妊娠糖尿病って何?原因と対策を紹介!
妊娠中に発症しやすい病気として注意しておきたい妊娠糖尿病。名前は聞いたことがあっても、原因やどのようなリスクがあるのか分からず、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、妊娠糖尿病についての解説と、予防する方法を紹介します。早めに体の異変に気付けるように、どのようなリスクや症状があるのか知っておきましょう。
目次
妊娠糖尿病とは
妊娠糖尿病とは、妊娠中のホルモン変化によって糖代謝異常が起こっている状態のことです。通常の糖尿病の基準には当てはまらず、糖代謝異常が妊娠してから起こっている場合に診断されます。そのため、妊娠前から発症している方や、糖尿病の基準を明らかに満たしている方は含まれていません。
妊娠糖尿病は8人に1人の割合で発症し、近年は増加傾向です。主に、以下の発症要因が考えられます。
・肥満傾向
・過食しやすい
・運動不足
・近親者に糖尿病患者がいる(遺伝的要因)
症状は出産とともに改善することが多いですが、妊娠糖尿病は母体と胎児へのリスクがあるため、予防や発症後の対処が必要になります。
妊娠糖尿病によって起こるリスク
妊娠糖尿病には、ほとんど自覚症状がありません。しかし、高血糖な状態が続くと母体はもちろん、胎盤を通じて赤ちゃんにも良くない影響を及ぼします。主な合併症は次の通りです。
妊娠高血圧症候群
以前は『妊娠中毒症』と呼ばれていた、高血圧や尿タンパクの増加を引き起こす症状です。赤ちゃんの成長を妨げ、母体に臓器障害を起こす可能性があります。妊娠34週未満で発症すると重症化しやすく、帝王切開となるリスクも高まるため、妊婦健診などで早期発見することが大切です。
巨大児の出産
巨大児とは、赤ちゃんの体重が4,000g以上4,500g未満の赤ちゃんのことです。お腹のなかで赤ちゃんが大きく育ちすぎると、肩が産道に引っかかって肩甲難産を引き起こすリスクが高まります。また、分娩で産道を傷つけてしまう可能性もあります。
羊水過多症
羊水は胎児の成長とともに増減しますが、何らかの要因によって増えすぎてしまう羊水過多症を発症することがあります。子宮がお腹を圧迫して苦しくなったり、尿が漏れやすくなったりするのが主な症状です。また、逆子や早産になりやすく、子宮頸管の長さが短くなりやすいなどのリスクも抱えています。
妊娠糖尿病を予防する方法
妊娠糖尿病による血糖値の異常は、妊娠が終わると徐々に回復に向かいますが、合併症を引き起こさないためにも、できるだけ予防に努めたいところです。妊娠中は、以下のポイントに気を付けましょう。
食生活を見直す
まずは食生活の見直しが大切です。妊娠中は食事に気を付けている方も多いですが、カロリーのコントロールは妊娠糖尿病の予防にも効果が期待できます。
摂取カロリーの目安は、1日1,600キロカロリー以内です。また、血糖値を上げないような食事の工夫も大切だといわれています。例えば、血糖値の上昇が緩やかな野菜や小魚、アーモンドから食べる、一気に食べるのではなく、分割して少しずつ食べるといったものです。
一方で、血糖値が上がりやすい炭水化物、加工肉、お肉類は食べる量や食べる順番に注意が必要といえます。小腹が空いたときなどは、お菓子ではなく、足りない栄養素を補うような食材を摂取してください。満腹中枢が刺激されやすいようによく噛んで、ゆっくり味わいましょう。
適度な運動をする
妊娠していても、適度な運動は大切です。過度な負荷がかかるものはできませんが、近所の散歩や階段の上り下りなど、日常生活のなかで積極的に体を動かしてみましょう。体調や妊娠の経過が良好な方は、ウォーキングやマタニティヨガなどゆったりとした有酸素運動にチャレンジしてみるのもおすすめです。
妊婦検診を受診する
定期的に妊婦健診を受けていると、妊娠糖尿病だけでなく妊娠中のさまざまな変化に対処しやすくなります。異常にいち早く気付くためにも、決められた間隔で必ず通院しましょう。
妊婦健診では妊娠中に大切な体重コントロールや食事のアドバイスなど、体調面以外のことも相談に乗ってもらえます。分からないことや不安なことがあれば、気軽に相談してみてくださいね。
まとめ
妊娠糖尿病はさまざまな合併症を引き起こしやすく、母体だけでなく、胎盤を通じて胎児にも影響が及ぶおそれがあります。食事の摂り方や適度な運動など、予防に効果が期待できる生活を心がけ、健康的な妊娠生活を目指しましょう。とくに食事では血糖値が上がりにくい食べ方を意識してみてくださいね。