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【医師監修】苦しそうでつらい…赤ちゃんの鼻づまりや鼻水への対処方法

赤ちゃんは自分で鼻をかむことができないため、赤ちゃんの鼻づまり・鼻水はパパやママがなんとかしてあげる必要があります。苦しそうに息をする赤ちゃんはみているだけでもつらい気持ちになりますよね。そこで今回は赤ちゃんの鼻づまり・鼻水を対処する方法やおすすめのグッズについて紹介します。

赤ちゃんの鼻づまりの原因は?

ここからは、鼻づまりの原因や対処方法について解説していきます。

赤ちゃんの鼻づまりの原因として多く挙げられるのが、アレルギー反応と、細菌やウイルス感染による病気です。

アレルギー反応の原因になるのは、花粉・ハウスダスト・ダニなどです。特徴はさらさらして粘りのない鼻水が出ることです。また、これらのアレルギー物質に反応することで鼻の粘膜が腫れ、鼻づまりが起こります。

細菌やウイルス感染による病気の代表的な例が風邪症候群(急性の上気道の炎症性疾患の総称)です。ねばねばとした鼻水が鼻の奥で固まり、鼻づまりを起こします。風邪症候群による鼻づまりは、悪化すると中耳炎や副鼻腔炎を誘発することもあるため注意が必要です。また、例年冬に流行する季節性インフルエンザのような感染症が原因となることもあります。

また、赤ちゃんの鼻の構造自体が鼻づまりをしやすいものになっていることや、外気温の変化や空気の乾燥に敏感に反応しやすいことから、赤ちゃんはそもそも鼻づまりが起こりやすい性質であることも理解しておきましょう。

鼻づまりは頻繁に起こるトラブルなので、赤ちゃんがつらそうな場合、鼻水の状態やほかに症状がないかをよく観察してみましょう。

鼻づまりが起こるとどうなる?

赤ちゃんに鼻づまりが起こるとさまざまな悪影響が出てしまいます。ここでは、主な悪影響について3つご紹介します。

1つ目は、赤ちゃんの眠りが浅くなることです。鼻づまりによって鼻呼吸がしにくいため、眠りが浅くなってしまいます。赤ちゃんは一日の大半を寝て過ごしますが、眠りが浅いとずっと眠気がとれません。その場合、不機嫌になってしまう赤ちゃんが多いです。そうすると、パパやママも心配なうえに、赤ちゃんをずっとあやしたり、様子を見続けたりしなければなりません。

2つ目は、ミルクや母乳が飲みにくくなることです。鼻が詰まると呼吸がしづらいのでミルクや母乳を上手に飲むことができません。まったく飲めないというわけではないですが、赤ちゃんに必要な量を確保できなくなってしまう恐れがあります。おなかも減り、鼻も詰まるので赤ちゃんが苦しい思いをしてしまうのです。

3つ目は、最悪の場合呼吸困難になることがあるということです。生後3ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんはそもそも呼吸をする力自体が弱いです。鼻づまりによって呼吸がしづらくなると呼吸困難に陥ってしまう危険もあります。そのタイミングでうつぶせ寝などによって口がふさがれてしまった場合は、死に至る危険もあるのです。

鼻づまりの症状の確認をしよう

鼻づまりに気づいたら、実際にどんな症状があるかよく観察します。小児科やアレルギー外来を受診するときにも、家での様子は非常に重要な情報です。受診前に確認しておくと良いでしょう。
まずは、鼻水の色や状態を確認します。色は透明か黄色っぽいか、粘りはあるかないかなどをチェックしましょう。

次に、鼻づまりが何日ほど続いているかを把握します。

鼻呼吸ができているかも確認しましょう。赤ちゃんの口が常に開いている状態であれば、鼻づまりが悪化して鼻呼吸ができなくなっている可能性があるため要注意です。

鼻づまり以外に普段の様子と違うところがないかも確認しましょう。

・熱がある
・おっぱいやミルクがしっかり飲めていない
・機嫌が悪い
・声がかれていたり、咳が出るといった喉の症状が出ている
・夜泣きが普段よりも多い
・お昼寝が十分にできていない

これらの症状や状態がみられる場合、病院を受診しましょう。基本的にはかかりつけ医の診療時間内に受診すれば問題ありません。ただし、呼吸すること自体が苦しそうな場合は、夜間であっても受診が必要なケースもあります。救急外来を受診すべきか相談できる24時間対応の電話相談もあるので、心配なときは利用してみてください。

鼻づまり以外の全身の状態が良さそうなら一旦様子見でも構いません。その場合、12週間程度は鼻づまりが続くことも多いため、症状の変化を見逃さないようにしながらホームケアを行いましょう。

鼻づまりの解消方法

赤ちゃんの鼻づまりを解消するにはどんな方法があるのでしょうか。主な解消方法についてみてみましょう。

すぐにできるやり方としては、鼻を温めることです。鼻は冷気に弱く、冷たい空気を吸い込むと粘膜が腫れて呼吸がしづらくなる仕組みになっています。そのため、まずは鼻を温めることで粘膜の腫れを抑え、呼吸が少しでも楽になるようにしてあげましょう。

また、部屋や顔の周りを加湿するのもおすすめです。鼻が乾燥すると鼻水が鼻の中で固まってより呼吸がしづらくなってしまいます。そのため、鼻づまりが起こっているときは、なるべく赤ちゃんの周りを乾燥させないようにしましょう。ホットタオルで鼻の周りを温めつつ加湿する方法がおすすめです。ただし、低温やけどに注意しましょう。

鼻水はなぜ出る?

ここからは、鼻水の原因や対処方法について解説していきます。

鼻水はそもそも、鼻の粘膜を保護したり、侵入してきたばい菌を体外に流したりするためのものです。また、赤ちゃんの場合、鼻の粘膜が敏感なため、気温の変化で鼻水が出ることもあります。

つまり、鼻水は体を守るために出てくるものなので、吸引すれば症状が改善するとは限りません。

とはいえ、赤ちゃんの場合、鼻がつまるとミルクや母乳が飲みにくい、苦しくて寝つけないといったトラブルにつながります。そのため、鼻水を吸引することでミルクや母乳が飲みやすくなったり、ぐっすり眠りやすくなったりします。

ドロドロ鼻水、サラサラ鼻水、病院に行くタイミングが知りたい!

鼻水の色が無色透明ならば、毎日大量の鼻水が出ていても心配する必要はありません。赤ちゃんの鼻の粘膜は敏感なので、ほこりや花粉、動物の毛などに反応してサラサラの鼻水が出ることがあります。

鼻水が出るということは、ほこりやウイルスなどが侵入しないように粘膜が反応しているということなので、正常に免疫機能が働いているということです。緑色や黄色のドロドロした鼻水が出ている場合は、ウイルスや細菌に感染している可能性があるため注意をしてください。

ドロドロした鼻水が出ると赤ちゃんは鼻がつまりやすくなるので、こまめに鼻水を取るようにしてください。熱もあり、鼻づまりがひどいときには小児科で診察しましょう。

また、鼻は耳とつながっているため鼻づまりを放っておくとウイルスや細菌が耳へと行ってしまい、中耳炎になる危険性があります。中耳炎は赤ちゃんにとってかなり痛いものです。また、一度発症してしまうと治りにくいため、緑色や黄色い鼻水が出ている場合は耳鼻科でも診てもらうようにしましょう。

ほかにこんな症状があれば受診を!

風邪だと思って自然治癒に任せていたのに鼻水が長引いているなどの場合は、風邪ではなくアレルギー性鼻炎かもしれません。赤ちゃんの場合はホコリなどが原因のアレルギー性鼻炎の可能性があるので、鼻水がおさまらない場合は早めに病院を受診しましょう。

ほかにも、細菌性の急性副鼻腔炎の可能性もあります。一週間以上鼻水が長引いている場合は、小児科の先生に相談しましょう。

鼻水の正しい取り方

赤ちゃんは鼻が小さく未発達なので、2歳くらいまでは上手に鼻をかむことができません。鼻水が出ても自分では対処できず、苦しい思いをすることがあります。

では、赤ちゃんの鼻水はどのように取ってあげるのが良いのでしょうか。鼻水の正しい取り方について紹介します。

サラサラした鼻水の場合は、鼻から出てきた鼻水を拭き取ることができます。やわらかいガーゼや水で濡らしたティッシュ、ウェットティッシュなどを使って、優しく拭き取りましょう。鼻の奥で詰まっている場合は、ティッシュでこよりを作って鼻の奥から鼻水を引っ張るように拭き取る方法も試してみたいですね。

粘り気がある鼻水の場合は、拭き取るのが難しいこともあります。そのときは、鼻をかめない赤ちゃんのために、鼻水の吸引をママ・パパがやってあげましょう。感染対策のため、市販の鼻水を吸引する道具を使うことをおすすめします。

使用の際、力加減に注意し奥のほうまで吸引しないようにすることが大切です。後述で鼻吸い器の使い方を解説しているので、参考にしてみてください。

また、鼻水が乾いて固まっているときは、無理して取り除こうとすると鼻の粘膜を傷つける恐れがあります。お風呂に入っているときや、お風呂から出てすぐの蒸気でやわらかくなっているタイミングで吸引すると良いでしょう。

鼻水のケアをしたあとは保湿クリームなどで鼻の周りを保湿するのも大切です。ワセリンやクリームなど赤ちゃんの肌にも優しいものを使って保湿しましょう。

鼻水を吸引できる道具の種類と選び方

ここでは、市販の鼻吸い器4種類の特徴を紹介します。

電動据え置きタイプ

電動で吸い取るタイプの鼻吸い器です。

[メリット]
様々なタイプの中でも特に吸引力が強く、機能性が高いのが特徴です。吸引力を細かく調整できるものもあり、赤ちゃんの症状に合わせたケアができます。

[デメリット]
重くてかさばるものが多く、持ち運びしにくいです。また、電源を使用するため、コンセントがないと使えません。そのほかに、機械音が気になる場合があり、就寝時などの使用には不向きです。

上記メリット・デメリットから、日中家で使う場合や、鼻水の量が多い場合、粘度の高い鼻水の場合におすすめです。

電動ハンディタイプ

電動で吸い取るタイプの鼻吸い器です。電動据え置き型とは違い、小型サイズです。

[メリット]
手動のものと比較すると、吸引力が強いのが特徴です。また、コンパクトなサイズになっており、コードレスで場所を選ばないので、持ち運んで外出先で使うこともできます。

[デメリット]
充電が必要なため、外出先で電池切れになる可能性があります。外出先で使う場合は、しっかりと充電をしておきましょう。

上記メリット・デメリットから、吸う力も保ちつつ、屋外で使いたい場合や手軽に使いたい場合におすすめです。

スポイトタイプ

スポイトの吸い込み口を赤ちゃんの鼻の穴に当てて、片手でポンプを握って吸い出す方式の鼻吸い器です。

[メリット]
軽量でコンパクトなスポイト型は、ポンプ式でシンプルな設計なので、いつでもどこでも簡単に使えます。さらに、手動で鼻水を吸い上げるため、機械音が気になりません。就寝時でも安心して使えるでしょう。

[デメリット]
吸引力が弱く、ネバネバした鼻水や量が多いときは吸いにくいかもしれません。

上記メリット・デメリットから、屋外で使う場合や夜中に使う場合、手軽に鼻水吸引を行いたい場合におすすめです。

口で吸うタイプ

ノズルがふたつあり、一方を赤ちゃんの鼻につけ、もう一方をママ・パパが口に咥えて吸い出す口吸い型の鼻吸い器です。

[メリット]
ママ・パパが口で吸って吸引力を調整できるのが特徴です。赤ちゃんの様子を見ながら吸引力を細かく調整できるので、鼻吸い器に慣れていない赤ちゃんや鼻吸い器を使うのがはじめてのママ・パパにも使いやすいでしょう。また、パーツを細かく分解できるので、使用後のお手入れが簡単です。

その他にも、コストを抑えられることや、スポイト式同様、電源を必要とせず、気軽に持ち運べる点もメリットといえるでしょう。

[デメリット]
吸引力が弱いです。また、手動で行うため、慣れないと力加減がわかりにくいかもしれません。そのほか、直接鼻水が口に入るわけではなくても、呼気から感染するリスクがありますので、使用後はうがいをするなど気をつける必要があります。

上記メリット・デメリットから、屋外で使う場合や夜中に使う場合におすすめです。また、全タイプの中でも安価なため、急ぎで必要になった場合は比較的手軽に手に入りやすいでしょう。

鼻吸い器の選び方

鼻吸い器は、生後すぐから使用できます。ただし、製品によって使用できる月齢・年齢は異なるので、購入前にパッケージ等で製品情報を確認しておくことが大切です。

赤ちゃんが鼻をかめるようになるのは、23歳くらいです。自分で鼻をかめるようになるまで、鼻吸い器を使って鼻の不快感を取り除いてあげましょう。

鼻吸い器の使い方と注意点

頭をしっかりと固定する

鼻吸い器を安全に使うために、赤ちゃんの頭をしっかり固定することが大切です。鼻吸い器を使用中に赤ちゃんが動いてしまうと、吸い上げにくくなり、鼻を傷つけやすくなってしまうからです。

赤ちゃんを床にあおむけに寝かせ、ママ・パパの太ももで優しく赤ちゃんの頭を挟み込んで固定をし、上から覗き込むようにして吸いましょう。また、赤ちゃんを横抱きして、片方の手で頭を固定しながら、もう片方の手で鼻吸い器を使用してもよいでしょう。赤ちゃんが怖がらないように、笑顔でいることも心がけると赤ちゃんの恐怖心が和らぎます。

鼻の穴に鼻吸い器の先端を軽くあてる

吸いながら先端の角度を少しずつ変えて、鼻水が取りやすい位置を探します。先端を鼻の奥まで押し込んだり、強く吸ったりすると鼻の粘膜を傷つけてしまうので注意しましょう。

吸い終わったら蒸れたガーゼで鼻を拭く

赤ちゃんの鼻を優しく拭いて、鼻水がまだ出てくるようであれば鼻の下に保湿クリームを塗っておきましょう。

また、使用後の鼻吸い器には、ウイルスや細菌がたくさん付着しています。そのため、使った後は、しっかり洗浄して消毒しておくことが大切です。鼻吸い器の種類によって、お手入れの仕方が異なるため、説明書を見ながら適切な方法で消毒しましょう。

まとめ

今回は赤ちゃんの鼻づまり・鼻水の対処方法について紹介しました。なるべく早く赤ちゃんの不快感を和らげてあげるために、早めの対策を行いましょう。

 

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