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口の周りが赤い・皮膚に湿疹……これってアレルギー反応!? 離乳食をあげる際の注意点は?

食材

ごはんを食べた後、赤ちゃんの口のまわりが赤くなったり湿疹が出たりしている……こういった場合「何か食物アレルギーがあるのかも?」と心配になり、新しい食材を与えるのも怖くなってしまいますよね。アレルギーについては事前に病院の検査を受けるという方法もありますが、全ての食材について調べる事はなかなか困難です。そこで今回は、赤ちゃんの食物アレルギーや離乳食をあげる際の注意点についてご紹介します。

食物アレルギーとは?食後すぐに出るとは限らない!2日後に出る遅延型も

食物アレルギーとは

食物アレルギーとは、食べ物が原因で起きるアレルギー反応のことです。体が特定の食べ物を異物とみなし、体内への侵入を拒否することで症状が出ます。近年の傾向では、乳児全体の約10%に食物アレルギーがあるとされています。

今まで、アレルギーを起こしやすい食材は摂取の年齢を遅らせたほうがよいとされていました。しかし、現在は食材の除去は最小限にとどめ、赤ちゃんの発育に必要な栄養をしっかり確保することが重要という認識に変わってきています。

アレルギー発症が心配な場合や、新しい食材を試すことが不安な場合は、開始前にかかりつけの医師に相談してください。特に、アトピー性皮膚炎や湿疹を経験している赤ちゃんは、経験していない赤ちゃんに比べ、アレルギーを起こす可能性が高いので注意しましょう。

即時型アレルギーと非即時型アレルギー

食物アレルギーには、即時型と非即時型の2種類があります。ふたつの違いは、食べてから症状があらわれるまでの期間です。

<即時型アレルギー>
食後2時間以内に起こるものを指します。意識障害や血圧低下といったアナフィラキシーショックを伴うこともあります。

<非即時型アレルギー>
食べた直後には症状が出ない非即時型には、さらに2タイプあります。ひとつは、遅発型と呼ばれ、食後6~8時間後に起こります。もうひとつは、遅延型と呼ばれ、食後1~2日後に起こります。

乳児期のアレルギーで多い食材は?

赤ちゃんのアレルギーで発症が多いとされる食材は、鶏卵、牛乳、小麦です。これらを含む離乳食を口にしてアレルギーを発症することがあります。

このほか、大豆やナッツ類・ゴマ・蕎麦・山芋・魚介類・りんご・バナナ・キウイフルーツ・ゼラチンなどもアレルギーの原因となりやすいので注意が必要です。

こんな症状がみられる場合、食物アレルギーの疑いが……

何らかの食物アレルギーがある場合には、以下のような症状が出やすくなります。

・湿疹
・下痢や嘔吐
・腹痛
・唇のはれ
・せき
・呼吸困難

ただし、赤ちゃんはまだ体が未成熟なため、このような症状がみられる場合でも、それがアレルギー由来のものなのか他に原因があるのか見極めが難しいです。自己判断せずに、気になる症状がある場合はすぐに医師に相談しましょう。

食物アレルギーの予防と対策。初めての食材を与えるときの注意点

赤ちゃんのアレルギーについて考え始めると、いろいろな食材を与えるのがこわくなってしまうというママ・パパは多いかもしれません。ですが、赤ちゃんの頃にたくさんの食体験をさせるのは、赤ちゃんの発育にとって大切なこと。新しい食材を与えることをやみくもに怖がるのではなく、初めての食材を食べさせるときは万一アレルギー反応が起きても大丈夫なように準備しておきましょう。

アレルギーが怖いからといって、離乳食の開始時期を遅らせる必要はありません。離乳食を開始する目安は生後5~6ヶ月ごろ。大人が食べている様子をみつめている、口をモグモグさせるなどのサインがみられたらはじめどきです。

離乳食の開始を不必要に遅らせると、赤ちゃんにとって必要な栄養を十分に摂取できず、成長に支障をきたす場合があります。また、離乳食を遅らせても、アレルギーの発症予防にはならないこともわかっています。そのため、離乳食の開始時期は遅らせず、さまざまな食材を使ってバランスよくあげることが大切です。

では、はじめて離乳食をあげる際にチェックしておきたいポイントを3つ紹介します。

ポイント①:少量からはじめ、徐々にあげる量を増やす
はじめての食材を取り入れるときは、まずはスプーンの先に乗る程度のごく少量から開始しましょう。大丈夫そうであれば徐々に量を増やしていきます。なお、前回と同じ量でも赤ちゃんの体調次第ではアレルギー症状が出ることもあります。また、少量なら食べられる食材でも、一度にたくさん食べるとアレルギー症状が起きることがあります。「この量なら大丈夫」と過信をせずに、赤ちゃんの様子をみながら食べさせてあげましょう。

ポイント②:病院に行ける日・病院が開いている時間帯に食べさせる
万一アレルギー症状が出た場合を考えて、初めての食材をあげるのは病院が診察を行っている曜日や時間帯を選びましょう。安心とされるのは平日の午前中です。即時型アレルギーの場合、症状があらわれるのは食後2時間以内。逆算して余裕を持てる時間帯に挑戦してみてください。

ポイント③:食後の赤ちゃんの様子をしっかり観察する
初めての食材を食べた後は、口のまわりや皮膚に腫れや赤みは出ていないか、体調に異変はないかなど、いつも以上に赤ちゃんの様子をしっかり観察するようにしましょう。

万一、食後に何らかの異変がみられたら、すぐにかかりつけの病院を受診してください。食材と赤ちゃんの体の相性によっては、大事に至る危険性もあります。

どの食材からあげはじめればよい?アレルギーが出やすい食材はどうやってはじめる?

離乳食を開始する際は、赤ちゃんの体調や様子を確認しながら食べさせましょう。食べさせている途中でアレルギー症状が出たらすぐに中止し、病院を受診してください

あげはじめる食材の順番として、まずは比較的アレルギーが出にくいとされる米(おかゆ)や野菜などから開始します。その後、白身魚や鶏ささみ、豆腐などに進みましょう。

アレルギーが出やすいといわれている食材は、下記内容を参考にあげはじめてみましょう。心配な場合は事前に医師へ相談してください。

・乳製品
乳製品は、授乳で粉ミルクを使用している赤ちゃんなら摂取できることが多いとされています。生乳やヨーグルトをごく少量から開始すると進めやすいです。生乳を使うときは、必ず加熱しましょう

・ピーナッツ、エビ
ピーナッツとエビは、大人でもアレルギーが多い食材です。そのため、離乳食後期から開始してください。ピーナッツは誤って喉につまらせるおそれがあるので、細かく砕いて少量ずつあげましょう。エビの場合は、桜エビなどを細かく砕いて、少量をごはんやおかゆなどに混ぜるのがおすすめです。ただし、離乳食の段階で無理に取り入れなくてもよい食材なので、その他の野菜や肉・魚など基本の食材から確実に進めていくことを優先しましょう。

・大豆、小麦
大豆は豆腐などのやわらかい加工品から、小麦はくたくたになるまで煮込んだうどんから少量ずつ開始します。大豆や小麦は、しょうゆや味噌などの調味料にも使われている食材です。アレルギーが出た場合、調味料まで除去するかどうかは、かかりつけの医師とよく相談しておきましょう。

・卵
卵は「加熱した卵黄→加熱した卵白→加熱度の低い卵」の順に少しずつ進めていきます。日本小児アレルギー学会では、レルギー予防のためには、鶏卵は生後6ヶ月から加熱したものを少しずつ与えたほうがよいと提言されています。アレルギーが出た場合、かかりつけの医師と相談のうえ、順を追ってチャレンジしていきましょう。

離乳食でアレルギー症状が出たら?

離乳食を食べていてアレルギーと思われる症状が出たら、放置せずすぐに対処します。食べ物が口に入っている場合はすぐに出してうがいをさせましょう。食べ物が手についている場合はしっかりと洗い流し、すぐに病院を受診してください。

病院に行くときは、以下の内容をメモに取り持っていきましょう。

1.与えた食材
2.与えた時間
3.症状が現れた時間
4.症状の特徴

アレルギー症状だと診断された場合は、今後の食事でアレルギー症状が出た食材を除去します。

ただし、除去すると栄養が偏ったり、食事のバリエーションが少なくなったりするため、代替の食材を使って栄養を補給する必要があります。自分ですべて調理するのが大変な場合は、アレルギー対応の市販の離乳食を活用するのがおすすめです。

また、除去された食材以外のものを自己判断で除去しないようにしましょう。本来なら食べられるはずの食材を除去してしまうと、赤ちゃんの栄養が確保できないだけでなく、調理の手間も増えることになります。必ずかかりつけの医師と相談し、必要最低限の除去にとどめておくことが大切です。

まとめ

今回は、赤ちゃんの食物アレルギーや離乳食をあげる際の注意点について解説しました。離乳食ではじめての食材をあげた際は、よく赤ちゃんを観察し、何か異変があればすぐに対処・病院を受診しましょう。

赤ちゃんのときにアレルギーが出た食材だからといって、その後もずっと食べられないと決まったわけではありません。成長とともに消化機能が発達していき、アレルギーを起こさなくなることも十分ありえます。赤ちゃんにアレルギー症状が出るとママ・パパは悲観的になってしまいがちですが、かかりつけの医師と相談しながらアレルギーと付き合っていくことが大切です。

 

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