チャイルドシートはなぜ必要？

● 装着は義務！法律で定められています。

「窮屈そうだし、ムリに着けなくてもいいのでは…？」とつい思いがちですが、6歳未満の乳・幼児を車に乗せる場合は、チャイルドシートを使用することが道路交通法（道路交通法第71条の3第3項）で義務化されています。違反した場合、罰則はありませんが、減点の対象になります。体格や成長に合わせた製品を選び、座席に正しく取り付けて使用しましょう。
6歳以上の子どもについての使用義務はないのですが、6歳になっても身長が140cm未満の場合は、使用すると良いでしょう。なぜならば、シートベルトは少なくとも140cm以上ある人を想定して設計されているので、身長が低いと正しく着用できないからです。安全を考えるなら、使用義務のある年齢を過ぎても、150cm頃までは使用することをおすすめします。

● 万が一の事故の際、赤ちゃんを守ります。

チャイルドシートは、シートベルトを適正に使用できない体の小さい赤ちゃんやお子様を、乗車中の事故から守るためのものです。警視庁のホームページによると、チャイルドシートを使用していなかった場合の致死率は、正しく使用していた場合の致死率の約８.１倍となっています。これはつまり、チャイルドシートを使用しているか否かが、お子様の安全を大きく左右するということを示しています。
ただし、使用していたとしても、車両への取り付けが不十分であったり、お子様を正しく座らせていないなど適正に使用していなかった場合、事故の際にチャイルドシートがシートから分離してしまったり、お子様がチャイルドシートから飛び出してしまうなど、本来の機能が発揮できないことがあります。正しく使用して、大切なお子様の命を守りましょう。

選び方ポイント

● まずは新生児から使えるものを選びましょう。

生まれて間もない新生児を乗せるチャイルドシートは、車の進行方向に対し、後ろ向きに設置するタイプが主流です。これは、衝突した際の衝撃を背面全体で受け止めるためとされています。骨格がまだしっかりしていない赤ちゃんの体を守るための工夫なので、説明書をよく読み、正しく取り付けましょう。

● 適応車種や設置方法、操作のしやすさを事前にチェックしましょう。

軽自動車やコンパクトカー、ミニバンなど、車の種類はさまざま。広さや装備の位置が異なるため、購入前に、メーカーの車種別適合表で自分の車に適しているか確認しましょう。
現在、チャイルドシートの設置方式は、シートベルト固定式とISOFIX（アイソフィックス）固定式の2種類があります。3点式シートベルトで固定する従来のシートベルト固定式に対し、ISOFIX固定式は、車の後部座席にあるISOFIX取付金具にチャイルドシートのコネクターを固定する仕様です。シートベルト固定式に比べて取り付けしやすく、しっかり固定できるのが特徴。ちなみに2012年7月1日以降に発売された車には、ISOFIX取付金具の装備が義務付けられています。チャイルドシートの購入前に、装備の有無を確認しましょう。
また、取り扱い説明書や店頭の見本などで操作方法をチェックし、操作しやすいものを選ぶのも重要です。

● 安全基準は満たしているか。

現在は、ヨーロッパの国際安全基準である「R44（従来の安全基準）」と「R129（新しい安全基準）」を満たしたもののみ、日本での使用が認められています。赤ちゃんのフィット感を体重に合わせて測るR44は、車の前後からの衝撃から守るように設計され、シートの後ろ向き装着は生後12ヶ月頃（体重9kg未満）までとされています。
一方R129は、より個人差の少ない身長を使用基準とし、安全性を高めるために、前後だけでなくドア側からの衝撃にも対応できることや、生後15ヶ月未満まで後ろ向きシートにすることも規定に加えられました。
2023年9月からは安全基準がR129に統合され、市場では、R44適合製品からR129適合製品への切り替わりが進んでいます。ただし、どちらの基準であれ厳しい安全性の試験をクリアしているため、「R44のチャイルドシートは危険」というわけではありません。そのため、今後も継続して販売したり、使用したりすることは問題ありません。

● 固定式か、それとも回転式か。

座席に取り付けた時の向きで固定される固定式は、比較的軽量で持ち運びしやすく、お求めやすい価格帯なのが特徴です。成長に伴い、後ろ向きや前向きに変更する場合は、本体の向きを変えてベルトを固定し直すことでチェンジできます。そのぶん、向きを自由に変えられず、乗せ降ろししづらいのがデメリット。そのため、車の使用頻度が少ない家庭に適しています。
対して、赤ちゃんを乗せたシートが360°回転する回転式は、乗降の際にサッと方向転換できるため、固定式よりも取り扱いが楽ちんです。また、後ろ向き・前向きの設定を簡単に切り替えられるのも魅力。ただし、回転式は本体が重く、固定式より高価なものが多いのがデメリット。さらに、ほとんどがISOFIX固定式ゆえ、取り付け可能な座席が限定されてしまいます。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえながら、車を使う頻度や予算に応じて家庭に合ったタイプを検討してみてください。

● 赤ちゃんの乗り心地はどうか。

実際に使用する赤ちゃんの乗り心地への配慮も欠かせません。万が一、乗り心地の悪いチャイルドシートを選んでしまった場合、乗せた途端に泣き出してしまうことも。より快適に過ごしてもらえるよう、シートの素材にもこだわりましょう。赤ちゃんは汗をかきやすいため、通気性の高いメッシュや吸水速乾性に優れた素材がおすすめです。
また、赤ちゃんの体を守るためにも、チャイルドシートはクッション性があるものを選びましょう。シート内部に衝撃を吸収できる素材が内蔵されているとより安心です。

チャイルドシートラインナップ

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  40cm（新生児）から85cm（15ヶ月）まで

  乳児専用タイプは、通称ベビーキャリーとも呼ばれ、安全快適なチャイルドシートとしての使用はもちろんのこと、持ち手がついているので赤ちゃんを乗せたまま持ち運びできるのが特徴です。15ヶ月を超えても85cm^※まで使用できます。
  ※商品によって基準は異なります。

  

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  40cm（新生児）から105cm（4歳頃）まで

  乳児・幼児兼用タイプ。15ヶ月かつ身長76cmを超えるまでは、背もたれを倒した状態で後ろ向きに装着し、それ以降は前向きで使用できます。付け替えが必要ですが、お求めやすい価格の固定型と、付け替えせずに簡単に座面の向きを変えられ、乗せ下ろしも便利な回転型とがあります。回転型はISOFIX取り付け仕様が主流になっています。

  

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  76cm（15ヶ月）から150cm（12歳頃）まで

  幼児・学童兼用タイプ。15ヶ月かつ身長76を超えてからからチャイルドシートの使用義務がある6歳を過ぎて、大人用の座席が使えるようになるまで使用できるタイプです。こちらのタイプは本体に肩・腰ベルト（ハーネスベルト）が搭載されていて、身長100cmくらいまではそれを使用して子どもを拘束します。それ以降は、ハーネスを収納して、車両のベルトで拘束します。

  

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  100cm（3歳）から150cm（12歳頃）まで

  学童用タイプ。前向きで使用します。チャイルドシート着用義務期間の6歳を過ぎて、大人用のシートベルトが使えるようになる11歳頃まで使用できます。

  

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  125cm（7歳）から150cm（12歳頃）まで

  学童用タイプ。座面だけのブースターシートとして使用します。

  

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新生児〜4歳ぐらいまで使用できる乳児・幼児兼用から、4歳以降は背もたれの付いたハイバックに買い替えるパターン。乳児・幼児兼用は人気が高く、買い替えもこのパターンが主流です。
ただし、きょうだいの年齢が近く、乳児と幼児期間が重なってしまうと、もう1台必要になります。きょうだい2人の年齢が近い場合は、1台目乳児・幼児兼用（Type2）と2台目幼児・学童兼用（Type3）を買うのがおすすめです。

新生児〜15ヶ月は乳児専用を使い、その後15ヶ月〜12歳ぐらいまで使用できる幼児・学童兼用タイプに買い替えるパターン。まだ体の安定しない乳児期も、専用タイプならしっかりサポートできるので安心です。乳児専用は使用期間が短いので、きょうだいの年齢が近くても効率よく使えます。
ただし、その後は幼児・学童（15ヶ月～12歳）で2人が重なってしまうので、学童用（Type4または5）がもう1台必要になります。