カウプ指数とは?求め方や基準値、算出するメリット・デメリットを解説
赤ちゃんの今の体型が、痩せすぎなのか肥満気味なのか判断できず、心配なママ・パパは多いのではないでしょうか。赤ちゃんの発育状況を判断するために使われる指標のひとつが、「カウプ指数」です。今回は、カウプ指数の求め方やカウプ指数を知るメリット・デメリットに加え、「太りすぎかも?」と思ったときにできる対策を紹介します。
カウプ指数とは?
カウプ指数は子どもの発育状況を表す指数で、生後3ヶ月~5歳の乳幼児に使われる指標です。子どもが肥満気味ではないか、痩せすぎていないかを判断する際の目安として使われています。
カウプ指数は子どもの身長と体重から算出するもので、求め方は以下のとおりです。
体重(g)÷{身長(cm)×身長(cm)}×10=カウプ指数
大人の肥満度を判断するBMIと求め方が似ていますが、BMIは身長をmで、体重をkgで算出するのに対し、カウプ指数は身長をcmで、体重をgで算出します。単位が違うと正しい数値が出せないため、換算を忘れずに行いましょう。
カウプ指数の基準値について
厚生労働省による、カウプ指数の評価は以下のとおりです。
発育の状態 |
カウプ指数の数値 |
痩せぎみ |
14以下 |
ふつう |
15~17 |
太りぎみ |
18以上 |
出典:「21世紀出生児縦断調査(特別報告)結果の概況」(厚生労働省)
ただし、年齢によっては標準的な数値に違いがみられることもあります。生後1歳未満の赤ちゃんと、小学校に入る手前の5歳児では体の状態などに大きな違いがあるためです。
年齢 |
標準的なカウプ指数の数値 |
乳児(1歳未満) |
16~18未満 |
満1歳 |
15.5~17.5未満 |
1歳半~満2歳 |
15~17未満 |
満3歳~5歳 |
14.5~16.5未満 |
上記のように、カウプ指数は年齢などによって基準値が違ってきます。算出した数値はあくまで目安なので過剰に気にする必要はありません。参考にする程度にしましょう。
カウプ指数を知るメリット・デメリット
カウプ指数は赤ちゃんの発育状況を判断するための指標として広く使われていますが、メリットとデメリットがあります。
・メリット
カウプ指数の最大のメリットは、乳幼児の肥満度や栄養状態を客観的に判断できることです。身長や体重をきちんと計測して計算すれば、赤ちゃんの発育状況を推測できます。
計算式も比較的単純なので、病院に行かなくても自宅で気軽に調べることが可能です。
・デメリット
デメリットは、カウプ指数だけでは赤ちゃんの発育状況を正確に把握することができない点です。カウプ指数は簡易的な計算式で算出するため、正しい評価はできません。
発育状況をより正確に把握するためには、カウプ指数以外にも身体発育曲線や肥満度といった別の指標も一緒に考える必要があります。
また、カウプ指数は現時点での身長、体重で判断するため、成長して身長、体重が変わればもちろん評価も変わります。「この前基準値だったから大丈夫!」というわけではないことを念頭に置いておきましょう。
赤ちゃんの太りすぎが気になる場合はどうすべき?
カウプ指数の数値が基準値から外れてしまったとしても、あまり心配する必要はありません。赤ちゃんの成長は個人差が大きいため、一時的に基準値から外れてしまっても、成長とともに基準値内に入ることも十分にあります。
逆に、カウプ指数の基準値を超えたからといって、すぐにダイエットをさせるのは危険です。安易に食事制限を行うと、赤ちゃんの成長に必要な栄養素が不足してしまう可能性があります。
どうしても太りすぎが気になる場合は、以下のように離乳食の内容を工夫するのがおすすめです。
・調味料を控えて薄味にする
・野菜やスープなど低カロリーのものを増やし、ボリュームをつけて満足感をアップさせる
・一口に与える量を減らし、ゆっくり時間をかけて食べさせる
・口の中にある食べ物を飲み込んだことを確認してから、次の一口をあげる
・素材の硬さや大きさを調節し、もぐもぐ噛めるように工夫する
やわらかくて飲み込みやすい食事が続いたり、口の中にどんどん食べ物を入れてしまうような食べ方を続けていたりすると、大人でいう「早食い」と同じ状態になります。
ゆっくり時間をかけ、もぐもぐ噛んで食べられるように工夫し、栄養はしっかり摂りつつも体重管理しやすい食事を用意してあげましょう。
まとめ
カウプ指数は、生後3ヶ月~5歳までの乳幼児に対応した発育状況の判断指標です。簡単な計算式で求められ、今の赤ちゃんの状態をある程度推測できます。一方で、継続した判断指標にはならないため、あくまでも目安として考えることが大切です。
数値が基準値から外れていても、急ぎのダイエットは必要ありませんが、明らかに太りすぎだと思われる場合は離乳食のあげ方を見直してみると良いです。また、気になることがあれば、かかりつけの小児科に相談してみましょう。