まつげを下に向ける手術をすることもできます。様子をみて眼科の先生に相談してみてください。
鼻涙管閉塞症
これは、涙が通過する鼻涙管が閉塞していることによって涙管が詰まって目やにが出ます。鼻涙管閉塞症は、1歳ごろまでには9割の赤ちゃんが自然に治るといわれているので、過度に心配する必要はないでしょう。
赤ちゃんの目やにが目立つときの対処方法
赤ちゃんの目やにが目立つときの対処の仕方をみていきましょう。
赤ちゃんの目やにを取り除く方法
赤ちゃんの目やにが目立つときは、清潔なガーゼをぬるま湯で濡らして拭き取ってあげましょう。目頭から目尻に向けて、やさしく拭き取るのがポイントです。
目やにの中にはウイルスや細菌が含まれている可能性があるため、目やにを拭ったガーゼは放置せずに洗濯しましょう。拭き取ったあとは、ママ・パパもしっかり手洗いをしてください。
赤ちゃんが目をかゆがってこするときは、かたく絞った濡れタオルで目を冷やしてあげると良いでしょう。冷やすことで、かゆみがおさまります。強くこすると目の腫れや炎症を起こしやすいため、上手に赤ちゃんの気を紛らわせてください。
赤ちゃんの目やにケアのポイント
赤ちゃんが目をかゆがる、目の充血が気になるなどの場合は、赤ちゃんの手をなるべく清潔に保ち、目をこすってしまったときなどに目の中へ菌が入らないように気をつけましょう。赤ちゃんの手は意外といろいろなところを触っているので、こまめに消毒しましょう。また、赤ちゃんが触るおもちゃなども消毒して清潔に保つことも大切です。
また、赤ちゃんは目に違和感があると無意識に目を触ってしまうので、眼球や瞼を傷つけないように赤ちゃんの爪はこまめに切ってください。目に傷が入るとそこから菌が入ったり、瞼が腫れたりするため、赤ちゃんの爪はできるだけ常に気をつけてみておきましょう。
病院には行くべき?
赤ちゃんの目に違和感があるときは、どのタイミングで病院に行けば良いのでしょうか。受診の目安をみていきましょう。
病院を受診するケース
赤ちゃんのまぶたが腫れているときは、すぐに病院を受診しましょう。目の中で炎症が起きている可能性があるので、早めの対処が必要です。目の中に入り込んだ異物が取れないときも、病院を受診しましょう。
一旦様子をみて受診を検討するケース
次の状態の場合は、様子をみて受診を検討してください。迷ったら病院に電話をかけて、相談するのも良い方法です。
・目やにが多い
・目が赤く充血している
・光をまぶしがる
・白目の部分が黄色っぽい
・黒目が内側や外側に寄っている
様子をみる際、まずは目のまわりを清潔にしてあげましょう。目に入り込んだ汚れや皮脂によって、一時的に充血しているだけかもしれません。かゆみがあるようにみられる場合は、濡らしたタオルで目を冷やしてみましょう。
とはいえ、目に違和感があるときに放置するのは厳禁です。しばらく時間を空けて様子が変わらない場合は、眼科を受診しましょう。目やにの様子から、安易な自己判断をするのはNGです。病院で目やにの原因をしっかり特定してもらいましょう。原因がわかれば、正しい処置を行って目の炎症を抑えられます。目をこすって角膜を傷つける前に、早めの受診を検討しましょう。
いずれのケースも、目やにだけでなく、赤ちゃんに発熱、咳、鼻水、湿疹といった全身症状があるときは、かかりつけの小児科を受診してください。
赤ちゃんに目薬をさすコツはある?
赤ちゃんが目薬を嫌がったら、膝の上に寝かせて落ち着かせ、目の上2~3cmから目薬をたらすと良いでしょう。下まぶたを軽く引っ張ると、スムーズに薬が目の中に浸透します。
目薬をさすときの注意点として、ママやパパは事前にしっかり手洗いをしましょう。また、目薬の容器の先端がまぶたにつくと、薬剤の中にウイルスや細菌が入り込むリスクがあるのでつかないように注意してください。病院で処方を受けた目薬は、医師の指示どおりに正しく使いましょう。
まとめ
今回は赤ちゃんの目やにの原因と対策について紹介しました。赤ちゃんの目やにの原因はさまざまです。目をこすっていないか、充血をしていないか、瞼は腫れていないかなど、赤ちゃんの目の様子をよく観察しましょう。先天性の症状や成長とともに治癒する症状もありますが、なかなか症状が落ち着かない場合は病院の先生に診てもらってください。